続・激突!カージャック スピルバーグの映像美 | 星空シアター

続・激突!カージャック スピルバーグの映像美

◆BS2をHDDに取りだめていたものを,やっと鑑賞。

◆スピルバーグ監督の劇場デビュー作品と記憶している。「激突!」はTV映画だった。冒頭からそのカメラアングルは凝っている。廃車を物色する男を画面前に,後ろには荒野のごとき道路。その道路を1台のバスがやってきて,止まり,ゴールディー・ホーンが降りてくる。廃車の男は映画とは全く関係ないのだ。カット変わって,枯れ草の中から主観的にゴールディーを映す。やはり,まだ画面左端には廃車の男。深読みすれば,この映画,数々の廃車を作り出し,最後は主人公たちも廃車(死んでしまう)ので,その伏線ともとれるが・・・。驚くべき冒頭シーンである。

◆パトカーの群像,疾走感はもちろんだが,私が感心する映像は,スピルバーグ映画の特徴とも言うべき,アニメTV画像。アニメは音がなく,それに主人公の男が擬音をつけてゴールディーを喜ばす。アニメは動物が,高いところから落下していく画像が繰り返される。「ひゅーん,どすーん」初めは楽しそうにしている男だが,どこまでも落下し,地面に激突する姿が,自分の将来を暗示しているようだと気づき,その顔は曇っていく。カメラは,キャンピングカーの外からガラス越しに男の顔をとらえる。男の顔とガラスに映ったアニメTV画面が重なる。切り替えなしで2つの画像を同時に見せる,これまた驚異のシーンだ。やはり,スピルバーグは天才だ。

◆エンディング,時間は夕暮れ,川端でとうとうストップした車。降りてきたのは,主人公の2人と同乗し,二人に同情していく警官だけ。彼のシルエットが,金色の川面に逆光で切り取られる。その映像美!ああ,才気あふれるスピルバーグに触れることができた幸せよ。



タイトル: 続・激突!カージャック