underneath the skin/lynch.
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underneath the skin
1,851円
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1. the whirl
2. alien tune
3. melt
4. lizard
5. above the skin
lynch.の1stミニアルバム。
2005年、インディーズ時代の作品となります。
本作の収録曲は、3rdアルバム「THE BURIED」にてすべて再録済。
既に廃盤となっている現在、無理に揃えなくても良いアイテムと言えるでしょうか。
ただし、逆に言えば、3人編成時代のアレンジは本作でしか聴くことができないということ。
コアなファンであれば、耳にしておきたいところですよね。
1stアルバム「greedy dead souls」でラウドなスタイルを打ち出し、大きなインパクトとともに登場した彼ら。
一方で、Gt.玲央さんの前身バンドであるGULLETの延長線上を求めていたリスナーからは、戸惑いがあったというのも事実。
まだまだ正統派の名古屋系が求められていた時代背景もあり、本作への期待は相当なものでした。
結果としては、lynch.が軌道に乗ることを決定づけた作品となったのかな、と。
ラウドなサウンドは持ち味として継続しつつも、メロディへの意識が高まり、ドロドロとした世界観も絡み合う。
それは、古き良き名古屋系の香りを十分に残したもので、昔ながらのリスナーを、自分たちの土俵に乗せることに成功したのです。
その最たる例は、「melt」でしょう。
ウネウネと歪むマニアックなリフが効いていて、ダークで不気味、そのうえでメロディアスなミディアムナンバー。
ストレートなバラードでは決してないのに、何故か寂しさや切なさを助長させる力を持っている。
この内面的に潜っていくような楽曲が、硬派なサウンドで聴きたかったのだよな、と誰もが納得する仕上がりで、この手の引き出しもきちんとあるよ、というのを初期に示すことができたのが、改めて振り返ると大きかったのでは。
激しさを見せる「alien tune」や「lizard」にしても、ゴリゴリのラウドという側面だけでなく、マニア向けの捻りが効いているのがポイントか。
これらを経て、ドロっとした質感を纏いながら疾走していくメロディアスチューン、「above the skin」でクロージングしていくのだから、もうノックアウト。
ツインギターでの再録バージョンを聴き込んでから聴き直せば、どうしても物足りなさは出てしまうのかもしれませんが、初期衝動をアンソロジー的にパッケージした本作は、個人的には外せません。
リアルタイム性を感じてほしい1枚です。
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詳細なレビューは<こちら>
繊細さを武器にしたryoさんの歌声と、芯の通った葉月さんのヴォーカリゼーションには、それぞれ違った強み、違った良さがあるのですが、どうしても関連性を持たせようとしてしまうのは、単に玲央さんが在籍していたから、だけでは済ませられません。
日本文学特有のおどろおどろしさを落とし込んだ世界観。
コード進行ひとつとっても、一筋縄ではいかない玄人好みの音楽構成。
「underneath the skin」の作風が好きなリスナーであれば、GULLETを聴かない手はないはず。
もっとも、今更言われなくても、というベテラン層も多いのかと思われますが。
<過去のlynch.に関するレビュー>
SINNERS-no one can fake my bløod-
D.A.R.K. -In the name of evil-
GALLOWS
EXODUS-EP
INFERIORITY COMPLEX
I BELIEVE IN ME
THE AVOIDED SUN
greedy dead souls