SUMMERDELICS / GLAY | 安眠妨害水族館

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SUMMERDELICS/GLAY

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1. シン・ゾンビ

2. 微熱Agirlサマー

3. XYZ

4. 超音速デスティニー

5. ロングラン

6. the other end of the globe

7. デストピア

8. HEROES

9. SUMMERDELICS

10. 空が青空であるために

11. Scoop

12. 聖者のいない町

13. Supernova Express 2017

14. lifetime

 

2年8カ月ぶりとなるGLAYのオリジナルフルアルバム。

CDのみ、CD+2DVD盤、5CD+3Blu-ray+グッズが付属するG-DIRECT限定盤の3種類がリリースされています。

 

テーマはズバリ"夏"。

"冬"や"バラード"のイメージが強い彼らですが、あえて真夏にアップテンポの楽曲を中心としたアルバムをドロップ。

14曲中、13曲にタイアップがつくなど、攻め気満々の作品となっています。

 

どれだけ攻めているのかと言えば、1曲目の「シン・ゾンビ」の導入だけでも十分に理解できる。

おふざけ要素が多分にあって賛否両論の面はあるのだろうが、「彼女はゾンビ」を大胆にリメイクし、"太鼓の達人"仕様に。

従来にはなかったくらいに、アグレッシブなスタートを見せています。

前半の7曲に、Gt.HISASHIさんが作曲したナンバーが4曲あることからも、本作がいかにエキセントリックかつ彼らとしては異色な空気を持っているかが伝わるのではないかと。

 

後半の肝は、Ba.JIROさんが作曲した3曲。

表題曲となった「SUMMERDELICS」は、ダークなビートロックと、ポップなサマーチューンが融合。

捉えどころがない展開を見せるが、確かに本作で見せたGLAYの魅力を1曲にパッケージしているようにも思えてくる。

「G4・IV」に収録された「Scoop」は、アルバムバージョンで、更にソリッドに。

ビートロックの正当継承者としてのGLAYを色濃く出すと、アルバムを締める「lifetime」では、ポップでキャッチーで、だけど涙腺を刺激する歌モノバンドとしての魅力も発揮。

バラードというカードを切らずとも、しっかりグッとくる楽曲を持ってこれる、引き出しの多さを見せつけました。

 

また、Vo.TERUさんがコンポーズしたナンバーも3曲あり、なかなかのインパクトを誇っている。

GLAYの音楽性の象徴であるGt.TAKUROさんの楽曲がアクセント的に使われるというのは、前作「MUSIC LIFE」でも見られたのですが、本作ではますます顕著になりましたね。

もちろん、これは悪いことではなく、バラエティを広げたり、新鮮味を維持したり、という長年やっているバンドとしては必要不可欠な取り組み。

彼らは、そこを本当に楽しみながら上手くやっています。

 

やや発表済みのシングル曲、カップリング曲の割合が多く、その勢いを上回るアルバム曲がほしかったところではありますが、全体でシングル曲の爆発力をもっと推進しようとする気概を買いたい。

どんなスタイルの楽曲が作られても、ちゃんとGLAY色に染めることができるTERUさんの存在感の大きさを、改めて認識させられた1枚。

 

<過去のGLAYに関するレビュー>

[DEATHTOPIA]

MUSIC LIFE
JUSTICE
GUILTY
GLAY
pure soul
BELOVED
灰とダイヤモンド