IMAGE / LUNA SEA | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

IMAGE/LUNA SEA

 

1. CALL FOR LOVE

2. Déjàvu

3. MECHANICAL DANCE

4. WALL

5. Image

6. SEARCH FOR REASON

7. IMITATION

8. VAMPIRE'S TALK

9. SYMPTOM

10. IN MIND

11. MOON

12. WISH

 

1992年にリリースされた、LUNA SEAのメジャーデビューアルバム。

2007年には、リマスタリング処理を行い、「Déjàvu」のMVを付属した再発盤も発表されています。

 

メンバーの個性のぶつかり合いの末、結果的には短期間で作風が大きく変わっていったLUNA SEA。

その意味で、インディーズ時代から演奏されていた楽曲たちを、メジャーのクオリティでレコーディングした本作は、実に貴重な作品と言えますね。

3つのスタジオを並行して使用して、コンマ1秒のニュアンスにまでこだわったという逸話もあるほどの職人魂。

今となっては、音質面で高品質であるという評価は難しいのかもしれませんが、そこは1992年当時の録音技術であったことを踏まえる必要もあるでしょう。

 

音楽性としては、1atアルバム「LUNA SEA」の正当進化系。

ビートロックやメタルの要素を汲みつつ、ツインギター編成への落とし込みの過程における独創的なアレンジにより、ゴシックな世界観を強調していくヴィジュアル系の源流といった作風です。

本作で再録されているのは「MOON」だけではありますが、デモテープに収録されていた「SEARCH FOR REASON」をはじめ、原曲を辿ると活動初期まで遡る楽曲が多く、メジャー進出後のシングルが含まれていないことも相まって、スタートの側面もあれば、集大成の側面もあるといったところかと。

 

導入的な「CALL FOR LOVE」でテンションを高めた状態で「Déjàvu」に繋げるライブ感のあるスタート。

アグレッションに振り切って、激しく黒に塗り潰す「MECHANICAL DANCE」、「SYMPTOM」といったラインナップを揃える一方で、白系ライクなサウンドが「EDEN」への布石になった「WALL」、シャッフルビートでジャジーなアプローチをとった「IN MIND」など、バリエーションを広げていくバランスのとれた構成。

締めくくりとして鉄板になった「WISH」。

特筆すべきは数多くあるのだけれど、ポイントとして取り出すとしたら、「Image」や「MOON」等で挿入されたバイオリン。

Gt.SUGIZOさんのクラシックの素養を、LUNA SEAのロックサウンドに取り込んでしまった瞬間であり、これによりLUNA SEAが唯一無二のバンドとして確立されたと言えるのでは。

 

Vo.RYUICHIさんの歌唱法も、ソリッドなキレがあるのが特徴的。

ただし、表現の幅は広がった印象で、ここでのチャレンジが、後続作品の伏線になっている部分は多い気もします。

その後にリリースされる作品の個性が強すぎるあまり、メジャーデビュー盤という以外にはやや地味な位置づけにはなってしまう本作ですが、ここが基盤であり、発射台であり、ある種、これだけでLUNA SEAを語れるぐらいの深みがあるとも言い換えられるのですよ。

 

なお、作品タイトルは"イメージ"ですが、楽曲としての「Image」は"イマージュ"が正当。

ときどき振り返りたくなる、原点的な1枚です。

 

<過去のLUNA SEAに関するレビュー>

CROSS

LUV

A WILL
THE ONE -crash to create-
PROMISE
LUNA SEA

LUNACY

STYLE

MOTHER

EDEN
LUNA SEA(インディーズ)