24サードシーズン 11:00 トニーとジャック
◆レンタルDVDにて視聴。◆愛妻ミッシェルを人質に取られ,およそ連邦捜査官のしかもエリートであるトニーが,あのように暴走してしまうことが,初めは信じられなかった。もしや,またジャックとの極秘作戦ではないかと疑ってしまう。これまで,何度も予想を見事に裏切られている視聴者は,かなり疑り深くなっている。
◆しかし,今回はそうでなく,トニーは妻の命を救うために,そのほかが見えなくなってしまったのである。それは,ジャックとその妻テリーの悲しい結末を知っていたからであろう。トニーはジャックに言い放つ「テリーのことから何も学んでいないんだな」「おれはあんたとは違う!」この言葉に,トニーとジャックとの違いがまさに明確に描かれる。任務のために,家族をも犠牲にするジャック。そんなジャックとは違う生き方を選択しようとしたトニー。
◆現在はさほどでもないが,少し前の日本のモーレツサラリーマンは,まさにジャックの生き方ではなかったか。違うドラマの話になるが,倉本聰原案の木曜ドラマ「優しい時間」の主人公和久井は,そんなモーレツサラリーマンであった自分を見直し,「近くの人々を見つめる仕事」を今はやっているんだ,と話す。人生それぞれではあるが,常に自分から離れて客観的に自分を見ることができるようになりたいものである。能でいう「離見の離」。または,メタ認知ができるようになりたいものである。
◆さて,24に話を戻そう。ラスト近く,またまた新たな魅力的なキャラが出現。サンダースが倒れた今,次のキャラが出る。これも,24シナリオの特徴であろう。そのキャラとは,大統領に雇われた「始末屋」である。毒女シェリーとどう対決するのか楽しみである。

タイトル: 24 -TWENTY FOUR- シーズン3 DVDコレクターズ・ボックス
チャングムの誓い 第20話 念には念を
◆BS2放送をHDDに録画し、放送日に視聴。◆チェ一族のどす黒さが浮かび上がる、気持ちのよくないエピソードである。前回の痛快さとは裏腹に対比的にシナリオは進めたのであろうか。チェサングンは「実力で勝つしかない」と自らの力量に誇りを持ちつつ言い放つ。クミョンの考えは定かではない。モノローグで「自分の苦しみをチャングムにも」と言ったような気がする。これは、あの純粋なクミョンが、完全に心まで蝕まれてしまったことを表し、クミョンファンとしては、悲しい限りである。
◆さて、実力勝負を決めたチェサングンの思いとは異なり、チェ一族の男たちは、「念には念を」入れ、勝負するからにはどのような手を使っても「勝たねばならない」と考える。それが、チェ一族である。このどす黒さに比すれば、チェサングンは遙かに透明に思えてくる。
◆ヨンノををを使った、食材荒らし、そしてハンサングンの拉致と、あとでばれたら大変なことになるであろうに、「念には念を入れる」汚さはとどまるところを知らない。
◆チャングムは、ハンサングンの帰りを信じながら、自ら料理を作り始める。はじめの2品は敗北し、3品目で母の「甘酢」の助けを借りてやっと1勝。ここでは、チェサングンとクミョンの実力を知ることができる。堂々と戦わせてやりたかったなあ。
◆ドラマの動きは変化に富みながら、今回は感動的な場面は少なかったようだ。

