星空シアター -14ページ目

スターシップトゥルーパーズ2 見事な密室ホラーに

starship2 ◇レンタルDVDにて視聴。


◇前作同様に,戦意高揚プロパガンダ映画という立場を冒頭と終末で示すが,その途中は,見事な密室ホラーとして結実している。前作のような,土派手なVFXは姿を潜め,「物体X」さながらの疑心暗鬼の密室劇。といっても,敵はあっというまに仲間を増やしていく。スピード感あふれる展開に,物語の半ばからぐいぐい引き込まれていく。


◇VFXは,指もげ,腕もげのグロなものから,「物体X」あるいは「ヒドゥン」を彷彿とさせる,蜘蛛状のバグは不気味でうれしい。


◇葉巻を吹かす女曹長がいかしており,バグに侵入されても,強靱な意志で仲間を救い,最後は自殺するあっぱれさ。完全に男女平等の軍隊は未来感覚である。


◇不気味で小粋な小品。おすすめ。

SWING GIRLS 泣けだず

swomg_girls ◇弟から借りたDVDにて視聴。これは最高だった。夏から冬への季節の中で,東北の美しい自然を背景に輝く青春。夏のうだる教室。田んぼのどろ。気持ちよさそうな清流。高校野球のグラウンド。雪合戦。いいなあ。


◇補習を受けねばならない,いわば劣等女子高校生が,ひょんなことからジャズに出会い,ひとつのことに打ち込んでいく。感情をストレートに表現していく彼女らは実に新鮮だ。知人はこう評した。「ころぶことを恐れず必死で走る姿はなかなか最近見られない」


◇雪合戦のシーンで,少女と少年のほのかな恋の匂いも漂う。雪の上に寝そべった少女の表情は実に切なそうだったが,すぐに「ばーか」とちゃかしてしまうのが無邪気で,この映画をべたべたした恋物語にせず,笑いの中にさわやかさをみなぎらせた監督の力量だ。


◇そして,クライマックス。全登場人物か一体となった演奏会。高揚感と泣きたくなるような感動を与えてもらった。やはり,音楽はいいなあ。理屈とかすっとばして,おじさんも泣けだず。

星空シアター始動

hosi1 ◇ものおきシアターを離れること一月。やっと新たなシアターをオープンすることができる。
その名も「星空シアター」。流れ天上にぽっかり開いた天窓から星明かりがこぼれてくることから

このように名付ける。
hosi2

◇シアター開設に当たっては,我が弟に多大な世話になった。セッティング並びにSビデオ信号のレジ合わせをしてもらった。感謝したい。
◇信号としては,まだSビデオしか入らず,DVDプレーヤーを1台つないでいるのみである。今後DC3000を介して,BSデジタル,DVDプログレの信号を追加したい。

ものおきシアターの閉館 壱岐を離れます

◆転勤が決まり,4年間過ごした壱岐を離れることになった。

◆美しい自然,おいしい魚,よく飲んだ麦焼酎。今となっては素敵な思いでばかりである。

◆つらいこともあったが,この島を第2の故郷として,また訪れてみたい。

◆そういうわけで,借家の2階のものおきで毎夜開かれていたシアターは,ここに閉館となる。本土に戻ってからは,シアタールームがあるので,新たな名前でシアター並びにシアターブログを再開したい。

◆読者の皆さん,しばらくのお休みをいただきます。

アシュケナージ N響 神戸震災10年追悼レクイエム

◆BSハイビジョンをHDDに録画して視聴。

◆アシュケナージは,背丈も高くなく,すっかり白髪になり,なんとなくカラヤンを彷彿とさせる。ただ,カラヤンのように目をつぶって静かに振るのでなく,表情豊かにエネルギッシュである。

◆N響の演奏は,バランスはよいが淡々としたもので,この演奏では神戸の合唱団が主人公として浮き立つ。ソロではソプラノの森 麻季氏は声・容姿共に美しい。バリトンの八戸氏は,パパイヤ鈴木似だが,声は心に響く。

