アド・ホックと日本語の片仮名にもなっている単語なので多言は不要ですが、特定の目的のためだけに作られ、行われたという意味です。an ad hoc committeeといった使われ方をします。

 

ラテン語で、for/to thisという意味だそうです。

 

この、ad~という単語は他にもあるので、ここで整理します。

 

ad hominem (to the person) (議論について)客観的ではなく個人的な 

ad hominem attacks

 

ad infinitum (to infinity) 永遠に続く

0.33333333 ad infinitum

 

ad litem (for the lawsuit) 後見の guardian ad litem(後見人)

 

ad nauseam (to nausea) うんざりするほど He repeated the same point ad nauseam.

これも似ていますが、

 

adamant 断固とした(説得に応じず、意見を変えないさま)

adamantine (文語的)壊すことのできない

 

です。

 

両方ともギリシア語のadamas(ダイアモンドの原語)をもとにする単語のようですが、前者はそれなりに見るとして、問題は後者ですね。

 

文例としては、adamantine stubbornness/willfullnessといった例が確認され、ダイアモンドのように固い意志、といった意味のようです。ただ、文語的に訳すとどうなるでしょうか。ゆるぎなき、といった感じでしょうか。

 

似ていますが、

 

acuity 思考や視力、聴力の鋭さ mental/visual/auditory acuity

acumen 良い判断と素早い決断をする能力(機転の良さ) business/political/tactical acumen

 

で若干異なります。

 

後者の単語によく似た形容詞はresourcefulでしょうか。

 

Strangers: a Memoir of Marriage

Belle Burden

 

NYTのベストセラーに挙がっていたので読んでみました。

 

簡単にいうと、20年程度の結婚生活の後に夫の不倫が発覚し、夫から一方的に離婚を突き付けられた著者による離婚成立までの苦悩と立ち直りの実録談(本作はノン・フィクション)となっています。

 

著者は、現在はニューヨークで移民支援の公益活動に従事している女性弁護士ですが、大手事務所に所属していた際に同僚の弁護士として知り合った夫と結婚し、結婚と共に退職、その後はヘッジファンドに転職した夫を支えつつ3人のお子さんにも恵まれ、幸せな結婚生活を送っていたそうですが、コロナが流行り始めた時期に夫の不倫が発覚し、突如夫から離婚を突き付けられ、一体何が問題であったのかも分からず、苦悩しますが、結局裁判手続も経て離婚が成立し、その後は旧姓に戻して子供たちと前向きに生活を始めます。

 

正直いうと関係者がめちゃくちゃお金待ちであることが否めず、結婚までの経緯やその後上手くいっていた時代の話はあまり親近感が湧かなかったというのも正直な感想なのですが、夫が出て行ってから離婚成立に至るまで、それから本書籍の出版に至るまでの経緯(NYTのModern Loveの原稿応募コーナーに送ったら採用してくれたらしい。)については、離婚当事者の体験談として差し迫るものがあり、面白く読むことができました。

 

意外と気になったのが、こんな本を出して夫から訴えられるのではないかということでしたが、出版自体については夫も反対しなかった(と著者と出版担当者は夫からのメールで判断した)そうで、出版が実現したそうです。ただし、著者は周囲の知人や関係者からはいろいろと苦言や陰口を叩かれたようで(夫の側に悪い、夫に対する復讐であると悪くとらえる考え方はアメリカでもも強いようです。)、そうした経緯を知ることができるのもノン・フィクションならではの本書の良さといえるかもしれません。

 

なお、夫の側が本書で書かれているようになぜそこまで一方的な離婚に踏み切ったのかはよく分かりませんが(日本だと不倫に及んだ側からの離婚請求は簡単には認められません。)、それは夫の側からの説明がない本書からは想像するしかないです。何となく、夫の側にもそれまでの人生において隠れた理由があったようなことは推測されるのですが、そこは読者の側で推測ゲームのネタにするしかないでしょうか。

 

そんなこんなでもやもやしたものが残る本ではありますが、英語も標準的で癖がないので(ただし、細かい説明がダラダラと続く箇所もあるので読み飛ばしていいところもある)、興味のわく方にはおすすめです。

 

Book Review: ‘Strangers,’ by Belle Burden - The New York Times

高所恐怖症ですね。

ギリシア語のアクロン(頂点、てっぺん)という言葉に同じくギリシア語のフォボス(恐怖)という言葉が組み合わさった言葉だそうです。

 

