赫犬 / ジュリィー | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

赫犬/ジュリィー

 

1. 赫犬

 

ジュリィーが2007年にリリースしたシングル。

東名阪ワンマンツアーでの会場限定販売でした。

 

表題曲1曲のみを収録。

ジャケット等、手作り感のある簡素な仕様となっていますが、ベストアルバムを含め、その後発表された音源には入っておらず、ファンであれば手元に置いておきたい作品となっています。

 

そんな「赫犬」は、左右から聞こえてくるギターのリフからスタートするハードチューン。

イントロは重々しい印象がありますが、急激にテンポを上げていき、サビではパンキッシュな一面も見て取れますね。

一気に駆け抜けているイメージがありますが、実態の尺は4分半とまずまず。

凝ったアレンジにより展開が多いのだけれど、それを飽きさせずに聴かせているという証拠でしょう。

 

作詞・作曲は、Vo.慎一郎さんが担当。

歌謡パンクといった趣のサビには、確かに慎一郎節が感じられます。

ただし、それ以上にインパクトがあったのが、Aメロの部分。

エフェクトによる加工を施した声で、語りのような叫びのようなフレーズを畳み掛けていくスタイルは、ジュリィーでは珍しかったはず。

あえて機械的にすることで、妙に耳に残るようになったのですよ。

 

楽曲が終盤に差し掛かってくると、気丈に振る舞っていた感情が徐々に乱れはじめ、魂からの叫びに変わっていくような表現も。

こんな引き出しも持っていたのかと、純粋に驚いてしまいました。

楽曲の雰囲気に異質さを感じたとしても、表現を最優先するという意味で、ジュリィーは首尾一貫していたバンドだったな、と改めて。

 

ライブでの演奏頻度も相応に高く、レアアイテムになってしまったのは、なんとももったいない気がします。

鬼気迫った感情の激しさに触れることができる1枚。

 

 

⇒ この作品を聴いた人はこんな作品もおススメ!

 

みんなの発狂/cali≠gari


詳細なレビューは<こちら

勢いで突っ走るパンクチューン。

それをシングル化したという意味で、こちらをご紹介。

タイトルのとおり、かなり吹っ切れているので、アクの強さは高まるものの、インパクトは絶大です。

もっとも、こちらはほとんど歌の部分がなく、楽曲単位では、cali≠gariの他の楽曲のほうが親和性が高かったりするのかも。

なお、流通盤はlittleHEARTS.のみでの販売となっているのでご留意ください。

 

 

<過去のジュリィー(Jully)に関するレビュー>

終盤

世界の終りに

あれから-Acoustic Ver.-
秋茜
飛びの一枚
ギフト
「現」と「真」の実
ストロボ
サクラ心中