微風/シド
1. 微風
20周年イヤーの集大成で届けられたシドのデジタルシングル。
自身初のトリビュートアルバム「SID Tribute Album -Anime Songs-」のリリース当日に、自らの新曲もゲリラ配信。
20年の歴史を共に歩んできたファンに向けた楽曲として、2005年に発表された「微熱」からつながる物語になっているとのこと。
タイトルを見た瞬間、「微熱」と見間違えてドキっとしたのですが、すべて彼らの狙いどおりだったというわけですね。
作曲を担当したのは、Ba.御恵明希さん。
飾らない、あたたくて優しい楽曲に仕上がっていて、タイトル通りの清涼感に包まれています。
軽快なリズムと、耳馴染みの良いメロディ。
最小限のバンドサウンドで構築しているシンプルさも、シドの4人からファンに向けて、というメッセージになっているのでは。
音数的には少し物足りない気はするものの、オーディエンスの手拍子やシンガロンガが、その隙間を補って晴れて楽曲が完成する、そんなイメージが湧いてきました。
ポップでキャッチーな音楽性は、既に内包済の彼ら。
アルバム「海辺」にて打ち出した令和歌謡とは、また異なったアプローチではありますが、このタイミングでリリースする楽曲において、この「微風」以上の楽曲は思いつきません。
日本武道館公演を控え、次の一手への期待も日増しに高まっているシドだけに、2005年に張った伏線の回収は、嬉しいサプライズとなったのではないでしょうか。
<過去のシドに関するレビュー>