LUNA SEA / LUV | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

LUNA SEA/LUV

 

1. Hold You Down

2. Brand New Days

3. 誓い文

4. piece of a broken heart

5. The LUV

6. Miss Moonlight

7. 闇火

8. Ride the Beat, Ride the Dream

9. Thousand Years

10. Limit

11. So Sad

12. BLACK AND BLUE

 

4年ぶりとなるLUNA SEAの9枚目となるオリジナルアルバム。

流通されているDVD付きの初回限定盤、通常盤のほかに、会場限定盤、SLAVE限定ボックスも存在しています。

 

いや、とにかく驚かされた。

正直なところ、戸惑った。

リードトラックである「Hold You Down」が象徴するように、ポップな楽曲が目立つ。

また、「Ride the Beat, Ride the Dream」のようなインストナンバーが突如入ってくるなど、実験的な要素も強い。

これをLUNA SEAのサウンドとして認めてしまっていいものかどうか、ずっと迷っていたというのが本音です。

 

一方で、2作続けて同じような作品をリリースするということは、彼らの歴史の中でありえなかったわけで。

「LUNA SEA」のリテイクで原点回帰を図り、彼らが求められているダークでシリアスなイメージを「A WILL」で現代のサウンドに昇華してきたREBOOT後の流れを汲めば、次は実験作的なものがくるな、というのも心のどこかで理解していたのですよね。

自然体で出来上がった作品とのことなのだけれど、彼らのキャリアからすれば、常に新しいものを探っている、失敗を恐れずチェレンジを繰り返す、そんなスタンスが当たり前のものとして身についているのかもしれません。

 

アルバムタイトルが含まれる「The LUV」は、その中でどちらに転ぶか、といったところではあったのですが、これが名曲。

疾走感のあるメロディアスなアッパーチューンで、ヒステリックなギターのフレーズもインパクトあり。

終幕以前の音楽性の延長線上にあるミステリアスな「piece of a broken heart」や、静けさとともにバイオリンの音色が響く前半から、カオティックに展開される後半への盛り上がりが秀逸な「闇火」など、らしい楽曲を上手く織り込みながら、今のLUNA SEAはこれなのだと高らかに主張していました。

 

もっとも、個々の楽曲の当たり外れが多いことは事実で、メンバー各々のソロ活動の音楽性の集合体という見方があるのも頷ける。

追い込んで追い込んでメンバーの個性をバチバチとぶつけた「MOTHER」のような熱量の高さを求めてしまうと、物足りないという感想に至るのもやむなしなのでしょう。

ただし、賛否両論巻き起こす問題作をぶち込んでくるのもロックスターの必要条件。

L’Arc~en~Ciel の「SMILE」を聴いたときの感覚に近いのかな、と思えば、いつか"「LUV」にも楽しませてもらったよね"と自然に口にできるようになる気もしています。

 

「LUNATIC FEST. 2018」の開催も決定し、この楽曲たちを耳にする機会も増えるかな。

案外、ライブで化けたりして、という予感もあって、これからどのように評価が変遷していくのか注目したい1枚。

 

<過去のLUNA SEAに関するレビュー>
A WILL
THE ONE -crash to create-
PROMISE
LUNA SEA

LUNACY

EDEN
LUNA SEA(インディーズ)