「読解力」15位に後退 数学的応用力は上位 OECD調査 | 福岡市中央区の個別指導塾・六本松ゼミナールのブログ

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「読解力」15位に後退 OECD18年国際調査
日本、科学・数学的応用力はトップレベル維持
パソコン解答に戸惑いも

 

六本松ゼミナールです。

 

日本の学力レベルが先進国の中でどの程度なのか、今後の子どもたちの伸びしろを持たせるためにも大切な参考情報です。

 

とくに読解力、作文、小論文が今後、受験科目として大切な部分を占めるようになるならば、なおのことですね。


経済協力開発機構(OECD)は12月3日、79カ国・地域の15歳約60万人を対象として2018年に実施した国際学習到達度調査(PISA)の結果を公表しました。

 

 

日本は「読解力」が前回15年調査の8位から過去最低の15位に後退。「科学的応用力」は5位(前回2位)、「数学的応用力」も6位(同5位)にそれぞれ順位を下げましたが、世界トップレベルを維持しました。

 

読解力で日本の15歳の順位が続落したのは2000年→03年→06年の調査以来。当時は「ゆとり教育」の学習指導要領への批判がさらに高まり、全国学力調査の復活の契機になりました。

 

 

日本の読解力は、平均得点が504点でOECDの平均(487点)より高いが、前回より12点下がりました。408点未満の最下位グループの生徒は16・9%(前回比4・0ポイント増)となりました。

 

今回の原因について、文部科学省は「様々な要因が重なり決め手がない」と分析。調査方法が前回、紙からコンピューターを使う形になり、測る力が今回、ブログや電子メールなどを対象とした本格的な「デジタル読解力」へと変わった影響は大きい。

 

文部科学省は、テキストから情報を探し出すことに加え、内容の信ぴょう性を評価したり、自分の考えを他者に伝わるよう根拠を示して説明したりすることに課題があると分析。コンピューターを使った長文読解への不慣れも指摘しました。

 

 

科学的応用力の平均得点は529点で、前回より9点下がって過去最低。数学的応用力は前回より5点低い527点だった。OECD加盟37カ国中では読解力11位、数学1位、科学2位となりました。

 

国・地域別の平均点順位は、3分野とも中国の「北京・上海・江蘇・浙江」が1位、シンガポールが2位、マカオが3位で東アジア勢が上位を占めた。OECD加盟国の中では、読解力と科学的応用力はエストニア、数学的応用力は日本がトップでした。

 

アンケート調査で「読書は大好きな趣味の一つだ」と答えた割合は45・2%(OECD平均33・7%)で、読書を肯定的に捉える生徒ほど読解力の成績が良かったのが特徴です。

 

 

OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長は、日本は選択肢形式よりも自由記述式形式問題の成績が下がっていると強調。「(デジタル世界の)曖昧な情報の中で自分の考え方を導き、事実と意見の区別を付ける経験が大事ではないか」との見方を示しました。

 

日本の15歳はチャットやゲームで遊んでも、家で学習に利用する時間は少ない傾向にあります。授業でデジタル機器を使う時間も、日本はOECD加盟国のなかで最下位。小中高校のパソコンは児童生徒5・4人に1台、教室の無線LAN整備率も4割しかなりません。

 

 

2003年調査では読解力が8位から14位に落ち、「PISAショック」と呼ばれて「ゆとり教育」を見直す契機になりました。その後、一時回復したが前回は8位(前々回4位)に低下。文科省は新学習指導要領に盛り込んだ語彙(ごい)の習得や、情報を理解して表現する力の育成などを進めます。

 

今回、1地域として参加した北京・上海・江蘇省・浙江省が3分野全てで首位。前回全分野でトップのシンガポールはいずれも2位でした。

前回からコンピューター使用型調査が導入され、文部科学省は「日常の中で、パソコンを操作しながら学習する経験値の差は要因としてあり得る」としています。

 

 

読解力では小問245問のうち173問で、投稿文や電子メールなどの形式を活用した新たな問題となりました。公開されたラパヌイ島(イースター島)に関する出題では、大学教授のブログをスクロールして読んで解答を選択したり、オンラインの科学雑誌記事を読みマウスでドラッグアンドドロップして原因と結果を選んだりすることが求められました。

 

さらに重なるのが活用力の弱さ。選択肢から正解を選べても、大量の情報から必要なものを選び出したり、情報を疑ってみたり、自分の考えを表現したりする力が足りません。その結果、自由記述形式の正答率は前回より12ポイント下がっています。

教育格差も課題が残っています。

 

子どもに保護者の職業、学歴や電子機器の有無を聞き、家庭の経済状況を4段階に分けると、最も厳しい層では、読解力の最下位水準の子が4人に1人以上いました。

 

 

ICT(情報通信技術)への対応の遅れ、活用力の弱さ、格差。重要なのは順位ではなく、指摘され続けてきた問題をどう解決するかです。

文科省は、重要箇所に線を引くことができる紙の問題文との違いを指摘。また、プログラム上、一つの大問を解答し終えて次に進むと前に戻れないが、「そのルールを忘れ、戻れずにパニックになる受験者も若干見られた」(同省)とのことです。

 

アンケート調査では、1週間のうち国語などの授業でデジタル機器を「利用しない」と答えた生徒の割合は約8割に上った。教育現場でのICT(情報通信技術)環境の整備に向け、政府は小中学校でのパソコン1人1台体制を目指しています。

 

経済協力開発機構(OECD)は「コンピューターになじんでいることは必要な前提条件ですが、ITを使いながら解決策を見いだしていく使い方を教えることができるかが大事だ」と指摘しています。

 


【国際学習到達度調査(PISA)】

 

国際学習到達度調査(PISA) 経済協力開発機構(OECD)が行っている国際的な学力テスト。義務教育修了段階の15歳を対象に、「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」の3分野で2000年以降3年ごとに実施。知識や技能を実生活で直面する課題にどの程度活用できるかを評価する。問題は一部を除き非公開。前回から全てコンピューターで解答する形式となり、今回は読解力を中心分野として重点的に調べた。日本からは無作為抽出された高校など183校の1年生約6100人が参加した。

 

各分野の上位と平均得点


【読解力】

1 北京・上海など(27)  555<p>
2 シンガポール(1)   549<p>
3 マカオ(12)      525<p>
4 香港(2)       524<p>
5 エストニア(6)    523<p>
6 カナダ(3)      520<p>
7 フィンランド(4)   520<p>
8 アイルランド(5)   518<p>
9 韓国(7)       514<p>
10 ポーランド(13)    512<p>
15 日本(8)       504<p>


【数学的応用力】
1 北京・上海など(6)  591<p>
2 シンガポール(1)   569<p>
3 マカオ(3)      558<p>
4 香港(2)       551<p>
5 台湾(4)       531<p>
6 日本(5)       527<p>
7 韓国(7)       526<p>
8 エストニア(9)    523<p>
9 オランダ(11)     519<p>
10 ポーランド(17)    516<p>

 

【科学的応用力】
1 北京・上海など(10)  590<p>
2 シンガポール(1)   551<p>
3 マカオ(6)      544<p>
4 エストニア(3)    530<p>
5 日本(2)       529<p>
6 フィンランド(5)   522<p>
7 韓国(11)       519<p>
8 カナダ(7)      518<p>
9 香港(9)       517<p>
10 台湾(4)       516<p>

(注)かっこ内は前回順位。「北京・上海など」は北京・上海・江蘇省・浙江省で、前回は北京・上海・江蘇省・広東省として参加