こんにちは。六本松ゼミナール塾長の深川です。
文部科学省は、全国約50高校を対象に生徒が大学の科目を「先取り」して履修・単位取得できる制度を創設する方針となりました。
人工知能(AI)の技術発展を見据えた人材育成の一環です。
高度な微分方程式や膨大なデータから規則性を発見する「データマイニング」など、主に大学で扱う理系分野を高校段階で学ぶことができます。
今後10年程度かけ、各都道府県の国公私立高校から少なくとも1校を実施拠点に選ぶ構想を描いていきます。
成績優秀で学ぶ意欲の高い生徒が大学の単位を先に取っておくことで、進学後、より高度な内容を学ぶことができます。今後の学校での学習カリキュラムに一石を投じそうです。
文科省は、高校生が大学の単位を取るため、高校の教室で直接授業を受けたりインターネット配信授業を受けたりすることを想定。すでに学習塾で幅広く利用されている実情を見て、研究開発などで国際的に活躍できる人材を育てる観点から、提携する海外の高校への留学を必修化し、海外から受け入れた留学生と日本の高校生が一緒に英語で授業を受けるプログラムも設ける見通しです。
取得した単位をどの大学で使えるようにするかなど細かな制度設計は、今後の検討課題としています。
高校生が在学中に大学の正規科目を受講し、進学後に単位として取得する取り組みは「アドバンスト・プレースメント」と呼ばれ、米国などでは一般的です。
文科省は理系分野でのアドバンスト・プレースメントを日本でも推進し、高校生の学び方の選択肢を増やしたい意向です。
一方、学習塾でも人工知能(AI)を活用する動きがさらに拡大しています。
河合塾(名古屋市)は4月、AI教材を高校生の数学の授業に導入。
生徒の弱点を分析し、習熟度に応じた最適な問題を出すことで、苦手分野の克服を後押ししています。生徒一人ひとりにAI先生が付くイメージです。
秀英予備校(静岡市)も3月にAI教材を本格導入。
河合塾は昨年9月、教育ベンチャー企業で学習塾も経営するコンパス(東京都)と業務提携し、高校生向けの数学のAI教材を共同開発。
タブレット型端末で出題し、生徒の解答や所要時間、計算過程などを分析。次回からは生徒それぞれに合った問題を出します。
コンパスの塾で、同社が単独開発した小中学生向けの算数・数学のAI教材を使ったところ、中学1年生が1学期(14週間)に学習する範囲を平均2週間で修了し、高い評価を得ています。
河合塾は数学の学習効果を見極めた上で他の教科への活用も検討する方針。
秀英予備校も他社と提携し、パソコンを使って出題する小学生向けの英語のAI教材を開発。
児童が声に出した答えをAIが発音と文法の両面から採点し、反復して学習すれば点数が伸びるため、児童のやる気を引き出し、スピーキング能力を向上させていきます。
国は小学校の英語教育に力を入れていますが、発音指導などは学校教師の負担が大きく、学習塾に対する期待が高まっています。
【平成30年度全国学力テスト 問題と解答一覧】
小学6年と中学3年を対象に17日に行われた平成30年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の調査問題、解答は以下の通りです。
小学6年生の問題と解答
中学3年生の問題と解答