業/mama.
1. 業
突如リリースされた、mama.のデジタルシングル。
もともとは、単独公演で配布されたCDに収録されていた楽曲。
その翌日に、各種配信サービスでの取扱が開始され、現在は、じわじわと浸透している過渡期といったところでしょう。
公開されたMVは、過激な表現が見られることから、表現の自由に背いて自主規制を行っているとのこと。
無修正映像は、12月以降、専門店等でランダム配布されるとのことで、ライト層にもアプローチしながら、コレクターの心を揺さぶる戦略の上手さを感じます。
その「業」は、宗教的な神秘性を漂わせる、スローなナンバー。
衣装などからは和の要素も見られますが、音楽性としては、オリエンタルな異国情緒も汲み取れます。
サウンド的にはずっしり重く、迫力を持たせて。
それに対して、上モノやヴォーカリゼーションとしては、むしろ浮遊感を持たせてフワフワと。
黒なのか、白なのか、悪なのか、救済なのか。
視点によって見え方が変わる宗教観を、よくぞこんなにも上手に落とし込んだな、と感心させられますね。
音楽性の幅が広い彼ら。
これまでも雰囲気モノがなかったわけではありませんが、ここまで圧倒的に世界観を見せつける楽曲が送り込まれようとは。
mama.に新たな武器が増えるたびに、リスナーの楽しみも増えていく。
こういう曲が出てきたとなると、コンセプチュアルな展開にも期待してしまいます。
配布CDを手に入れられなかったリスナー層にとっては、まさに"救済"。
MVの完全版も気になる1曲です。
<過去のmama.に関するレビュー>