残紅 / 鬱るんです。 | 安眠妨害水族館

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残紅/鬱るんです。

 

1. 残紅

 

 

ex-A113のメンバーを中心に結成された鬱るんです。

本作は、"メンヘラウド"を提唱する1stシングルです。

 

Dr.咲汰さんは、Marvelous CrueltyやCieLGraVE等にサポートで参加する等、V系の素養もある彼ら。

Vo.未来さんや、咲汰さんが在籍していたA113も、アングラで鬱々とした世界観を武器としていたこともあり、親和性の高い音楽性が期待できそう。

そんな中でリリースされた初音源ですが、なるほど、良い意味で垢抜けた感がありました。

 

収録された「残紅」は、マイナーコードに乗せられた歌謡曲路線のメロディに、疾走感のあるハードなリズムが重ねられたエモーショナルな楽曲。

3分半のショートチューンなのですが、Aメロ、Bメロ、サビとメリハリがついていて、ドラマティックに展開されます。

例えると、UNLIMITSが好きな層には刺さるのではないかと。

"懐メロコア"な感覚がありますね。

 

歌詞については、やはりメンヘラ感のある翳りがある内容。

ここで強みとなるのが、未来さんの表情豊かな女声ヴォーカルでしょう。

シャウトや語りなどで世界観を作るV系バンドは数多くあれ、ストレートな歌唱だけで、このじわじわと迫るメンヘラ気質を再現できるバンドとなると実に少数となるのではなかろうか。

内々から込み上げる不気味さが、聴きやすいメロディに溶け込み、個性的に映るのですよ。

 

まだまだ判断材料が少ないというのが正直なところですが、もっと多くの楽曲を聴いてみたい。

そう思わせるには十分のパワーがある1曲でした。

 

 

⇒ この作品を聴いた人はこんな作品もおススメ!

 

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詳細なレビューは<こちら

上述のとおり、懐メロコア感がある「残紅」が気に入ったリスナーで、まだUNLIMITSを聴いていないのであれば、絶対に聴くべきでしょう。

耽美さを感じる様式美的な歌詞に、ツタツタのドラム、歌謡曲要素の強いメロディ…

その真髄を残しつつ、ポップさの色付けをして垢抜けさせたメジャー1stアルバムです。

といっても、ヴィジュアル系ではないバンドをここに持ってくるのは反則だろ、という想いもありまして、実は金沢バンドのスィミーでも紹介しようと思って途中まで書いていたのですが、あまりにマイナーすぎて音源も入手困難。

あまり参考資料としてはふさわしくないかな、と。

振り返ってみたら、UNLIMITSも過去に安眠妨害水族館でレビューしていたようだったので、結局こちらを採用させていただきました。