MUSIC LIFE / GLAY | 安眠妨害水族館

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MUSIC LIFE (2CD豪華盤)/GLAY

¥3,996
Amazon.co.jp

DISC 1

1. BLEEZE (Album Ver.)
2. 百花繚乱
3. Only Yesterday
4. 疾走れ!ミライ
5. 祭りのあと
6. 浮気なKISS ME GIRL
7. 妄想コレクター
8. Hospital pm9
9. DARK RIVER
10. TILL KINGDOM COME
11. MUSIC LIFE

DISC 2

1. つづれ織り ~so far and yet so close~
2. BELOVED
3. Eternally
4. pure soul
5. HOWEVER
6. 都忘れ
7. Satellite of love
8. 春を愛する人
9. ずっと2人で…
10. カーテンコール
11. Together
12. LET ME BE
13. SORRY LOVE
14. さくらびと

GLAYによる20th Anniversary Album。
亀田誠治プロデュースとなり初のアルバム作品となりました。

随分とポップでキャッチーな仕上がりだな、というのが第一印象。
ガツガツとロックに攻めるイメージは薄まり、その分、遊び心を豊富に盛り込んで、ポップネスに振り切れた。
Vo.TERUさんが作曲を担当したことで話題になった「BLEEZE」、「疾走れ!ミライ」、はっちゃけ具合に驚かされた「百花繚乱」など、先行シングルを序盤に固めたことによって、そのインパクトはより強くなっていると言えるでしょう。

"GLAYらしさ"をどこに置くかでファンの間でも賛否両論は分かれているようですが、個人的には、キャッチーさがなければGLAYではないと思っているので、これはアリ。
タイトルが示す通り、楽しんで音楽に取り組んでいることが伝わってくる作品ですよ。
やりたい放題でありながら、アルバムを通しての流れが、そこまでゴテゴテになりすぎてはいない。
絶妙なバランス感覚を保っています。

もちろん、本作の良さは遊び心だけではなく、その他の楽曲でしっかり引き締めているところもポイント。
哀愁漂う「祭りのあと」で、じんわり心を掴まれたり、Gt.HISASHIさん作曲の「妄想コレクター」でロック魂を揺さぶられたり、「Hospital pm9」、「DARK RIVER」の歌モノゾーンに聴き惚れたり。
特に、「妄想コレクター」は格好良すぎるだろ。

そのうえで、最後に待っているのが表題曲である「MUSIC LIFE」。
Ba.JIROさんがコンポーズを担当したポップチューンです。
GLAYのこれまでとこれからを歌っているような歌詞は、楽しげで前向きなのだが、強く胸を打つ。
この歌詞を載せた時点で、タイトル曲にすることも、ラストに配置されることも決定付けられたのだろうと思えるほど、存在感がありますね。

"GLAYらしさ"の話に戻すと、確かにメインコンポーザーであるTAKUROさんによる王道キラーチューンは少ないのかもしれない。
どちらかと言えば、アクセントに徹しているといったところで、メインどころは、他のメンバーが担っています。
ここに、GLAYらしくも、これまでのGLAYと同じではないという雰囲気が出ているヒントがあったりして。
結局のところ、本作における好き嫌いは、「百花繚乱」だったり、スカっぽいテイストで新境地を見出した「浮気なKISS ME GIRL」、ライブ感を出して盛り上げる「TILL KINGDOM COME」あたりのアクの強さを受け入れられるかどうかに左右されるのかなぁ。

なお、豪華盤にはバラードベスト「BALLADE BEST☆MELODIES」が付属。
流通盤はファン投票での選曲となっていますが、メンバーセレクトの限定盤もも存在します。
新曲として収録された「さくらびと」は、ピアノがメインとなった演奏に、ファルセットを巧みに使って歌い上げるナンバー。
締めくくりなのだから、後半、バンドサウンドになっても良かったのに、とは思うのだけれど、桜ソングらしい儚さにもなっているのかと。

バラエティに富んでいて、飽きさせない。
それでいて、風呂敷を広げっぱなしで終わらせない構成力。
王道的なバラードが不足した点は、ベストアルバムでカバーするとして、全体的に漂うポップさが、アットホームな表題曲に上手く繋がった良作である。
本当、良い歳の取り方をしています。

<過去のGLAYに関するレビュー>
JUSTICE
GUILTY
GLAY
BELOVED
灰とダイヤモンド