シナリオ・センター大阪校 鳩子の日記 -12ページ目

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】あけましておめでとうございます

 新年も明けて早や七日。七草粥をいただく日が瞬く間にきてしまいました。みなさんはどんなお正月をすごされていましたでしょうか?


 お説教めいた言葉の嫌いなわたしですが、年末に京都でいい言葉をみつけました。


 「眠れない夜を嘆く人は多いが、目覚めた朝に感謝する人は少ない」という言葉です。仏教の教えなのですが、この言葉にしみじみ身につまされました。


 眠れない夜があると、眠れない夜がつづけばどうなるのかと心配になり、あたふた心配することを、またしても心配して、そしてあたふた心配を埋めるために四苦八苦して…。


 この条件反射のように生じる心の動揺と、その場凌ぎの応急処置の連鎖反応は、心配にも、欲望にも、心地よさにも、通じていて、それはとりあえずあたふたとなら、穴埋めすることくらいはできる、現代の便利さゆえなのでしょうか? 自分をふり返り、反省しようと思いました。現代人は嘆きを避けるためには、物なら、情報なら、なんでも手に入る。それなら物も情報もない時代なら、人は嘆きとどうやってつきあっていたのか? その方が辛いけれども、辛い分だけその方が美しい詩歌や文章が生まれていたのかも知れない…と、電気も燈っていない真っ暗な田舎の夜路を視つめていて、ふと思いました。


 悲喜交々があっての人生、人と人とが生かし生かされていることに感謝する時間を、今年は少しだけでもたいせつにしたいなぁと思いました。


 そうそう、今年は〆切りを守らない人のことを嘆かないで、ワイワイ意見の言いあえる合評会が今月も元気に集まってできたことを、感謝したいものです。<鳩子>

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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】楽屋

 女の楽屋が化ける楽屋なら男の楽屋も化ける楽屋。どんな風に化けたいのでしょう?


 なにごとも気にしていなくて、爽やかに、微笑んで生きている人に化けたい。その点では、男も女も同じなのでしょうね。女から男を見て、「ちょっと違うな」と思うのは、「強い弱い」と云うことを気にしていて、強い男であろうとしているところです。

 ある女流作家が、「女は、強い男よりも弱い男を好きになり、弱い男の心の窪みを愛おしく思う」と書かれていました。同感です。なのに強さを魅力と信じて、強さを誇示する男が多いのはなぜでしょう? 女には若い頃から、可哀想なムードをかもしだす翳りがあって、悪くて不良っぽい男を好きになる性癖があるようです。「私がついていてあげないと…」と思ってしまう母性本能。絶対大丈夫と云う男にはワクワクしません。危険だけどワクワクしたい。恋では女は冒険者なのでしょう。

 先日、テレビで30代の杉良太郎の、舞台と楽屋裏のドキュメントを再放送していました。大正昭和生まれのおばちゃんたちの憧れのスター、杉良太郎。一世を風靡した男の色気の秘密とは? 


「名門の出でもありません。歌舞伎の御曹司でもありません。鉄の卵です。一所懸命、磨いていかないと、錆びてしまいます。錆びないためには、みなさまのお力が必要です」


お芝居の後の歌謡ショーで、杉さまがいつも云われる決めゼリフだそうです。新国劇や大衆剣劇のセリフには、自分を一旦おとしめて、その後で志や決意、願いを表現するセリフがありますが、「弱い男でござんす」と堂々と云える男の方が、「こんな強い男なんだぜ、バカにするなよ」と誇示する男より、ワクワクするし、反して、信用してもいいような気分にもなります。<鳩子>

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】京野菜美人

 あけましておめでとうございます!


