あふたぁぴる/mama.
1. あふたぁぴる
「3つの錠剤」シリーズとして連続リリースを敢行中のmama.によるデジタルシングル。
前作が "精神安定剤" だったのに対し、2錠目は"緊急避妊薬"。
タイトルはどストレートな「あふたぁぴる」ということで、音楽性が推測しにくかったのではないかと。
結論としては、正統派のパンクチューン。
メジャー感のあるコード進行に、ひたすら疾走していく勢いのあるナンバーでした。
前作の王道感とは雰囲気がガラっと変わっており、単体で聴くとmama.の音楽性を誤解されそうな部分はあり。
もっとも、カジュアルなヴィジュアルイメージも含めて、メジャー感を強めたのはわざとなのでしょうね。
王道、邪道と振り切っておいて、最終章できっちりまとめる。
そんなシナリオを描いていそうで、コテコテ風のメイクとのギャップを作るための伏線を張っていると捉えてみても面白いかもしれません。
ただ闇雲に明るいだけではなく、歌詞にメンヘラ系の世界観を残しつつ、切なさが含まれるように工夫されているのが実にあざとい。
ハズシてきたように見せて、最大公約的な"曲は好みかも"を引き込むための絶妙なバランス。
なんだかんだ、この曲も好きだな、と思ってしまうからズルいのですよ。
"睡眠薬"となる3錠目は、このシリーズをどう着地させるのか。
想像通りにくるのか、意表を突いたサウンドが展開されるのか、2錠目までを踏まえて予想してみるのも面白そうです。
<過去のmama.に関するレビュー>