◆インタビューでアシュケナージは,「亡くなった人は戻っては来ない。」を繰り返し,天災の前では音楽の力の弱さを自覚しながらも,自分にできることを全力でやるという真摯さがよく伝わってきた。

◆「ラクリモーザ」のppの静謐な美しさと演奏者の心に秘めた思いが伝わり感動した。アンコールの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は定番ではあるが,これまでと違う,静かな安息の気分にさせてくれた。

続・激突!カージャック スピルバーグの映像美

◆BS2をHDDに取りだめていたものを,やっと鑑賞。

◆スピルバーグ監督の劇場デビュー作品と記憶している。「激突!」はTV映画だった。冒頭からそのカメラアングルは凝っている。廃車を物色する男を画面前に,後ろには荒野のごとき道路。その道路を1台のバスがやってきて,止まり,ゴールディー・ホーンが降りてくる。廃車の男は映画とは全く関係ないのだ。カット変わって,枯れ草の中から主観的にゴールディーを映す。やはり,まだ画面左端には廃車の男。深読みすれば,この映画,数々の廃車を作り出し,最後は主人公たちも廃車(死んでしまう)ので,その伏線ともとれるが・・・。驚くべき冒頭シーンである。

◆パトカーの群像,疾走感はもちろんだが,私が感心する映像は,スピルバーグ映画の特徴とも言うべき,アニメTV画像。アニメは音がなく,それに主人公の男が擬音をつけてゴールディーを喜ばす。アニメは動物が,高いところから落下していく画像が繰り返される。「ひゅーん,どすーん」初めは楽しそうにしている男だが,どこまでも落下し,地面に激突する姿が,自分の将来を暗示しているようだと気づき,その顔は曇っていく。カメラは,キャンピングカーの外からガラス越しに男の顔をとらえる。男の顔とガラスに映ったアニメTV画面が重なる。切り替えなしで2つの画像を同時に見せる,これまた驚異のシーンだ。やはり,スピルバーグは天才だ。

◆エンディング,時間は夕暮れ,川端でとうとうストップした車。降りてきたのは,主人公の2人と同乗し,二人に同情していく警官だけ。彼のシルエットが,金色の川面に逆光で切り取られる。その映像美!ああ,才気あふれるスピルバーグに触れることができた幸せよ。



タイトル: 続・激突!カージャック

チャングムの誓い 第22話 大きな山となり 突風となれ

◆HDD録画、その日に視聴。

◆宮中で死ぬことはできない。厳しい掟である。死期の近づいたチョン最高サングンはチャングムとヨンセンとともに、里へ。自分も行こうとしたハン新最高サングンに対し、「おまえがスラッカンを空けてどうする。この時こそ、自らが大きな山となり、突風となれ」という力強いアドバイスを残して、チョンサングンは宮中を後にする。いい台詞だ。「弱気になれば、小さな山も大きく見える。自らが、大きな山になり、突風となることで、相手は小さな山に、そよ風に見えてくる」心に刻みたい台詞だ。人生の指標だ。志を確かに、立ち向かっていくことの大切さを強く訴えてくれる。

◆チャングムやヨンセン,そして王の侍医の介護もむなしく,チョン最高サングンは誰も知らぬうちに逝った。「私の知らないうちに逝くなんて,絶対許しません!」泣き叫ぶヨンセンの声,そして子供時代のチョンサングンとのエピソードの数々,観る者の涙を絞る。「つらい人生と楽な道,どっちを選ぶ?」チョンサングンの質問に,チャングムの答えは名答だ。「サングン様は選べるんですか?私はつらいことはいやなのに,いつもつらいことばかり」厳しくつらい道が人を磨く。しかし,その中にも喜びやわらい,少しのゆとりがなければ生きてはいけない。チョンサングンは,チャングムたちにとって,喜びや笑顔をもたらしてくれるすばらしい人であったのだ。「火葬にして,灰をまいておくれ。雲になっていろいろなところを見てみたいんだよ。」宮中で不自由に一生を送る女官の悲しみをさらりと表現している名場面。

