今まで読んできた本の中で一番怖いと思った本は、北朝鮮の女性
(李 順玉≪イースンオク≫)が書いた、「北朝鮮 泣いている女たち」
というタイトルの本。
著者が実際に体験した話しを書いている。
彼女は、北朝鮮の生まれで、生命すべてを『党に対する忠誠』に捧げる
つもりで仕事に全力を尽くしていた。
「洋服の生地をもう一着よこせ」という日本で言う警察の要求を受け入れ
なかったために、突然刑務所に入れらる。最後は懲役13年という刑が
宣告される。
そこでは、意味もなく暴力を振るわれ、
食事も極端に少なく、恐喝、執拗な拷問、欺瞞、常に死と隣り合わせの
生活で、1日18時間の懲罰労働をしなければならなかった。
ついには、ネズミすらごちそうとなった。
ネズミが刑務所で唯一の肉料理にありつける機会となり、みつけしだい、
生のままかみ殺して食べるという。
「人間がどうして土なんか食べるの」と、最初は思っていたのだが、
口に入れて、餅よりもおいしいと感じるようになっていた。
そして、それを知った男の囚人が、泥を食べようとして、警官に見つか
り射殺されてしまう。
まさにどこを拾い読みしても地獄の体験記であった。
さて、その本と同じように、とても過酷な生活を送って北朝鮮から脱出
した女性がいる。
彼女は、Yeonmi Park(ヨンミ・パーク)と言い、彼女のスピーチの記事
が目を引いた。この内容も、歪んだ人物が独裁政治に君臨するとどのよ
うな現実が待っているかを示してくれている。
○ 北朝鮮は想像だにできないことがある国です。TVには1つしかチャ
ンネルがありません。インターネットもありません。
○ 私が9歳の時、私は私の友達とその母が公開処刑されるのを見まし
た。彼女の罪は、ハリウッドの映画を見たことです。
○ 私の父は、私たちが北朝鮮から逃げ出してから、中国で死にまし
た。私は午前3時に、隠れて父を埋めなければなりませんでした。
その時、私は14歳でした。私は泣くことさえできませんでした。
○ 私が北朝鮮から逃げ出したその日、私は母がレイプされるのを見ま
した。レイプしたのは中国人のブローカーです。
彼は私を狙いました。私は13歳でした。北朝鮮にはこんな言葉があ
ります。「女性は弱い。しかし、母は強い」。母は私を守るため、
自ら犯されたのです。
その体験をスピーチした彼女は、北朝鮮の人たちを救うために3つのこ
とを挙げている。
1つめ、朝鮮で起きている人権の危機についての知識を高められるよう
によく教育を受けてください。
2つめ、自由のために逃げようとしている北朝鮮の難民を助け、支援し
てください。
3つめ、中国に送還をやめるよう請願してください。
3つめの、中国に送還をやめるよう請願は、どのような事を述べている
のか?
中国は、保護を求めて北朝鮮から逃れてきた人びとを経済移民とみなし、
捕まえると北朝鮮に送り返している。この中には1歳の子どももいた。
国を逃れようとして捕えられた者の末路は、国連報告書に詳述されてい
る。拘禁され、拷問や虐待を受け、強制労働を強いられ、時には命を奪
われることも。強制送還された女性の中には、収容所で無理やり堕胎さ
せられた人もいるとの事。
参照:「午前3時に、隠れて父を埋めた」脱北した少女が北朝鮮の悲惨な状況を訴える
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