 親戚の叔父さんに七草粥の七草をわけていただき、美味しくいただきました。


 叔父さんは大阪市内の或る京野菜のお店で求められたそうなのですが、そのお店ではいしだあゆみに少し似た美人が絣のもんぺ姿で野菜を売っていらっしゃいます。


 いつもお客さんに声をかけられるのをわたしも拝見したことがあります。叔父さんも「いいお正月でした?」と声をかけられ、年末には「いつもより今日は早くお見えですね?」と声をかけられたそうです。ひとり暮らしの叔父さんは、とても嬉しそうにそのことをわたしに教えてくださいました。いしだあゆみ似のもんぺ美人はもちろん男性客だけでなく、おばあちゃんにも「お荷物ひとつにまとめておきましょうね」ととてもやさしく声をかけられています。もんぺと野菜のやさしさなつかしさをお客さんに届けていらっしゃる、ステキな京野菜美人です。


 お買い物にいって、ほんのふたことみこと、会話がある暮らしとは、いつのころからなくなってしまったのでしょう。


 子どものころに母に連れられ市場へいくと、店には顔なじみのおっちゃんやお兄ちゃんばかり。みんな、○○ちゃんとか○○っつぁんとか名前も下の名前で覚えていて、お買い物ついでに大人は立ち話。そのあいまに子どもはこっそりつまみ喰い。必ずどの町にもいたのが、浪花節のような渋い咽の口上で売るおっちゃん。あれは関西だけだったのでしょうか?裸電球の横には蝿取りリボンが揺れていて、夕暮れの道を母と手をつないで帰りながら、家についたらあったかい晩ごはん、宿題のことなんか忘れておなかいっぱいで寝てやろうなんてたくらんでいました。


 大阪でタクシー運転手が刃物で殺される事件がお正月のニュース。


 大阪でタクシーの事件が多いのは、お客との会話もサービスのうちと境目を作っていないからだとか… <鳩子>

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】アラフォー

 今年の流行語大賞はアラフォーに決まったそうですね。


 少し前では40歳というとオバサンにいよいよ突入というイメージであったのが、この言葉で爽やかなイメージに。


 医療の日進月歩から寿命は延び、樋口一葉が描いていたような死をそう遠くない未来に向かえ、自分の人生はこれで良かったのかと憂いを含んでいる40歳の女性と較べ、明らかに今の40歳は健康で生き生きしています。


 また少し前に40歳の女性がメディアでとらえられていたイメージというと、熟女とか四十路とか、はたまた人妻なんとかとか、オヤジ目線が多かったのが、それが恥ずべき目線であると気づかせただけでもこの流行語の社会貢献度は大だと思います。ただ、アンチエイジング商戦に乗せられているだけなのなら、ちょっと待ってという感じもしないでも…。


 むかしアパレルの仕事をしていたとき、特に大阪では若い人の服とおばちゃんの服しか売れないといわれていました。


 売れるおばちゃんの服というと入学式や冠婚葬祭に着る服、つまり妻として母としての服くらいで、おばちゃんいわく、そやかてお洒落しても来ていくとこがないやん、要するに大人の女の文化がないと。


 でも若者文化が大手をふり、30代もなかばになったあたりからは女が町へ出るのはおかしいという考えはずいぶん前に消滅。それどころか観光地などのターゲットはおばちゃんにしぼっている状況。それでも「わたしはこんなに若く見えるので、まさかアラフォーとはだれも気づかないでしょ?」と気づかれないことに躍起になっているのがアラフォーに限らず日本では現実のようで、それではアンチエイジング商法に乗せられているだけなのではないかなと…。


 ○十にして迷わずと孔子のようにとまではいかなくても、踊らされず乗せられず、自分らしさを考え築いてゆけるようなドラマが見たい!


 ぶつぶつ文句を書いてしまいましたが、佳いお年を!<鳩子>

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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】仲よし小道

 「仲よし小道はどこの道 いつも学校へみよちゃんと ランドセル背負って元気よく お歌をうたって通う道」とテレビから童謡が。小学校の頃、いつも帰り道、手をつないで一緒に帰った幸ちゃんと云う男の子を思い出しました。