著者: NHK出版
タイトル: 韓国ドラマ・ガイド 宮廷女官 チャングムの誓い 前編
24 サードシーズン 8:00 家族愛の輻輳
◆レンタルDVDにて視聴。◆CTUメンバーのいくつかの家族の愛が輻輳し、苦悩へ向かうエピソードである。冷酷なテロリストサンダースにも娘がおり、娘との連絡携帯が、サンダースの位置特定となる。このような重要な場面でも、娘とのきずな(連絡手段)を残しているところは,甘いとも言えるが,家族を大切にするサンダースの人間的な側面を描きたかったのであろう。もともとイギリス諜報部の精鋭であり,ジャックに言わせると「いいやつ」だったのである。
◆さて,CTUメンバーでは,アナリストのチーフ格である,アダムの妹がコルデラウイルスに感染したことが伝えられる。我らがクロエ・オブライエンは,アダムの仕事に支障が出るとして,事実を伝えることに反対する。それは,クロエにしてみれば「気配り」だという。しかし,トニーは「その性格何とかしてくれ」と一顧だにしない。真実を伝えることの大切さ,それを知ってのち,仕事を続けるか否かは,アダムが決めることであるというトニーの考え方だ。賛成である。もし,隠し続けて,後に知れたなら,どうなるのか,想像すれば分かることである。クロエの「気配り」は考えが浅いと言える。
◆ミシェルに感染検査の結果が届く。震える手で結果をみる。しばらく彼女の表情からはどちらであったのか、判断が付かない。見事な演技といえる。トニーに電話し、「陰性だった」ことを告げた時点で分かる。夫婦の安堵と愛情があふれ出す。画面はスプリットスクリーンになり、二人の感動が同時に見られる作りは見事だ。しかし、この安堵も長く続かない。驚異の苦悩へと接続する。
◆「いいやつ」サンダースは抜け目なく、次の手をちゃんと用意している。娘との連絡線で居場所がしれた場合を想定していたわけである。サンダースの娘バーバラとキムを乗せた車は、CTUに向かっている。遮断機で停車し、横に不審なバイクが止まる。見るものは、キムたちが危ないと感じる。しかし、これまたみごとに予想を外される。サンダースの次の手は、キムと娘を奪還することでなく、コルデラウイルスの感染からまぬがれた、ミシェルを拉致することだったのだ。webを使って人質の画像を送り、トニーを脅す。30秒で決断を迫られるトニー。そして・・・。
◆家族の愛が輻輳し、それが苦悩へと向かう見事なシナリオ。次のディスクよ早く来てくれ!

タイトル: 24 -TWENTY FOUR- シーズン3 DVDコレクターズ・ボックス
24 サードシーズン 7:00 キムの成長
◆レンタルDVDにて視聴。◆ファーストシーズンで、夜中に男と遊び歩くバカ娘だったキム。今回のエピソードではこのキムの成長が印象的である。
◆サンダースの娘バーバラ変装作戦は,まさにドキドキものであった。赤シャツの男は本当は単なる図書館の利用者だったのだろう。予想を見事に覆すのが,24のシナリオの信条である。しかし,あんな一般人みたいな人も大学の図書館を利用できるというのは,進んでいる。以前上智大の図書館に入ろうとしたら,こわい女性職員ににらまれ,「何のようか」みたいに言われて追い出されたのを覚えている。悲しいできごとであった。
◆さて,バーバラ変装作戦にキムが抜擢(?)され,ジャックから猛反対を受けるが,ここでのやりとりがキムの成長をくっきりと描き出す。
ジャック「そもそもCTUにおまえを置いているのは,自分が見守れるからだ」
キム「パパのためにここにいるんじゃない。自分で選んだ仕事なの」
ジャックは一抹の寂しさと共に,娘の成長をきっと喜んだであろう。
父と子の共同作戦が始まる。サードシーズンのテーマとも言うべき「家族」が明確に現れたエピソードである。そして,サンダースとバーバラもまた家族である。
チャングムの誓い 第19話 ハンサングンの涙
◆BS2をHDD録画して,その日に視聴。 ◆第19話は,痛快なエピソードがもりだくさんであった。まずは,予想はしていたが,チャングムとハンサングンの「信念」は明の使者に見事に通じ,使者は自らの食生活を変えようと誓う。いわば,自分の人生を変えようとする。そこまでさせるチャングムの懸命の料理とハンサングンの「料理人の信念」。「信念を貫けば必ず通ずる」ことを再確認させてくれる。
◆幽閉され,おまけに腎臓に悪い薬を飲まされ,弱っていたチェゴサングンの逆襲が始まる。体が弱れば気力も衰えるだろうに,スラッカンの不正をただそうとするこれまた信念とチェサングンらへの復讐の炎は,チェゴサングンを床から起きあがらせる。女官長を脅し,スラッカンに戻ったときのチェゴサングンの笑顔の美しきこと,この上なし。ああ,痛快。
◆今回の痛快さを支えてくれたのが,皇后である。育ての親であるサングンを看取ったチャングムを気に入り,ついには,明国の使者のもてなしの成功を,「競い合い2回戦ハンサングンの勝利」にまでつなげてくれる。人を見る目をもち,情に厚い皇后の人間像が浮かび上がる脚本である。
◆また,公正な皇太后もすばらしい。そして,最終決戦のお題は「皇太后の誕生祝い膳」である。この祝い膳を創造するのに,ハンサングンは,秘伝の料理日誌に頼ろうとしない。「チェゴサングンしか見ることができない日誌ならば,私がチェゴサングンになってから見ます」高らかな,勝利予告である。その静かに燃える闘志は神々しい。
◆そのハンサングンをそっと後押ししてくれたのは,チャングムの母である。「祝い膳」のヒントをくれる。「冬虫夏草はあなたににて少し悲しい」ハンサングンの生い立ちも含んだその言葉に,その変わらぬ友情に,ハンサングンの瞳は涙であふれる。実に美しいエンドシーンである。

