KISS YOU / DaizyStripper | 安眠妨害水族館

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KISS YOU(B-TYPE)(DVD付)/DaizyStripper
¥1,680
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1. KISS YOU

2. last note


3rdアルバムの発表間近のDaizyStripper。

今回紹介するのはB-typeですが、A-typeとC-typeは、3曲目に「七色の花束を」が追加収録されております。

B-typeのメリットは、DVDにクリップの他にオフショットが入っているってところですね。

複数買いが前提でなければ、クリップも欲しい人はA-type、曲だけでいい人はC-typeを選べば良いと思います。


夕霧さんのボーカルは、音源を重ねるにつれ、両声類度合いが高まっている印象。

ピッチ上げのエフェクトでもかけているのではないかと思われるほどの、高音からスタートする「KISS YOU」。

声を張り上げて歌うメタルバンドに多いハイトーンボイスとは違い、さらっと優しい音色で、このキーを出せるのは、強い武器ですね。


キャッチーさを前に押し出すようになってきてからは、一段と化けたというか、風弥さんの持ってくるメロディと、夕霧さんの声質にマッチしたアレンジができるようになってきましたね。

個人的には、初期のハードさを出そうと無理をしていた時期に比べて、ここまで割り切ってポップにしていったほうが、バンドのポテンシャルを伸ばせると思います。

いっそ、清々しい。

そういう意味では、前身バンドであるClavier~クラビア~時代の持ち味が戻ってきたような気もするな。


やや、サビの繰り返しがクドいかもしれません。

歌詞も、いわゆるJ-POPにありそうな、安っぽさも否めず、わかりやすい構成も大事なんだけれど、無難にこなすだけでないプラスアルファを織り込むことができれば、より成長できるでしょう。


カップリングの「last note」は、バンド感を大切にした、疾走系ナンバー。

演奏面では、ソリッドに聴こえるように、同期を使いながらも、鋭さを意識したような展開。

一辺倒にならないように、テンポやリズムにタメを作ったり、流れが良い曲構成の中に、微弱な変化をつけてくるあたり、工夫が見られます。

サビになると、やっぱりキャッチーで、この辺、求められているものがわかっているな、と。

表題曲ほどの、1回聴けば覚えてしまうようなインパクトはないのですが、細く長く聴ける1曲ではないでしょうか。


今更、斬新さや衝撃は感じられないのですけれど、2枚同時のアルバムリリースを経て、安定感をかなり増してきた。

新しいアルバムにも、シングル曲は収録しないスタンスのようですし、このペースで佳曲を量産できるようになっているのは、ファンとしては喜ばしいところ。

シングル曲を、シングル曲らしく作る才能があるバンドなので、今度は、アルバムでバリエーションを示してほしい。

その期待感を煽るには、十分な仕上がりでした。


<過去のDaizyStripperに関するレビュー>

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