Xlll / lynch.

Xlll/lynch.

3,072円

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1. INTRODUCTION

2. THIRTEEN

3. GROTESQUE

4. EXIST

5. JOKER

6. RENATUS

7. AMBLE

8. SENSE OF EMPTINESS

9. FIVE

10. INTERLUDE

11. FAITH

12. OBVIOUS

13. A FOOL

結成13周年にして、ミニアルバムを含めると13枚目となるオリジナルアルバム。

13づくしの「Xlll」は、収録曲数も13曲とこだわりが見られます。

メジャーデビュー直後はラウドシーンへの進出を展望していた彼らですが、ここにきて、ヴィジュアル系への帰属意識が高まっているような。

改めてアイデンティティを見出したのか、地盤が固まったところでタガが外れたのか。

いずれにしても、メインコンポーザーであるVo.葉月さんのルーツがそのまま前に出たアルバムに仕上がったな、と。

実質的にトップバッターとなる「THIRTEEN」は、LUNA SEA直系の正当派V系サウンドで鋭く疾走。

続く「GROTESQUE」では、90年代後半の名古屋系に多く見られたオリエンタルでダークな雰囲気に、妖しいメロディを添えるアプローチ。

どちらも、彼ららしいアグレッションを加えつつ、古き良きを現代的に昇華しています。

このあたりがリードトラックになっても良かったと思うのだけれど、メインと据えられたのは「JOKER」。

シャッフルリズムのアクセント的な楽曲で、これをリードにするマニアックさも、lynch.ならではなのかもしれません。

その実、目玉となるのは、「FIVE」からSEを経ての、「FAITH」なのでしょう。

黒夢の「親愛なるDEATHMASK」のオマージュがもっともわかりやすいのだが、歌詞を読んでいると、至る所に先輩名古屋バンドへのリスペクトが。

更に、ギターソロではGt.玲央さんが在籍していたkeinの「Kranke」をリビルドしており、もうこれはやりたい放題。

良い方向に吹っ切れた感がありました。

本作の特徴としては、90年代V系サウンドを強く意識していることもあって、従来以上にギターソロが多く含まれていますね。

ラウド要素が薄まったというか、激しさの質が変わってきたのかな。

大人しいというわけではないのだけれど、よりメロディを活かす方向に傾いている気がします。

シンプルに見えて、キーやテンポがコロコロと変わっていくなど、聴きやすいだけでなく、聴き込むことによる発見もあり。

単なる過去の踏襲に留まっておらず、どの世代のリスナーにとっても響く作品になったのでは。

締めくくりは、Gt.悠介さんが作詞作曲を担当した「A FOOL」。

バラード的なナンバーは、さすがにそろそろマンネリ感が出てきているか、と思っていたタイミングで話題性を上乗せしてくるなんて、策略ならばあざといですな。

Ba.明徳さんの復帰による影響もあって、とにかく聴いていてテンションが上がってしまう。

オリコントップ10入りも果たし、間口を広げる役割も担うことになりそうな、リスタートした彼らの代表作となり得る１枚。

＜過去のlynch.に関するレビュー＞

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