著者: キム・ヨンヒョン, ウ・ヒョンオク, 金 重明
タイトル: 宮廷女官チャングム
LOVERS 豪華絢爛色彩之円舞
◆レンタルDVDにて視聴。DTS音声。◆美しい。あまりに美しい色彩の嵐である。
◆HEROのときには,赤,黄色が印象的であったが,今回は「緑」である。竹林の中の飛刀門の見事な黄緑の衣装。朝廷の楯兵そしてアンディ・ラウの衣装は濃い緑。
金城武は風を象徴するようにブルーの衣装である。衣装担当はワダエミ。日本人はすごい。誇りをもとう!
◆もう一つの美しさが,山々の紅葉である。紅葉が落ちて,真っ赤になった道,奥には竹林の緑,その道を金と小妹が駆けていく。うなるばかりの美しさである。
◆その紅葉が,雪が降ってきてみるみる雪景色になってしまうのは,現実的ではない。金と劉の死闘による血の赤を効果的に見せるための演出だが,ちとこだわり過ぎか。物語自体も,時代背景がはっきりせず,どんな対立関係が歴史上にあったのかがまったくわからないので,リアリティを欠き,全体としては薄っぺらな印象を受けてしまう。このへんは,「ハウル・・・」にも似ているかな。
◆主人公3名の美しさと色彩の豪華絢爛に身を任せて,私はチャン・ツィイーにうっとりする,そんなアイドル映画と思えば,すばらしい作品である。でも,HEROの方が好きだな。

タイトル: LOVERS
24 サードシーズン 6:00 人間シャペル
◆レンタルDVDにて視聴。◆ドラマの約束通り、CTU本部長シャペルは逝った。しかも、ジャックの手で。大儀のためとはいえ,ジャックは非情だ。まさに,ジャックの後には屍の山が築かれていく。今回の事件の首謀者サンダースも,ジャックがコソボで置き去りにした,イギリス諜報部員であり,ジャックとアメリカへの報復ではないかと,ジャックは予想する。いわば,ジャックの非情さが招いた事件とも言える。むろん,ジャックにはそうするより道はなかったのであろうが。
◆ジャックの非情さと対比的に,本部長シャペルの人間像が描かれる。「誰かに伝えることは」と聞くジャックに,「だれも,いない」とシャペル。仕事一筋できた孤独な人生が浮かび上がる。自分で引き金を引こうとするが,できず,さらに「CTUから逃げだそうとした」ことを告白する。人間らしさがにじみ出る。「しかし,今は覚悟をきめた」と語るシャペルの顔はゆがみ,涙がこぼれる。人間シャペルが噴出し,観る者の心を打つ。この状況のなんと過酷なことか。シャペルはそれを受け入れるのだ。
◆特典映像に,削除シーンがあった。尋問室待機(隔離?)されたシャペルを,仕事上の質問でキムが訪ねる。キムの質問に,シャペルは冷静に答え,キムに心配をかけさせないようにする。(冒頭写真はその部分)
◆また,一人のCTUヒーローが逝った。その存在を強く印象づけながら。

