Strangers: a Memoir of Marriage
Belle Burden
NYTのベストセラーに挙がっていたので読んでみました。
簡単にいうと、20年程度の結婚生活の後に夫の不倫が発覚し、夫から一方的に離婚を突き付けられた著者による離婚成立までの苦悩と立ち直りの実録談(本作はノン・フィクション)となっています。
著者は、現在はニューヨークで移民支援の公益活動に従事している女性弁護士ですが、大手事務所に所属していた際に同僚の弁護士として知り合った夫と結婚し、結婚と共に退職、その後はヘッジファンドに転職した夫を支えつつ3人のお子さんにも恵まれ、幸せな結婚生活を送っていたそうですが、コロナが流行り始めた時期に夫の不倫が発覚し、突如夫から離婚を突き付けられ、一体何が問題であったのかも分からず、苦悩しますが、結局裁判手続も経て離婚が成立し、その後は旧姓に戻して子供たちと前向きに生活を始めます。
正直いうと関係者がめちゃくちゃお金待ちであることが否めず、結婚までの経緯やその後上手くいっていた時代の話はあまり親近感が湧かなかったというのも正直な感想なのですが、夫が出て行ってから離婚成立に至るまで、それから本書籍の出版に至るまでの経緯(NYTのModern Loveの原稿応募コーナーに送ったら採用してくれたらしい。)については、離婚当事者の体験談として差し迫るものがあり、面白く読むことができました。
意外と気になったのが、こんな本を出して夫から訴えられるのではないかということでしたが、出版自体については夫も反対しなかった(と著者と出版担当者は夫からのメールで判断した)そうで、出版が実現したそうです。ただし、著者は周囲の知人や関係者からはいろいろと苦言や陰口を叩かれたようで(夫の側に悪い、夫に対する復讐であると悪くとらえる考え方はアメリカでもも強いようです。)、そうした経緯を知ることができるのもノン・フィクションならではの本書の良さといえるかもしれません。
なお、夫の側が本書で書かれているようになぜそこまで一方的な離婚に踏み切ったのかはよく分かりませんが(日本だと不倫に及んだ側からの離婚請求は簡単には認められません。)、それは夫の側からの説明がない本書からは想像するしかないです。何となく、夫の側にもそれまでの人生において隠れた理由があったようなことは推測されるのですが、そこは読者の側で推測ゲームのネタにするしかないでしょうか。
そんなこんなでもやもやしたものが残る本ではありますが、英語も標準的で癖がないので(ただし、細かい説明がダラダラと続く箇所もあるので読み飛ばしていいところもある)、興味のわく方にはおすすめです。
Book Review: ‘Strangers,’ by Belle Burden - The New York Times