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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

HOME [B-TYPE]/DaizyStripper

¥3,500
Amazon.co.jp

DISC 1
1. Welcome Back
2. VICTORIA~氷の女王~
3. ARREST -HOME ver.-
4. NAKAYUBI
5. MY WAY
6. Flying New World
7. 自由がお帰り
8. in Daylight
9. The End of Music
10. 明日が来るなら
11. KoppaMiJiN
12. アマカラ -HOME ver.-
13. GOD SPEED
14. HOME
15. キボウノカケラ~Shiny Days~

DISC 2
"KISS THE FUTURE~47 Runners High FINAL~" in 日比谷野外大音楽堂 LIVE音源 前半

5人編成でのフルアルバムは、2012年の「AIR」以来、実に5年ぶり。
DaizyStripperにとって、通算7枚目となる作品です。

結成10周年を迎える彼らが、"帰るべき場所"となる作品を送り込むということで、その通り、集大成的な1枚となっているでしょうか。
「HOME」というタイトルから、なんとなくポップ要素が強まるのかな、とも思ったのですが、必ずしもそんなことはなく。
あらゆる角度から、"DaizyStripperらしさ"に向き合っていると言えますね。

実質的なトップバッター「VICTORIA~氷の女王~」、シングル「ARREST」と、序盤は飛ばす飛ばす。
疾走感があって、メロディアスで、ハードでソリッド。
そういえば、結成当初はJanne Da Arcのフォロワーなんて言われていたことを、久しぶりに思い出したり。
もちろん、当時に比べて洗練されているのだけれど、原点回帰、初心を忘れていないとアピールするような勢いを見せつけてくれます。

「NAKAYUBI」や「The End of Music」、「KoppaMiJiN」といった、ゴリゴリに攻め立てる楽曲も充実。
メジャーシーンを意識して歌モノに中心になるのでは、という杞憂を思いっきり吹き飛ばす。
ただ過去に回帰するだけでなく、前作「TRAGUS」や、ミニアルバム「SIRIUS」で作ってきた攻撃的な流れも、しっかり汲んできているのが好印象。
新境地的なナンバーとしては、大人びたポップスである「in Daylight」が良いアクセントになっていて、幅の広さも伺わせていました。

ただし、その中でもやはり際立っているのが、「HOME」という楽曲。
10年間の歴史が、Vo.夕霧さんの素直な言葉で紡がれており、いかにメンバーにとって、DaizyStripperが、DaizyStripperのファンが大事な存在であるかがヒシヒシと伝わってくる。
さらりとしたメロディで歌われるのだけれど、重みというのは、重厚なサウンドだけで表現するものではないのだなぁ。
素朴で優しくて、とてつもなく力強い。
これを名曲と呼ぶのでしょう。
最後は、広がりを見せる「キボウノカケラ~Shiny Days~」で締めくくるのだけれど、この「HOME」のためのフルアルバム、と位置付けてしまってもいいぐらいのパワーを持っていたのでは。

メジャーデビューも発表され、次のステージに向けて動き出し始めた彼ら。
これまでの総括と、これからの展望。
区切りとしては、これ以上ない最高傑作を届けてくれました。

なお、四季にちなんで、4種類が同時発売。
MVなどが収録されたDVD付きのA-TYPE、2016年6月に日比谷野外大音楽堂で開催された「KISS THE FUTURE~47 Runners High FINAL~」のライブを収録したCDが、前後半に分けてそれぞれ付属されたB-TYPEとC-TYPE、CDのみのD-TYPEと、構成としては「SIRIUS」と同様ですな。
そのときはライブ後半の音源が付属されたタイプを購入したので、本作では前半の音源付きのB-TYPEに。
セットリスト的にも満足度が高く、値段がその分割高になるとしても、無駄にはならないかと。
場数をこなしただけあって、自信が感じられるライブ音源となっていますよ。

<過去のDaizyStripperに関するレビュー>
SIRIUS
TRAGUS
HUMALOID
AIR
KISS YOU
Dearest
CROSS