タイトル: 24 -TWENTY FOUR- シーズン3 DVDコレクターズ・ボックス
チャングムの誓い 第18話 「信念」チャングムとクミョンそれぞれに
◆BS2をHDDに録画再生。◆2つの信念が交錯するエピソードであった。1つは,クミョンの信念。自らの生きるべき道(チェ一族としての謀略と策謀の)を定めたクミョンのその変貌ぶりが恐ろしくもある。すべての知力を策謀へと注入し,チェサングンをもリードしていく謀略の舵取りとなり,その笑みは不敵である。
「私の生きる道はこれしかないのだから」宿命を悟った女のたくましさが一片の悲しさをもって内なるこの声を発する。
◆もうひとつはむろん,ハンサングンとチェングムの料理人としての信念。食する人の事を第一に考えた料理は,はたして明国の特使の心を動かすのだろうか。
◆ドラマはサスペンスフルに展開し,さあどうなるというところで終わる。もちろん,それが連続ドラマの王道であるが,やはり憎い演出である。最近の日本ドラマには1話完結ものも多いので,チャングムの終わり方は新鮮でさえである。
◆それにしても,ハンサングンとチェゴサングンの秘めたる闘志,これもまたひとつの信念なり。

著者: NHK出版
タイトル: 韓国ドラマ・ガイド 宮廷女官 チャングムの誓い 前編
24 サードシーズン 5:00 上司(シャペル)が鬼にならねば・・・
◆ウイルス感染したガイルが死んだ。苦しみの中で、ミッシェルに言う。「家族には苦しまずに死んだと、そして愛していると伝えてほしい」自分の苦しみよりも家族のことを思い、また感染したホテル客のことにまで思いをやることのできる、すばらしい人物としてその終焉が描かれる。アメリカらしい。しかし、感動的である。◆トニーは妻ミッシェルと携帯で連絡を取り合い,妻の体調を気遣う。上司のシャペルがやってきて,分析の仕事が進んでいるかたずねる。まだ手をつけていないとトニー。ミッシェルとの連絡を指摘され,トニーは荒々しく「妻ですから!」
シャペルは,「これは戦争だ。仕事に集中できなければ,今すぐ家に帰るか,妻のいるホテルを監視しろ」と厳しいことを言う。「妻は死んだことにしろと?」
シャペルは「私はそう考えている。君もそうすべきだ。最悪の事態を想定し,彼女の敵をとるつもりでやれ」国家保全のスペシャリストのなんという厳しさだろう。
トニーはむろん,仕事を続けることを選ぶ。
◆鬼上司シャペルである。しかし,上司が鬼にならなければ全体が動かないときがあるのだ。それができない管理職は多い。生ぬるい薄い関係である。少し前,「上司が鬼にならねば部下は動かじ」なんて本がはやった。上司は鬼にならねばならないときがあるのだ。情のある鬼に。
◆トニーがミッシェルからの要請で,「自殺薬」をホテルに運ぼうとしていたとき,シャペルは初めは「違反だ」と言いながらも,状況を鑑み「運べ」と許可を出す。ただの冷血漢ではないのである。
◆またシャペルは,金の動きの分析に関して,テロリストを恐れさせるほど長けている。ここにまたCTUのヒーローが一人浮かび上がってくる。しかし,ヒーローは,間もなくその命が消えてしまう約束が,このドラマにはある。
◆テロリスト,ロジャーズの大統領への要求は,「シャペルを殺せ」。さあ,どうなるのか!もうこのドラマの渦からも逃げられない。ああ,ドラマを見る時間がもっと欲しい。

タイトル: 24 -TWENTY FOUR- シーズン3 DVDコレクターズ・ボックス