オディセイ-EPISODE3- / LIPHLICH | 安眠妨害水族館

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オディセイ-EPISODE3-/LIPHLICH

 

1. オディセイ

2. 正体不明

3. YA-PA-PA

 

LIPHLICHによる配信シングル。

4連続リリースの第一弾となります。

 

7月に「オディセイ -EP3-」、8月に「サキュベイダー -EP2-」、9月に「魔旋律 -EP1-」。

そして、10月には2枚組のフルアルバムとなる「??? -EP0-」を発売することがアナウンスされた彼ら。

アルバムについては、まだ詳細は不明ですが、先行的に発表されるシングルについても各3曲ずつと、アルバムから1曲ずつリカットして配信する、という昨今のマーケティング戦略上の意味合いとは異なっていそうです。

この大盤振る舞いっぷりこそ、常識を覆して衝撃を生むLIPHLICHがいよいよ帰ってきたな、という感覚。

新体制での仕切り直しとなった"ケレン気関車"シリーズからも間が空いてしまった感はありますが、今度こそ、反転攻勢をかけるといったところでしょう。

 

表題曲となった「オディセイ」は、スペーシーで、神秘性の高いサウンドが特徴となったミステリアスなナンバー。

これまでの彼らに見られた異国情緒を飛び越えて、異星情緒とでも言おうか、宇宙的な未知への広がりを感じさせるのです。

Vo.久我新悟さんも、浮遊感を意識して歌っているようで、代名詞とも言えるビブラートを抑えて、ファルセットを多用。

優しくも聞こえるし、無表情的にも聞こえる歌唱は、解釈の余地を与え、従来とは異なる切り口での表現になっていました。

 

新境地からスタートした"エピソード"シリーズ。

バランスをとるように、とにかくLIPHLICHらしいサウンドを放り込んできたのが、「正体不明」ですね。

どこかの民族音楽のような独特なリズム感と、意味も語感も大事にして呪文にも似た聴き心地を与えるメロディライン。

「正体不明」と言いながら、これが流れてきたら"LIPHLICHだ!"と即答できるレベルの主張の強さで、濃厚な世界観を紡いでいきます。

 

「YA-PA-PA」は、Gt.新井崇之さんが作曲を担当したロックチューン。

ソリッドなバンド感は、新しくもあり、懐かしくもあり。

なるほど、これも確かに異国情緒。

意図的に中国的なアプローチを取り入れていて、ギターのリフから、歌詞に用いられた単語から、彼ら流のチャイナロックを汲み取る作業が面白い。

ぶっ飛んだことをやっていても、おふざけに聴こえない役得的なスタイルは、やはりオリジナリティの強さ故なのですよ。

 

発売順に、振られている数字が減っていく本シリーズ。

これは物語上の時系列を示しているのか、何らかのカウントダウンなのか。

音楽性としては、リリース順にコアなものになっていくようなので、核心に近づいていくというメッセージも含んでいるのかな。

いずれにしても、続きが楽しみ。

コンセプチュアルな作品については、折り紙付きの実績があるだけに、期待感は高まります。

 

<過去のLIPHLICHに関するレビュー>

SMELL STAR ~ケレン気関車 外伝~

萬の夜に鳴くしゃれこうべ 弐

ケレン気関車 弐

三千世界

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CLUB FLEURET

発明

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