これから春に向けてシミのご相談をいただく時、「3月の卒業式に家族写真を撮るので」というようなお話を聞くことがあります。
1回でシミの色素を取りに行く「シミ取りレーザー」の方法で取れればいいのですが、顔中に細かいシミが散らばっている場合や肝斑を合併している場合など、1回で取りに行くのが得策でないこともあります。
レーザーのスポット+トーニングの方法は、副作用を少なく全体的に少しずつ治療できる方法としてはよいのですが、月1回で繰り返し治療が必要になります。
なるべく治療期間を短くしたいという場合は、外用の併用をお勧めしています。
トレチノイン・ハイドロキノンという2種類の塗り薬を使います。
シミの色素を漂白したり、ターンオーバーを高めたりという作用があります。
レーザー治療と組み合わせることで、レーザーで壊した色素をより効率よく体外に出すことが可能です。
もちろん、外用薬だけでシミ治療をすることも可能ですが、その場合はやはり数か月~1年近く(シミの濃さによります)かかりますし、シミの状態によって外用薬だけでは難しいこともあります。
メイクに支障なくできるだけ短い期間でシミ治療をしたい方は組み合わせ治療をご検討ください。
また、抗酸化・肝斑のコントロールという観点では内服薬もあるといいので、詳しくは過去記事をご覧いただければと思います。
外用薬のトレチノインは赤み・皮むけがありますので、どうしても続けられない方はレチノールという成分配合の化粧品を使うことで対策します。
(トレチノインとレチノールはともにビタミンAの仲間になります。トレチノインの方がシミ治療の作用は大きいです。)
参考までに、モニター患者様でトレチノインを使っていた方の様子をご紹介しますね。
鼻の下や、フェイスラインのところが毛羽立ったようにカサカサしているのがお分かりかと思います。(反応の出方には個人差があります。)
すべての方が組み合わせ治療を受けなければならないわけではありませんが、お一人ずつシミの分布や治療期間が異なってきますので、ご希望に合わせてご提案いたします。
※1月6日(月)から、美容皮膚科のカウンセリングも電話予約となりました。治療ご希望の方は診療時間内に011-807-0178までお電話ください。(木曜・土曜は午前診療です。)