iNSOMNiA/iNSOMNiA
1. 咎
2. CRISIS
3. REVELATE
2015年に始動し、2017年に解散となったiNSOMNiA。
始動と同時にリリースされた、3曲入りのEPです。
"運命を打ち砕く者"をコンセプトに活動を開始した彼らが、その口火を切るために用意したのが本作。
全曲、作詞をSuGのローディーだったVo.アメノさんが、作曲をNOCTURNAL BLOODLUSTのローディーだったBa.ライさんが担当しており、双方の経験が活かされた透明感のあるメロディと、ヘヴィーなサウンドの融合という彼らの目指した音楽性が反映されていました。
リードトラックとなるのであろう「咎」は、クラシカルな構成のハードなナンバー。
激しく疾走する前半と、6/8拍子でメロディアスに展開していく後半とで、だいぶ聴こえ方が異なります。
ドラマティックで壮大なイメージなのですが、実は4分以内で終わるというコンパクトさも持ち合わせており、密度が濃い1曲と言えるでしょう。
4オクターブの声域を駆使するアメノさんの歌唱力も活かされており、名刺代わりで持ってきた意味は感じ取れるかと。
「CRISIS」は、唯一、アルバムに収録されなかった楽曲。
デジタルサウンドも組み合わせて、キャッチーに仕上げた疾走系チューンですね。
メロディや展開が王道な分、バキバキの重低音が個性的に映るから面白い。
このわかりやすさ、とっつきやすさは、導入剤としても効いていたのでは。
最後に持ってきた「REVELATE」は、切ないシンセのサウンドが印象的。
こちらもメロディアスに疾走していくのですが、古き良き耽美な要素も散りばめられており、刺さるリスナーも多かったはず。
この路線の楽曲をもっと聴きたかったな、と思いつつ、バンドの個性だったり、キャッチー性だったりを考えると、アクセントとなってしまうのは仕方ない部分もあるでしょう。
強みが多かったバンドだからこそ、器用に何でもできるというのは納得なのですが、色々な"たられば"を想像してしまいますよ。
会場限定作品だったこともあり、解散してしまった今となっては入手困難。
そこがもったいないところではありますが、「咎」と「REVELATE」は、流通作品であるフルアルバムにも収録されていますので、気になったなら耳にしてみてほしいところです。
実力がある若手バンド、もっと日の目を浴びても良かったと思うのだけれど。
<過去のiNSOMNiAに関するレビュー>