ASYLUM/mama.
1. ASYLUM
"終わりと始まり"をコンセプトに活動するmama.のデジタルシングル。
発表されたのは、「ASYLUM」。
"人間をやめよう"というフレーズが、合唱のように不気味に淡々と繰り返される、なんともトラウマ的なナンバー。
ミニアルバム「人間失格」から繋がりそうなテーマ性でもあり、考察も深まりそうです。
全般的には、じわじわと侵食するタイプの楽曲に仕上がっており、中毒性は高め。
サビは禍々しさが先行したアンセムといったところで、コロナ禍が収束して、ライブでのシンガロンガが解禁されたら、一気に化けそうな予感も含んでいますね。
やはりフックの部分のインパクトが大きいので、まずはそこに意識が注がれます。
ただし、実はそれ以外の部分にも仕掛けが多いのが、本作における肝なのかと。
例えば、デスヴォイスの応酬で攻撃性を示すパートが用意されていて、mama.の特徴を端的に表現。
目立つ部分を明確にして影を作ることによって、聴けば聴くほどに発見があり、二層、三層と味わいを重ねた構成にしているのは、なかなか考えられているなと感心しますよ。
1stデジタルシングルという扱いになっているけれど、2019年にリリースされた「ぜんぶコロナのせいだ!」は企画モノということで、カウントしないのかな。
逆に言えば、こちらは正当なmama.の音楽をパッケージしているということなので、聴かない手はないでしょう。
まだまだ爪を隠していそうだな、と期待させる1曲でした。
<過去のmama.に関するレビュー>