こんにちは。六本松ゼミナールの深川です。
学力テストの動向は塾で生徒たちを教える上で参考になります。
文部科学省は8月28日、小6と中3を対象に4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表しました。
今回、国語のレベルがどのように変化しているか、見ていきたいと思います。
小6国語でことわざの意味や漢字の読みなど基礎的知識の理解力定着が進む一方、記述は苦手のままで、中3国語では言い換え表現に依然課題となっています。
【小学6年 国語】
平均正答率は基礎的な知識を問うA問題が74・9%、表現力や思考力をみるB問題が57・6%。
A問題では、ことわざの意味を理解し、日常生活の中で適切に使えるかをみる設問について8割以上の児童ができています。「三度目の正直」の使い方の適否を問う問題では90・1%が正答。「もちはもち屋」についても正答率は83・8%にのぼりました。
漢字の読みを書かせる問題でも正答率は高く、「期限」(94・5%)、「事務室前」(88・9%)、「指示」(94・6%)-などでした。
古文の言葉の響きやリズムに関する選択問題の正答率は71・3%。
ただ、B問題では状況に応じて事柄を整理し、記述する問題では苦手意識が出ました。
例えば、折り紙の魅力について、スピーチメモとグループの話し合いで出された意見をもとに書く問題では正答率が48・6%にとどまりました。
複数の文章をもとに、協力を依頼する文章作成力を問う記述式問題では、33・2%しか正しく答えられませんでした。
このほか、物語「きつねの写真」を読み、感想を伝え合う中で、具体的な叙述をもとに理由を明確にして、自分の考えをまとめることにも課題がありました。正答率は43・9%にとどまり、無解答率も19・3%と高かったです。
【中学3年 国語】
平均正答率はA問題が77・8%、B問題は72・7%。漢字などの語彙の正答率は高かったですが、情報の整理と記述に課題が残りました。
A問題では、文脈に即して漢字を正しく読むことは相当数の生徒ができました。例えば、正答率は「覚悟を決める」が98・7%だったのを筆頭に、「鮮やかな色合い」(94・6%)、「水が垂れる」(94・4%)-などでした。
助詞の使い方の理解度も高かったです。文章の中の「が」を「こそ」に言い直したことの意図を問う問題では91・8%が正しく答えました。
一方、校内での活動内容案の結果のうち、「あとでもう一度話し合う」を漢字3文字以内で言い換える問題では、正答例の「再検討」「保留」を書いた生徒は36・5%。無解答率も12・7%に上り、場面や状況に応じて語句を適切に使うことに課題がありました。
B問題では、けん玉に関するスピーチの内容について、聞き手に分かりやすく伝わるように言い直す問題で正答率が58・2%にとどまり、表現力に依然課題があることが明らかになりました。
さまざまな文学作品を紹介する冊子を作成する題材では、アンケートをとる対象と質問内容、その質問に対する回答を冊子に載せることで興味を持ってもらえると考えた理由を書く問題の正答率は69・3%でした。
やはり、表現力、記述力アップが課題となっています。