[DEATHTOPIA] / GLAY | 安眠妨害水族館

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[DEATHTOPIA]/GLAY

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1. デストピア
2. 超音速デスティニー
3. JUSTICE [from] GUILTY(GLAY Special Live 2013 in HAKODATE GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.1)
4. 微熱(A)girlサマー(GLAY Special Live at HAKODATE ARENA GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.2)
5. 黒く塗れ! (GLAY ARENA TOUR 2014-2015 Miracle Music Hunt)
6. everKrack(GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016 “Supernova")
7. coyote,colored darkness(ROCK'N'ROLL SWINDLE at NIPPONBUDOKAN)
8. WORLD'S END(GLAY ARENA TOUR 2007 “LOVE IS BEAUTIFUL")

GLAYの54thシングル。
ライブ音源6曲を含む全8曲が収録された大ボリューム仕様です。

本作を語るうえで外せないのは、全曲がGt.HISASHIさんがコンポーズを担当したナンバーであるという事実。
絶対的なメインコンポーザーであるGt.TAKUROさんは、1曲たりとも作曲していないという振り切れっぷりなのですよ。
実質的にはアルバムレベルの曲数であることを勘案すれば、これは大事件だぞ、と。

HISASHIさんの楽曲の特徴と言えば、サイケデリックな切れ味鋭いロックサウンド。
エッジの効いたハードチューンは、アクセントとして存在感を示します。
収録された「デストピア」、「超音速デスティニー」にも、その要素はしっかりと反映されており、ファンにはたまらない内容になっているのでは。

サイバーなギターがダークに迫ると、疾走しながら盛り上がりを見せる「デストピア」。
サビになると華やかさもあって、バランスが絶妙です。
「超音速デスティニー」は、ソリッドさを強調したハードな楽曲。
カップリング扱いではありますが、こちらもアニメのタイアップがついており、表題曲にひけをとらない高揚感がありました。

面白いのは、"アクセント"であるはずのHISASHI節も、シングルとして切られると、ちゃんとGLAYの王道として響いてくることでしょう。
アニメ「クロムクロ」のタイアップがついた影響か、シングルとしてドロップすることを意識してか、マニアックには踏み込みすぎず、キャッチーさが前に出てきている。
この辺は、さすが長年活動してきているだけあって、ツボをわかっているといったところ。
GLAYらしくストレートであり、HISASHIさんらしく捻くれているという矛盾めいた感覚を、見事に表現してしまっているのだから、感心するほかありません。

ライブ音源にしても、こうしてまとめて聴くと、一口にHISASHI曲と言っても色々なアプローチがあるのだと気付かされる。
タイトで格好良い「JUSTICE [from] GUILTY」と、ヘンテコポップスの「微熱(A)girlサマー」が、同じ作曲者であるという驚き。
「everKrack」や「coyote,colored darkness」といった、必ずしも代表的な楽曲ではないラインナップのライブバージョンが聴けるという喜び。
そして、彼の楽曲だけでも、十分にメリハリのある作品やライブがコーディネートできるのだというポテンシャルの顕在化。
まさか今更、GLAYに伸びしろを感じさせられるとはなぁ。

いつかはアルバムに収録されるのかもしれませんが、このパッケージで聴くことに意味がありそう。
チャレンジ作ともコンセプト作ともとれる1枚です。

<過去のGLAYに関するレビュー>
MUSIC LIFE
JUSTICE
GUILTY
GLAY
pure soul
BELOVED
灰とダイヤモンド