◆前半はチョン最高サングンの感動の最期,後半はこれに対比的に,胸が痛くなるような,すさまじいハン最高サングンいじめである。投げ出しそうになるハン最高サングンを,チャングムは「もし,投げ出してしまったら,私は絶対ハン最高サングン様を許しませんからね!」という毅然とした台詞で説得。ハン最奥サングンは,再び競い合いを行い,自分の前にそそり立つ障壁に立ち向かうことを決意する。おもわず,拳を握りしめ,「そうだ!よし」と叫んでしまった。何と,観る者の心を奮い立たせるのが巧みなシナリオだろうか。前半のヨンセンの「許しません」と後半のチャングムの「許しません」の符合もおもしろい。


アーティスト: TVサントラ, Alessandro Safina, キム・ジヒョン
タイトル: チャングムの誓い オリジナル・サウンドトラック

24 サードシーズン 最終話 限界を超えた

◆レンタルDVDにて視聴。いよいよVol12。最終ディスクである。

◆限界を超えて,辞任する人生,あるいは続けていく人生。

◆最後の1本のウイルスを所持している男を知っているのは,サンダースのみ。地下鉄を封鎖し,一人一人顔写真をCTUに送り,それをCTUでサンダースが面通しをする。ところが,我らがヒーローガイルの奥さんが,CTUを尋ね,サンダースが今回の事件の張本人であることに気付き,サンダースを射殺してしまう。もはや,ウイルス所持の男が誰か分からなくなる。

◆一方,ウエイン・パーマーは、悪女シェリーから証拠の薬瓶を奪ったものの,そこに恋人ジェリーが自暴自棄になりやってきて、シェリーを射殺。自らも自殺してしまう。権謀術数の末のシェリーの哀れな終焉。そして、ジェリーのあまりに自分を大切にしすぎたか弱い精神ゆえのこれまた哀れな最期だった。

◆ウエイン・パーマーの報告を受けた大統領は、今回の事件があまりに過酷であり、政治の世界の虚無を痛感する。はからずも、大統領の前を去っていった、女医ケイトの最後の言葉「この世界では生きられない」が思い起こされる。ここにつながる布石だったとすれば、実に見事なシナリオである。

◆方や、最後のウイルス所持者を,ある中学校に追い込んだジャックとチェイス。理科実験室でのチェイスのアクション。そして,ジャックのまたも非情な選択。チェイスの腕を切り落としての,ウイルス確保!なんとすさまじいことか。同意するチェイスの男気。迷わず行うジャックの信念の強さ。

◆数々の犠牲の上に,任務を遂行したジャック。しかし,その苦しみは限界を超えたものなのである。これまでのすべてを反芻するように,一人車の中で苦しみ涙を落とすジャック。台詞はなく,アップの表情だけですべてを物語るキーファーのすばらしき演技力。


◆そして,大統領は限界を超えたことに耐えることをもはや選択せず,再選をあきらめる。ジャックは,再び任務に戻る道を選択する。限界を超えて,辞任する,続けていく,どちらも人生。どちらが幸せなのかは,わかりはしない。




タイトル: 24 -TWENTY FOUR- シーズン3 DVDコレクターズ・ボックス

チャングムの誓い 第21話 珠玉の名台詞

◆HDDに録画の後,その日に視聴。

◆感動の少なかった20話を補うように,この21話は,心揺さぶるエピソード,そして名台詞があふれていた。まずは,題名の「野いちごの味」。「祝い膳の競い合い」最後の品目は,デザートのお菓子。クミョンの自信作の対抗するチャングムの料理は,粗末な「野いちごの砂糖漬け」。これにチャングムの母への思いという味付けが加わり,「王さまは民の父。母が私を愛したように,王様も民をお愛しください」の名台詞は,王の心深く届き,「国一番の女官である」との最高の賛辞をもらう。

