マジ卍ジンマ島@渋谷DESEO(2018.7.21) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Jin-Machineのワンマンツアー、「マジ卍ジンマ島」のセミファイナルに行ってきました。

十中八九、タイトル先行のツアーコンセプトなのだとは思うけれど、藤岡崎ひろし(featuring16)が、あっつリーナ(あっつtheデストロイ)と伝説の昆虫、デストロイカマキリを探しにジンマ島へ冒険に行く…というストーリーに沿って、ライブが進められていくようです。

衣装も、首から下げた双眼鏡がプリントされた冒険家風のシャツで統一。

あっつさんは白塗りじゃないし、木村さんは両目を出しているしで、色々と従来のヴィジュアル的な縛りを解禁してきましたね。

 

序盤は、通常のライブパート。

季節柄、「†夏☆大好き!ヴィジュアル系†」は理解できるのだけれど、しばらくぶりの「うんち☆どっさり」や、完全に季節外れとなる「がんばれ!桜、アディオス」を混ぜ込んだありそうでなかったセットリストが展開されていきます。

「がんばれ!桜、アディオス」では、無理やり夏バージョンに仕立てようとするアドリブが入るなど、新体制になって以降影を潜めていた演奏メンバーからの突き上げが見られるようになっていたのが収穫かな。

天然で間違えた可能性も残ってはいるのだが、プラスに捉えておきましょう。

 

ストーリーパートは、寸劇形式で。

冒険家・藤岡崎ひろしが日記を読み上げる、という前提で、効果音を演奏隊が生演奏。

時折、あっつリーナの危うい絵心を披露したり、レジデンス涼羽−178さんによる「DIE都会(クリスタルキングの「大都会」のアレンジ)」が流れたり、ストーリー性よりもメンバーの面白い部分を引き出すということに重心が置かれたものになっていました。

動物の鳴き声をギターやベースで再現したり、やまびこをギターのディレイで表現するなど、音ネタとしてはかなり斬新な踏み込み方もしていて、技術の無駄遣い感は半端じゃないのですが、これがJin-Machineの十八番。

ストーリーに関連する楽曲を演奏しては、次の寸劇が続いていくというテンポ感も良く、まさに総合エンタメ的なステージなのです。

 

涼羽さんの加入後は、どちらかと言えば演奏力の向上に重心が傾いていたイメージで、実際に楽曲構成は複雑でプログレッシブなものになり、純粋に演奏テクニックだけでも戦えるバンドに成長している。

ただし、常に安定したパフォーマンスが発揮できることは、ライブだからこその化学反応が発生しにくく、結果としてセットリストの好みだけでライブへの評価が左右してしまうという課題もあるのですよね。

その意味でも、不確定要素を増やすためにネタに立ち返るというのはアリでしょう。

古株ファンにしてみれば、こういう雰囲気への懐かしさもあっただろうし、新規ファンにとっては新鮮だったはず。

バンドだからこそできる寸劇、ジンマだからこそできる曲フリ。

「山賊王ワソピース主題歌」に行くと見せかけて、「環境デストロイ」に繋げたときの歓声が、それを物語っていたのでは。

 

寸劇パートの最後で披露された新曲「昆虫すごいぜ」は、良いところに目を付けたな、と。

このツアーを通じて振り付けを考えるというコーナーもあり、この日はサビ前~サビについてフリを固めていきました。

下記のセットリストは公式発表と記載を合わせているけど、実際は振り付け前と振り付け後、2回演奏されていますからね、「昆虫すごいぜ」。

半分、閣下の悪ノリと思い付きで決まっていくのだけれど、後半で閣下が暴走。

V系の文化上、あまりバンギャルは足元のステップなど気にしないのだが、ダンスを齧っていたため、そこが気になってしまう閣下がああでもないこうでもないとこだわりはじめ、だいぶオーディエンスが置いてけぼりになっていた気がします。

その温度差により、閣下がやりたがったサークルモッシュの案に、疲弊したオーディエンス側の反応がいまいちで却下になるという事態も招きましたが、「ZONBIE de SAMBA」のセルフオマージュ的なフリが完成すると機嫌が良くなった閣下。

その後の「恋してせんべろ」や「マグロに賭けた男たち」でも、「昆虫すごいぜ」のフリを強引にねじ込んでくるほど、気に入ったようですな。

 

なんだかんだで、定番曲中心なのは変わらずなのですが、「うんち☆どっさり」、「環境デストロイ」、「Back Letter」など、久しぶりの楽曲で変化をつけてきたこと、寸劇による見せ方の工夫を試みたことも相まって、自分が見た限りでの話にはなりますが、現体制でのツアーやイベントの中で、一番彼ららしいと感じたミサでしたよ。

ダンスのくだりの時間で、もう1曲できたとは思うものの、このグダグダも含めて彼ららしい。

事情によりツアーファイナルには行けないのが残念ですが、伝説のカマキリ、手に入れることができると良いですね。

 

1. †夏☆大好き!ヴィジュアル系†

2. うんち☆どっさり

3. New Life

4. がんばれ!桜、アディオス

5. maria.

6. お野菜天国

7. 環境デストロイ

8. 昆虫すごいぜ

9. 夢の中で

10. Back Letter

11. 恋してせんべろ

12. たのしい日本語

13. マグロに賭けた男たち

 

en1. ENCCORE

en2. 売れたくて