この---phobia(何とか恐怖症)という言葉は非常に多く、ネットではかなりの数が挙げられておりますが、ここでは主要なものをまとめておきます。

 

aerophobia 飛行機(での移動)恐怖症

arachnophobia クモ恐怖症

agoraphobia 広場恐怖症(やや語弊のある訳で、広場に限らず特定の場所に感じる恐怖症)

claustrophobia 閉所恐怖症

sociophobia 対人恐怖症 

xenophobia 外国人嫌悪

似ているのでまとめて書きます。

 

acme 頂点、最盛期、絶頂(物事が最良になりあるいは最も発達した時点)

acne ニキビ

 

後者はアクニー・ケアなどと日本語でもいうのでなじみやすいかもしれません。

 

前者の文例としては、

The award winning novel is considered by many readers to be the acme of his work.

といったものが考えられます。

やってることがマニアックだと思いますが、それなりに意味はあると思います。

 

1 語彙が身につく

もちろん単純に読んでるだけではだめで、高速で読み回すとか、自分で整理しながら読むとか、工夫は必要だと思いますが、これは結構意味があるように思います。

 

特に、(私は受けていないですが)英検1級だとか国内の英語資格をある程度取得する、あるいは、洋書を多数読破するなどして使用頻度の高い語彙を身につけると、そこから語彙を増やす手段としてはこれくらいしかないようにも思います。

 

ここでいう語彙というのは、2万語前後の語彙で、アメリカでいうと全国紙や雑誌、専門分野に入らない程度の書籍といったレベルの書籍を読んだり、NPRやABC等のメジャーメディアを聴いたりする程度のレベルをいいますが、何だかんだ言ってそれなりにレベルの高い語彙を使っていることも多いように思います。

 

もちろん、小説や専門書、スラングや方言といった内容になってくると辞書だけでは対応できない部分があるのも事実ですが、あちらの大卒程度の人間が読み書き、会話したりする程度の現代の一般的な語彙は理解できるようになるというのが僕の実感です。

 

2 単純に面白い

それから、完全に趣味ですが、単純に言葉を集めて回る、あるいは、ちょっと散歩にでかけて面白いものを拾ってくるといった感じがあり、これだけでも意味はあるように思います。

 

よく、無人島に何を持っていくかという質問がありますが、辞書って結構いいんじゃないかと。

 

この意味では、日本語の辞典でもいいわけですが、手元にある岩波国語辞典に面白いことが書いているのを見つけたことがあります。

 

それは、「あげる」という単語の意味の箇所で、「(て)やる」を避けて言うと説明されているのですが(つまり、~してやる、ではなく、~してあげると言う)、これは1950年ごろから増えた本来の敬語用法をくずした誤用であり、2007年に文化審議会が是認したという説明がされています。ここからは著者自体が納得していないことが感じられますが、国語に関する深いバトルが展開されていることが読み取れて新鮮な気がしたことを覚えています。

 

3 著者に対するリスペクトが得られる

最後に、理由というより効果といった方がいいかもしれませんが、辞書を作る人がいてこそ、言葉が保存され、さらに活用されていく面もあるわけで、特に歴史ある辞書になると何十年、あるいは何百年にもわたってその作成に関与している人がいることが想像されて、しかも言葉が好きな人がいることに(一方的な)親近感がわくように思います。

 

だから何だと言われるとそこには大きな意味はないかもしれず、完全に自己満足なんですが、作ってくれた皆様、ありがとうございましたと、(ネットの端っこでこそっと)伝えたいと思います。

辛辣(しんらつ)な、という意味ですが、鋭い批判を率直に述べる様をいうようです。

 

2026/5/12のNYTの記事で、

Film Critic Known for Acerbic Reviews

といったタイトルが使われており、歯に衣着せぬ批評家、といった感じでしょう。

 

同じように以下の単語が近くに掲載されています。

acid/acidulous remark (酸性という意味のイメージから)刺すような発言

acrimonious debate 怒りと不和に満ちた議論

 

まあ困ったときはcriticalとでも言っておけばいいでしょう。

特に無礼または敵対的なやり方で、人に近づいて話しかけること、との意味の動詞です。

一言でいうと何でしょう、詰め寄る、といった日本語が合っているかもしれません。

 

ネット上の例文を参考にすると、

The mayor was accosted by the reporters who were unsatisfied with her explanation.

みたいな文が書けそうです。

 

ちなみに、話しかけるといってもいろいろあり、

speak to (一般的な意味で)話しかける

address (聴衆などに)話しかける

harangue 人や集団に大声で攻撃的に話をする

coo やわらかく、やさしく話しかける

といったものがあります。