辞するモラトリアム/彩冷える
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辞するモラトリアム
2,200円
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1. query
2. ミルク
3. さめざめ
4. アンビバレントワールド
5. プロポーズ
6. 前戯
7. 透明ゆえに色を選べずに
8. あなたに
9. 君は、アジテーター
彩冷えるにとって、９年ぶりとなるオリジナルアルバム。
Vo.葵さんが、"向日 葵"でクレジットされているのが、なんだか懐かしさを感じます。
本作は、音楽配信ver. M Card ver. CD製品ver.の３形態でのリリース。
CD製品verは、WIZYでの完全受注販売となっており、期間内での予約が必要となっていました。
葵さん以外のメンバーが脱退する形で活動が止まっていたのですが、今般の復活では、メジャーデビュー期のメンバー編成を再現。
特に再加入等のアナウンスはありませんでしたが、実質的には解散からの再結成と同義なのでしょう。
いずれにしても、再び彼らが奏でる音楽を聴くことができるのは嬉しい限りです。
さて、内容ですが、メジャーデビュー直前の音楽性を、現在の彼らでブラッシュアップしたようなイメージ。
率直な感想としては、この作品がメジャー1stアルバムであれば、結末も変わっていたかもな、と思ってしまうぐらい、あの時に望んでいた彩冷えるのサウンドでした。
ダンサブルなビートに乗せられた、癖のある歌謡メロディ。
聴きやすさと妙な引っかかりが共存してオリジナリティを発揮しているのに加えて、現代ロックらしく、デジタルサウンドを散りばめて情報量を増やし、きちんと前に進んでいることも示しています。
象徴的なのは、MVが制作された「ミルク」と、中盤で存在感を発揮する「アンビバレントワールド」。
「ミルク」については、Gt.夢人さんが作曲したメロディアスな歌謡ロックで、まさに夢人節が全開。
レトロな質感には、ベルでの経験をしっかり落とし込んでいる印象で、"これが彩冷えるらしさだ！"と興奮してしまうところに、なんだかんだで夢人さんが彩冷えるになくてはならない存在になっていたのだな、と改めて感慨深くなります。
「アンビバレントワールド」は、Dr.ケンゾさん作曲のメッセージ性の強いナンバー。
メロディの良さ、テンポ感の良さもさることながら、葵さんの綴る歌詞が、痛いほど耳に響くのですよ。
涼平さんの脱退後、メルヘンで空想的な世界観から、リアリティのある等身大のスタイルにシフトした彼らですが、もし空白の期間がなかったら、ここまでグッとくる歌詞も書けなかったのかもしれないな、と。
このスタイルにおいて、歌詞面で際立つ楽曲を生み出したというところで、いよいよ"アヤビエ"時代のイメージを払拭できたと言えるのでは。
また、スタートの「query」、およびクローズの「君は、アジテーター」は、Ba.インテツさんによる楽曲。
途中加入組の夢人＆ケンゾがメインコンポーザーとなっている中、結成当初からのメンバーがまとめるべきところをまとめているのも、アルバムとしてとっ散らかることなく、"らしい作品"として受け入れやすさを作り出していると言えるのかも。
メジャー期においてわかりやすくソフトヴィジュアル化していった頃の経験も、「プロポーズ」を聴けばわかるとおり、現在のスタイルにて昇華。
現時点におけるフラットな立場でのフルアルバムでありながら、どこかしらに集大成感もあって、とにかく色々な感情が押し寄せます。
現体制において、間違いなくベストと呼べる１枚。
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Chantyの世界へようこそ2/Chanty
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Chantyの世界へようこそ2
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詳細なレビューは＜こちら＞
やや直感的なのですが、親和性が高いのではないかと。
純粋に、このバンドが気に入ったのなら、こっちも聴いてみてよ、という感覚で紹介したいのがChantyですね。
邦ロックのリスナーからも受け入れやすそうなサウンドの基盤を構築しながら、ヴィジュアル系バンドとしての矜持も持ち合わせた世界観。
ただし、彩冷えるがヴィジュアル系的サウンドからの引き算で現在のスタイルに辿り着いたのに対し、Chantyは自らのサウンドの土台にどのようなアート性を足していくかという足し算で構成している対比が面白いのでは。
＜彩冷える（アヤビエ）に関する過去のレビュー＞
夏物語
六花星
硝子細工のお話
FAINT/トパーズ
ジャパニーズロウレゾキャラメルタウン
LEMPICKA
EquAL pRayer 2 aLL
～まなつゆきとろけるしょうげん～「キスミイスノウ」
～かこやかすれさけびし～ 「月請い」
戴冠式前夜～いぎょうのそうのとうじしゃ～
クロイツカササグイトシネガイ（セカンドプレス）
アヤビエ即完音源集
エム
鉄の島