En://dlessly messy flattery/スキゾフレニカ
1. The most beautiful failure of this world(inst.)
2. 群青-album mix-
3. ツタナイロ
4. 智慧の実
5. 花と拳銃-album mix-
6. みずさし
49.
69.
紅蝉のVo&Prog&Noise.阪本知さんを中心に結成されたスキゾフレニカの1stミニアルバム。
Gt&Vo.幸子さんとの男女ツインヴォーカル編成で展開される楽曲たちは、華やかさとアングラ臭が混在。
アプローチが総合芸術的とでも言うのか、歌や演奏だけではなく、語りや台詞での演出もあって、音源で聴いても立体的な世界観を創造していました。
ドロドロと進行する「ツタナイロ」から、テクニカルなギターロック「智慧の実」への流れを聴くだけでも、彼らが通すべき軸は、もはや音楽性を通り越して"美学"なのだな、と痛感。
両ヴォーカルに加えて、Gt&Prog&Cho.青木淳平さんも作曲に噛み込んでおり、それぞれの色を彼らの物語に昇華したうえで撒き散らしているのが、とにかく衝撃的なのです。
先行して配信されていた「群青」、「花と拳銃」の2曲もアルバムミックスで収録。
改めて聴くと、この2曲はなんだかんだでシングル的だったのだな、と。
EDM風のダンスロックを、ノイジーなアレンジで独自性を見せる「群青」に、軽やかなリズムと変則的な構成でお洒落なガールズロック感を強めた「花と拳銃」。
どちらも、J-POPとして聴くには癖が強すぎるものの、ポイントを絞れば刺さりそうなキャッチーさが飛び抜けているのですよ。
光があるから影が出来る。
アングラ一辺倒ではなく、こういう楽曲がバランスを保つことによって、彼らの美学は、よりはっきりと形を成すのでしょう。
なお、ボーナストラックとして、オムニバス作品に収録されていた「ビスコ」、「リリィ。」を追加収録。
歌詞の記載はありませんが、パッケージ内に、作詞・作曲のクレジットが表記されています。
どちらも彼らの魅力を端的に示していますが、特に圧巻なのは「リリィ。」ですね。
禍々しくも無表情な幸子さんの朗読劇から、カオティックなサウンドが急きょ押し寄せ、ひたすらに感情を爆発させていく。
この不気味さ、迫力。
楽曲を聴いて畏怖すら覚えたのは久しぶりの感覚でした。
アート性の高いアングラ音楽が好きな層は、配信曲だけで満足せず、アルバムを通しで聴いてみてほしい1枚。