Do or Die/AllS
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Do or Die
600円
Amazon |
1. Transmigration
2. Memories
3. Limelight
4. Identity Disorder
5. DRIVEN
6. Hunter
活動休止中だったALSDEADが、2017年、1年半の沈黙を破って出した結論。
"AllS"と名義を変え、活動の場をV系外のフィールドに求める方針を打ち出した彼らの決意表明となる1stEPです。
ALSDEAD自体、V系シーンの中にいながら、邦ロック界隈を見据えた音楽性を打ち出していたと思うのですが、AllSとなり、その志向は更に強まった印象。
ルーツとなっているオールドスクールのロックンロールをベースにしつつ、現代的なサウンドアプローチを施し、ハイブリッドな作風に。
歌詞も英詞が中心になっていて、縛りがなくなったというか、だいぶタガが外れたといった印象を受けますね。
一方で、ALSDEADとして活動していた時代を否定するのかといったら、そんなこともなく。
へヴィーなサウンドの追求や、スピード感、メロディの良さなど、彼らの音楽性の根底にある部分については、言うほど変わっていない気がします。
どちらかと言えば、より自然体に出来るようになった、という精神的な意味合いが強そう。
邦ロック寄りにカスタマイズしたというよりも、純粋に自由度を高めたと捉えるほうがしっくりくるのですよ。
その意味では、これまでALSDEADを聴いていたリスナーであれば、あまり他ジャンルのバンドという意識を持つ必要もないでしょう。
象徴的なのは、「Identity Disorder」かな。
女声コーラスとの掛け合いなどを組み合わせていて、V系シーンの中で考えれば確かに異質。
だけど、ダークさも漂うヘヴィーなイントロや、インパクト重視のギターソロなど、こういうところは相変わらずだよね、と微笑ましくなる。
結果として、どちらのシーンのリスナーにも響きそうな楽曲に仕上がりました。
「Memories」、「Hunter」など、勢いとメロディアス性が融合しているナンバーについても、おいしいところどりを実現できるポテンシャルを秘めているのでは。
あとは、「DRIVEN」のような、古臭い洋楽を現代に蘇らせるような手法が、どこまで受け入れられるか。
ここが彼らの個性と呼べる部分になりそうなのだけれど、古き良き、と温故知新的に受け取ってもらえるのか、時代遅れと一蹴されるのか、正直なところ未知数だな、と。
個人的には、V系シーンではなかなかお目にかかれないアプローチなので、色々な音楽に触れる橋渡しになってくれれば、なんて思ってしまいますが、さて、どう出たものでしょうか。
本作は、HMVなどの限定店舗のみでの販売。
ただし、配信では、6曲で600円とお買い得になっていますので、とりあえず聴いてみよう、という方はこちらも活用できるかと。