セラピーをしている人間から言わせてもらうと、
グループセラピーや対話の中で
ある人が感情が出て泣き出すみたいなことがあっても、その人を触って支えたり、励ますような行為をしてはいけない。
どんな話が出ても、どんな感情が出ても、まわりにいる人は世間話を聞いているように普通にしている。
これが鉄則。
(ティッシュペイパーを前に置くくらいは、ありだけどね)
そもそも
何かをしたくなる時は、したくなる側にジャッジがあるんですよ。
これは、大変な話だ、かわいそうだ、サポートしなきゃとか、ジャッジと「ねばならない」から動いていることがほとんどで。
相手はその意識の影響を受けて、これは大変なことかもとか思い
下手すると自己憐憫に入っていく。
また、サポートしている側は自分が役に立っているという陶酔に入っていく。
そもそも、すごく大変な状況にある人のことを、第三者は理解などできないのですよ。
また、下手に触られたりすると、自分の中に入っていけないのですよ。
普通にしているのが一番大事で。
何が起きても。
それが一番当事者を安心させる。
30年前、私がセラピストになるトレーニングを受けていた時、トレーニングのグループセラピーの場で、ある方がご自身のお姉さんが自殺した話をし始めたら、座ってみていた参加者(トレーニングしていた仲間)が走り出していって、その人をギュッとハグして「わかるよー」と叫んだ時の、ハグされた人の当惑した顔を忘れない。
私は心の中で「わかってねぇよ」と、つぶやいていた。
その人には、「自分は助ける側だ」という陶酔と、自分はセラピスト側だという驕りがあった。
その話を聞いて彼女のほうが不安や恐れを感じ、それを消したいという衝動があった。
助ける側、助けられ側という二項対立を乗り越え、ジャッジ(自分の中の物差し)を捨て、いかに相手の力を信じられるか。
まず、自分がジャッジしていることに気づき、中立的でいることに、意識的になろう。
本文と関係ないけど、
昨日食べたインド料理。
精神科医の斎藤学氏と共著。
『ヘンでいい。』(大月書店)
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