硝子細工のお話 / 彩冷える | 安眠妨害水族館

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硝子細工のお話/彩冷える


1. 硝子細工のお話

2007年1月7日に新宿厚生年金会館で行われたワンマンライブで配布されたシングル。
Gt.夢人さんが加入してから最初の音源となりました。

Gt.涼平さんが脱退し、4人編成となってリリースされたアルバム「バージンスノーカラー」。
これを引っ提げてのツアーのファイナル公演にて発表されたのが、この「硝子細工のお話」でした。
ジャケットに歌詞や作詞・作曲等のクレジットは記載されておらず、代わりに背景となる物語が添えられています。

収録された表題曲は、切ないバラード。
ギターとシンセのみをバックに、アコースティック調でVo.葵さんが歌い上げる形式で、5人編成の一発目!というよりは、「バージンスノーカラー」という作品を締めくくるための楽曲という位置付けなのでしょう。

どこかで大きく盛り上げるわけでなく、淡々と最後まで進行。
ピアノかギターかの違いはあるけれど、イメージとしては、アヤビエ時代の「閉演の後、雨」に近いかな。
世界観はがっつり構築されているが、アレンジ面で振り切ってしまっている分、アルバムに入れると浮いてしまうという意味でも。

その中に響く葵さんの歌声は、優しく、囁くようで、それでいて力強さも感じさせる。
もの悲しさが漂う物語なのだけれど、単なるストーリーテリングだけで終わらず、メッセージを持って歌っているというか。
彼の新たな一面を引き出したと言え、成長を感じることができましたな。
もっとも、涼平さんの楽曲は歌メロが難しすぎたという部分はあるのだろうけど。

シングル候補だったとも聞きましたが、このアレンジで、という話だったのかな。
もしバンドアレンジも検討されていたなら、そちらを聴いてみたかった。
手に入りにくい作品となってしまっているので、いつか復活する日が来るのなら、ぜひとも再構築してほしいなぁ、と願っている1曲です。

<彩冷える(アヤビエ)に関する過去のレビュー>
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