◆ハンサングンが見事次期最高サングンに選ばれると,現最高サングンは,自分の体調を自覚し,引き継ぎに動き出す。宮中を去ることになる最高サングンを前に,寂しさに泣くヨンセン。最高サングンは抱きしめ,「幼いお前を残していくのは,後ろ髪を引かれる思いだ」弟子たちをいかにかわいがってきたか,そして慕われてきたかが伝わる名台詞。

◆最高サングンの名台詞はまだまだあふれる。ハンサングンへのはなむけの言葉。
「料理の腕は申し分ない。だがお前の毅然とした態度は,時に人を遠ざけることにもなる。下の者の意見に耳を傾けよ。毅然としながら,融通を利かすのだ」

◆最高サングンは自らを語る。「幼くして,見た目は華やかな宮中に憧れ女官となったが,そこは孤独な場所だった。その孤独さ故に,媚びを売る者,嫉妬深く人をねたむ者,せめても権力を握ろうとする者が現れる。見た目とは違う場所であった。ここでは人との関わりが一番難しい」

◆前半の競い合い,後半の最高サングンの名台詞と感動の嵐吹きまくる第21話であった。すばらしい。


アーティスト: TVサントラ, Alessandro Safina, キム・ジヒョン
タイトル: チャングムの誓い オリジナル・サウンドトラック

28日後

◆レンタルDVDにて視聴。

◆ゾンビものといっていいだろう。感染した者は,異常な凶暴性を発し,人を襲う。おそわれた者は血液と唾液から感染し,さらにまた人を襲う。

◆交通事故で昏睡していたジムはが目覚めると,ロンドンの町はもぬけの空である。ビッグベンの横を通るとき,ああ,ロンドンの町だとわかるようになっている。それにしても,どのように撮影したのであろうか,見事な無人状態は,恐ろしい終末感を観る者に与える。自分以外誰もいないことの恐怖。必死で叫ぶ言葉は「HELLO-」。

◆その後感染者に襲われつつも,仲間と出会い,絆を深めていく。黒人のセリーヌ。戦う女である。「感染した者は一瞬で殺せ」そう言い放つ。「それが生き延びていく道」だと。フランクとハンナ親子。ドイツ風の名前である。フランクは懐の深い優しい父親である。両親の死を確認したジムは,フランクに父の像を重ねていた。そういう意味では,まだ子供であったジム。そのジムが変容していくのが,この映画の肝になっている。

◆「感染の答えがここにある」とのラジオ放送を信じ,マンチェスターの先の軍隊の封鎖地域まで来るまで出かける。途中,トンネルの中でのスリリングなチェイス。ほっと一息するスーパーでの買い物。ちゃんとフランクはクレジットカードをレジに置いていく。紳士である。そして,美しいイギリスの緑の風景が描写され,アメリカ映画と一線を画す。




◆初め好意的であった軍隊は,突如牙をむく。「女は『未来』である。その女を渡せ」と迫る。ここで,我が家族セリーヌとハンナを救うべく,ジムの内なる戦闘性,凶暴性がむくむくと彼を変容させていく。まさに,ランボー状態で,1軍隊を一人で破滅に追い込む。

◆しかし,ついに腹を撃たれたジム。2つのエンディングが用意されている。ハッピーエンドとそうでない方。DVDではハッピーエンドが標準であり,劇場ではそうでない方が公開されたようだ。

◆私は劇場公開版を支持する。腹を撃たれたジムは,必死の救命行為の甲斐無く病院で死ぬ。ジムの死は,無意味な犠牲でなく,2人の女性を救った,誇り高い死なのでる。必ずや微笑みながら天上へ登っていったことであろう。ジム亡き後,セリーヌとハンナは「これからも生き続けていく」と決意し,銃を片手に真っ赤なドレスで,病院の廊下を光の中へ消えていく。この後ろ姿がまさに「未来」を表現しているのである。真っ暗なドアがゆっくり閉じて,物語の終わりを示す。見事なエンディングなのである。



タイトル: 28日後... 特別編