幸ちゃんと私は家が近かったので、いつも一緒に帰りました。幸ちゃんはとても破天荒な発想の男の子で、女の子のパンツを覗くのに、直径10センチはありそうな大きな虫眼鏡を家から持ってきたり、一時はキッス魔になり、さっと逃げるように駆け抜けたかに見せかけては、女の子の肩にキッスしたり、本当に風変わりで破天荒な男の子でした。夏だったのでしょうが、女の子のノースリーブからちょこんと出ている肩にキッス、なんとも粋な発想です。ある時、小学校からの帰路でのこと、私がいくら話しかけても答えない幸ちゃんは、いきなり、口元からお昼にいただいた給食を田圃の畦道に戻しました。残さずに食べなさいと鬼のように怒る先生も先生だけれど、帰宅時まで、一所懸命、口の中に残している幸ちゃも幸ちゃんです。ずっと辛抱している気持ちが、とても昔気質で可愛いと思います。幸ちゃんの家は連れ込み旅館でした。今から外出と云う時に準備されるお父さんが、浴衣を脱がれ、お母さんが真っ白なワイシャツを間髪入れずに這おわされ、その隙に一瞬ですが、しっかり視つめてしまった、お父さんの背中一面の刺青。あまりの美しい光景に子ども心に息を呑みました。旅館の布団の山を飛び廻ってやった隠れん坊。子どもは、大人のセクシーな生活が雑然と残る空気を共有し、生き生きスクスク育っていたと思います。

 今の時代はユーモアやゆとりや粋さ加減がないことが、悲しいと思います。悲しむことさえ失せてしまいそうな事件。パソコンのチャット上での口論のあげく、友達を殺してしまった小学生のニュース。どのようなフィクションをと推考する速度より、何千倍も早い速度で現実は遥か彼方へ<鳩子>

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】女の楽屋 心の楽屋

 知人に、若き日イタリアで修行してこられたエステティシャンがいます。


 彼女曰く、日本とイタリアでは、エステについて、とらえ方に大差があるそうです。


 日本人は、しわやしみをとるため…と、現実的な目的でエステを訪れ、反して本場ヨーロッパでは、身心をやさしくいたわるリラックスタイムとして、エステを訪れるそうです。しみ、しわ対策のみを目的とする日本人の場合、高いお金を払ったのに、すぐさまの効力がないと、「嘘つき!」「詐欺商法!」と喰ってかかる人もいるとのこと。現実的な目的意識に基づいていると云うのに、魔法使いに全ての悩みを救われるとでも信じこんでいるかのように、突如豹変するアンバランス性。西洋文化に浅いゆえとは云うものの、悲しい国民性だと彼女は嘆いていました。

 わたしの大好きなデザイナーのおばあさんは、90歳。彼女も若い頃にフランスで修行されました。「おぉ、パリの空~!」と、シャンソンを歌いながら仮縫いされる姿は、夢見続ける少女のようで、仮縫いしていただくこちらも、どんな仕上がりの服を着て、どんなステキなときを過ごせるのかしらと、夢身心地になります。彼女はウエストまで届きそうなたわわな長い髪を三つ編みに結われ、いつもチャーミングなシフォンのリボンをつけていらっしゃいます。絶対にご自分では洗髪をなさらなくて、必ず美容院へ行かれるそうです。「シャンプー材の質が違うのですか?」と、つい情けないかな、無粋な質問をしてしまいました。しかし却ってきた答は、「人さまにやさしく洗ってもらうと云う心地が、髪をすくすく、いたわってくれるのよ」と。

 かつて日本人は、日本文化に於いて裏に息吹くこだわりの精神を分かち合えていたのでしょうが、西洋文化に対しては、未だに無粋であり、アイデンティティー不在の迷い子状態。本当に惚れた男意外に女の楽屋は見せてはダメ。これは女のマナーですが、果たして電車の中でフルメイクしている若い女性がいるような現代とは?<鳩子>

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】ひとりに戻れる物語

イギリスの名の知れた新聞記者とTVレポーターをかねていた働き盛りの男が、ふと逃避を図って蒸発。アフリカの砂漠へ。安ホテルで急病死した他人のパスポートを手に入れ、彼になりすまし、自分の過去を捨てる。やがてさまよえる女子大生と出会い、恋に。互いの過去に触れず、ただ人間そのものの存在を愛しあうようになり、彼らに新しい人生が訪れようとした矢先に、彼は武器密輸商人であった他人の過去に追い詰められ、ゲリラによって抹殺されてしまう。ロンドンから彼を捜して追ってきた妻は、遺体と再会し、警官の「彼を知っているか?」との問いに、「ノー」と答える。名前さえ知らない女子大生のほうが、警官の問いに、「イエス」と答える。


