こんにちは、Sarah(サラ)です。

 
大手住宅メーカー勤務の
インテリアコーディネーターです。
 
外出自粛の要請が緊急事態宣言に変わり、私たちの日々の生活は以前に比べ、
ずいぶん様変わりしたと感じます。
「ステイホーム」「エンジョイホーム」繰り返し流され続ける言葉を受け止め、家づくりに特化したアドバイスを考えました。
 
毎回テーマは1つに絞ります。

紹介するポイントを押さえるだけで、住宅メーカー
や各担当者との打ち合わせがスムーズに進みます。
ぜひ、参考にしてください。

ポストコロナの家づくり②
〜間取りの工夫〜

前回、コロナ以前と以降の打ち合わせについて、社内の変化をお伝えしました。
住宅メーカーは、展示場がクローズしているため、ウェブでの家づくり相談に力を入れています。おうちで設計相談やVRでモデルハウス体験などが、各社の共通したワードです。新しい生活様式を否定しないで、うまく折り合いをつけていく仕事の進め方が、求められていると思います。


1.在宅ワークを快適にする工夫

職場でのソーシャルディスタンスを保つため、私は在宅と出社の比率が2対3になりました。図面のチェックや各担当者とのミーティングは自宅でもできますが、床・壁・天井材、カーテン、タイルなどたくさんのサンプルを使って行うお客様との打ち合わせには、出社が必要になります。出社時には、通勤リスクが心配ですが、在宅では集中力の維持が難しいと感じる人が多いようです。コロナ以前、家はまったくのプライベート空間でした。
「心地よく過ごす」「ヒュッゲな暮らし」など、くつろぎや癒しワードで語られることが多かったように感じます。今もその言葉を否定はしませんが、新たに快適に仕事ができる環境が必要になりました。

新築住宅でない限り、1から間取りを考えることはできませんが、家具のレイアウトなどで工夫はできると思います。同僚からヒアリングした在宅ワークの悩みを検証し、解決策をインテリアコーディネーターの立場で考えたいと思います。


2.在宅ワークで困ったこと

・集中力が続かない
・Wi-Fiなどの環境が整っていない
・Skype打ち合わせ時、お互いの背景が気になる
・会社から持ち帰った資料の収納場所がない
・時間管理がきちんとできない
・くつろげない  

一番目に挙げた集中力が持続できないが、私も含め最も多い悩みでした。
同じく在宅ワークの夫や自宅学習中の子供たちのために、食事を用意したり、細々とした家事が集中力を途切れさせる要因になると理解しました。  

Wi-Fiの環境整備は、社内の専門部署に相談をしてアドバイスを受けました。
同様に背景問題もバックの画像をぼかしたり、他の画像を差し込んで加工ができると教えてもらいました。

時間管理の件は、集中力の持続に関係しています。

時間管理に付随するのがくつろげない悩み。
プライベートなおうち時間が、仕事の延長線上にあるだけでなく、交差することで心がざわついた状態のままで落ち着かないことが要因だと思います。


3.在宅ワークを快適にする間取りを考える

自宅にWi-Fi環境の整った書斎や個室がある人は、
特に、問題なく仕事に集中できると思います。

書斎や個室を持たない人は、どうしてもLDKにある
ダイニングテーブルでの作業になります。  
テーブルの大きさは、4人掛けで120cm〜150cm。
6人掛けで180cm〜210cm。
奥行きが大体90cm〜100cmです。
会社のデスクが大体120cmだとすれば、家での作業は、1つのデスクを夫婦2人でシェアして使うイメージ。さらに子どもたちが、加わると1人のスペースは
60×45cmとなり、密であることに加え、集中することが難しくなります。

集中ができないと、効率が悪くなり時間ばかりが、かかります。定時を過ぎても終われないことで、オンとオフの切り替えが上手くいかなくなります。
結果、家がくつろげない空間になってしまいます。
悩みは、すべて繋がっていきます。

いつもはいないパパやママが家にいて、嬉しいはずの
子どもたちも、静かにしていなくてはいけないストレスに滅入ってくるかもしれません。


4.今回のまとめ

これから家を建てる人にコーディネーターの立場でアドバイスを1つ。
コロナ以前に正解とされていたものを見直すことから始めてください。在宅勤務へのシフトや、週休3日制の導入が進んでいくかもしれません。
自宅をより心地よくするためには、それらのことも考慮すべきだと思います。
広いLDKを確保するため、犠牲にしてきたものを見直してはいかがでしょうか?

次回は、広いLDKを家具の配置で間仕切る方法をご紹介します。