「夢タラレバ」(通常盤)/DADAROMA
￥1,620
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1. 「夢タラレバ」
2. ブリキ
3. 「Happy Halloween」
DADAROMAの流通盤としては３枚目となるシングル。
インパクト大のヴィジュアルや、フルCGで制作されたMVも話題を集めています。
表題曲である「夢タラレバ」は、DADAROMAらしさの範囲内で、もっともキャッチーに仕立て上げたといったところ。
ハードなシャウトパートを潜り抜けつつ、サビではダンサブルかつメロディアスに。
ここまで教科書通りに王道感のあるV-ROCKでチャレンジしてくるというのは意外だったのですが、上モノの入れ方が特徴的なので、没個性とはなっていません。
その中でもやはり、中盤で突然放り込まれる"ジョン・レノンは死んでしまった"の連呼が曲の印象を掻っ攫って行きましたよね。
キャッチーなイメージに、唐突に強いメッセージを叩きつけられたような衝撃。
優等生的に収まりそうなところで、良い意味でバランスを崩してくれました。
そして、わかりやすさに振れた反動なのか、カップリングの「ブリキ」はマニアックなアプローチの連続。
ぼそぼそと呟くようなボーカルパートが続き、これはどう着地させるのだろう、と思っていると、突如として鋭いシャウトが畳み込まれる。
ギャップに驚いていると、そのまま浮遊感のある不思議なサビへ迷い込んでいくという、この捉えどころのなさが癖になります。
ボーカルラインは基本的に抑揚なく抑えめに設定されているので、やや難解さは否めませんが、コントラストをはっきりさせる意味でも良い選曲だったのでは。
通常盤にのみ収録された「Happy Halloween」は、以前に会場限定シングルとして発表されていたナンバーの再録音。
既に持っていたとしても、リテイクされているので、それぞれの聴き比べが楽しめる仕様です。
DADAROMA流のハロウィンパーティー。
確かに、収録するとしたらこのタイミングしかないのでしょう。
総括としては、両極端に振り切れた２曲と、入手困難のシングルから１曲。
彼らのスタイルを色々な角度から見ることができる作品として集約されており、ベストアルバムリリース後の仕切り直しとしては、これ以上ない出来栄えと言えますな。
守りに入るわけではなく、絶妙に危うさを潜ませ勢いを示す。
これは、ますます脂が乗ってきたな、とリスナーを唸らせる１枚です。
＜過去のDADAROMAに関するレビュー＞
dadaism#2
Happy Halloween
「最終電車」
「雨のワルツ」
dadaism♯1