アントニオーニ監督の「さすらいの二人」です。


 家族が健全であることは社会の秩序につながります。ただ秩序やモラルで括ることだけで、架け橋は生まれるのでしょうか? やりきれないヒズミが物語を生みだすのではないでしょうか? やりきれなくなるのは、安手の芝居のように家族にスポットライトが当てられる、日本の冠婚葬祭です。昔、チャペルでの恩師の葬儀に参列した際、親友が喪主をつとめていらっしゃいました。恩師らしい、心に残る葬儀でした。昔、レニングラードの町角で、ウェディングドレスの新婦と新郎が、幸せそうに散歩している姿を見ました。式は教会で二人きりで済ませ、あとは町を散歩するだけの、市井の人の結婚式。幸せは橋に、河に、町の空気に刻まれていくようでした。

 暗い映画館。ひとりに戻れるとき。なにと出会いたいと思いますか?<鳩子>


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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】チョコレート


「B・ワイルダーさんは皮肉屋だった。『彼の心はかみそりだらけだ』(W・ホールデン)。ワイルダーさんは『人々を退屈させるのは罪だ。何か大切なことを言いたいのなら、それをチョコレートにくるみなさい』と。」(朝日新聞・天声人語より)


 チョコレートというのが洒落た表現ですね。やさしくて美味しくて、お客さんに思いやりやトキメキをプレゼントする表現です。もし、かみそりだらけの皮肉、風刺、怒り哀しみを剥き出しにしたら、お客さんはどうでしょう? 

よく自分の悩みを思いやりもなく友達や家族に吐きたいだけ吐く人がいます。それは人の心をゴミ箱にしているのと同じで、大事な人を失ってしまいます。

 作者が吐き出してスッキリしたくて書いているシナリオも同様、大事なお客さんを失ってしまいます。

倉田先生が添削のあと、つくづくと、

「シナリオ云うのは思いやりやなぁ」

 とおっしゃっていたことがありました。

このことがどれくらい難しいことなのか…言うは易し作品にするは遠し。だって、心の叫びを感じさせるシナリオは観客・読み手の心に届くのです。ここが難しいところです。

 「離見の見」が技にともなってゆくために、私達の勉強は繰り返されます。

とびっきりのチョコレートの技が腕につくことを目標に!<鳩子>

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】悪い男

小池真理子さんの「レモン・インセスト」を読みました。

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近親相姦のお話です。さまざまな男が出てきます。ヒロインは喫茶店のアルバイト。と云っても、店のオーナーの愛人。相当額のお手当てをもらって、ぶらぶらアンニュイな愛人生活を送っています。もともとその関係は、ヒロインにとって恋ではなかったのですが。そんなとき、弟と再会します。生まれてすぐに誘拐された弟が、美しい青年になって目の前に現れたのです。喫茶店のオーナーは、露骨に体だけを求めるような、悪い男ではないけれど、嫌な男になってゆき、弟との禁断のプラトニックラブに堕ちていくヒロインから、ぼろぼろの状態で捨てられます。オーナーが嫌な男になってゆくプロセスでのヒロインの心の流れが、女性に共感を得ると思いました。又、勧善懲悪の悪人ではない、嫌な男を視つめるヒロインの視線が伝わります。どの程度のところから始まった嫌さ加減なら、とことん嫌な男になりはてるのか…その移り具合にリアリティも感じました。一方、弟は一貫して理想の美青年として表現されています。決して結ばれてはいけない、愛する相手だからこそ、人間を超越した理想に成りえます。そして、弟との恋は、苦しまされる男になることを拒むかのように、突然のエンディングで物語は終わります。

この小説が映画化されたなら、嫌な男のオーナーを演じる役者の方が演じ甲斐がありますね。美しい弟は、いまどきの美をあてがうと、それで用を足しそうです。だからこそシナリオライターは嫌な男を描けなければいけません。

苦悩と恋が紙一重のような、嫌な男、悪い男を、脇役でなく描けたなら、と思います。森雅之が演じた、「浮雲」の男。悪くて、嫌な男で、それでも愛さずには生きていけない男としては、わたしにとっては最高峰です。<鳩子>


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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】酒とシナリオの日々

11月20日(木)はボジョレーヌーボーの解禁日でした。


世界中で11月の第3木曜日と決まっているため、時差の関係で日本がいち早く飲めるということで例年人気でしたよね!?


というのも、今年は輸入量が激減して最盛期だった2004年の半分だそうです。


しかも昨年まではコンビニやキオスクでも商品が店内のレジ近くにところ狭しと陳列されるほどだったのですが、今年はコンビニ各チェーンとも通常の酒類と同じ扱いで6~12本置いている程度…。


実は昨年はヌーボーがたくさん売れ残ってしまったためなのです。


流石の新しいもの好きの日本人も、コンビニにまで浸透したことで安っぽいイメージをもってしまったのでしょう。
そして味のわりには値段が高いことも…。実は航空便で届く最初のヌーボーは高価ですが、12月に届く船便のヌーボーは半値近くなので、急いで飲む必要がないことにも気がついたのでしょうね。


そんなこともあって、今年のコンビニのヌーボーは売れ残さないために酒販店での同商品よりかなり安い値付けになっています。
イベント性の高い商品なので、クリスマスやバレンタインデーを過ぎた後に誰もケーキやチョコレートを買わないのと同じで早く売り切らないといけないのです。


売れ行きは期待していないが置いておかないと体裁が悪い。だからほとんど利益無しで置いているチェーンもあるようです。


今年ヌーボーを飲んでみたい人は、今からでもぜひコンビニへ(笑)


閑話休題。


Brics各国の好調さに併せてワインの価格が高騰し、さらに品薄状態も続いていましたが、アメリカ経済の破綻とそれに伴うこれらの国の失速で再び以前の水準近くまでに価格が下がってきました。

また円高ユーロ安もあり、現時点での為替レートが反映される来年以降はワインがもっと求めやすくなることでしょう。


でもこのような状況下、ワイン業界の宗主国であるフランスでは若年層のワイン離れがどんどん進んでいるそうです。


健康志向や経済の停滞、さらにはワインが伝統的な古い酒というイメージが強いようです。

日本でも若年層が酒を常飲せず、炭酸系のカクテルを好むことと相通じるのかもしれません。


でも何か寂しいですね~。チューハイやパナシェでは…。


ワインや日本酒には色々な歴史や逸話があり、またこれらの酒を小道具に使うことでドラマや映画のシーンが引き締まる事例は多数ありました。

また、かつてはカクテルの作り方やワインのビンテージを知っていることが紳士淑女の教養であった時代も。


ということで、今回は飲めないシナリオ人の教養のために「ワイン&映画本」のご紹介です。

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『映画でワイン・レッスン 青木冨美子(エイ出版社)』

映画でワイン・レッスン/青木冨美子
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ワインは名画の隠れた主役です。ワインに精通した監督がキャスティングする個性豊かなワインたちが見せてくれる演技は、まさに役者顔負け。ときにはストーリーのカギも握ります。誰もが一度は見たことがある“あの映画”の“あのシーン”に出てくるワインの銘柄と、そのワインが選ばれた理由をお話します。


▼第1章:シャンパーニュ Champagne

・タイタニック
・プリティ・ウーマン
・二キータ


▼第2章:ボルドー Bordeaux

・失楽園
・ソフィーの選択
・007/ダイヤモンドは永遠に


▼第3章:ブルゴーニュ Bourgogne

・突然炎のごとく
・仮面の男
・肉体の悪魔


▼第4章:その他のフランスワイン France Other Region

・フレンチ・キス
・トーマス・クラウン・アフェアー
・恋の秋


▼第5章:イタリア Italy

・ローマの休日
・家族の肖像
・ゴットファーザーPART I


▼第6章:カリフォルニア California

・ブラッド アンド ワイン
・サイドウェイ
・硝子の塔


▼第7章:ニュー・ワールド New World

・エビータ
・私の愛情の対象
・幸せのレシピ


▼ワインのマナー Manners
星の王子ニューヨークへ行く

※エイ出版社サイト(http://www.sideriver.com/ec/html/item/001/045/item44943.html )より転載

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あなたにとって印象的な酒と映画のシーンって何ですか?

007シリーズは何れも必見ですが、特に「007/ロシアより愛をこめて」はオリエント急行内での食事時に飲むイタリアの名酒キャンティの使い方が秀逸でした。
また激情的な愛のフランス映画「ベティブルー」ではテキーラ・ラピドというカクテルを飲むシーンが不安定な主人公の心情をよく表していたと思っています。<鳩子>