SIRIUS / DaizyStripper | 安眠妨害水族館

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SIRIUS [初回限定盤B-TYPE]/DaizyStripper

¥3,240
Amazon.co.jp

DISC1
1. 酸欠革命
2. DEAR MY SIRIUS
3. ヒステリカ
4. SUMMER VACATION
5. SWEET DREAM
6. La Vie en Rose

DISC2
”Winter Box Disorder”追加公演2014.12.15 in TSUTAYA O-EAST LIVE音源 後半

再び5人編成となったDaizyStripper。
本作は、彼らの約3年ぶりとなるミニアルバムです。

タイトルの「SIRIUS」は、太陽の次に明るい星。
歌詞を書いたVo.夕霧さんから見たときに、ファンが太陽だとして、シリウスはメンバーを表しているのだとか。
その背景を知っていると、「DEAR MY SIRIUS」の歌詞のメッセージ性がぐっと伝わりやすくなりますね。

初回盤は2種類あり、"Winter Box Disorder"追加公演2014.12.15 in TSUTAYA O-EASTのLIVE音源を、前半と後半に分けて収録したライブCDが付属されています。
通常盤は、DVDが付属したタイプとCDのみのタイプがあり、合計4種類でのリリース。
購入の際には、ご注意を。

「酸欠革命」は、重厚なサウンドに驚かされるミディアムナンバーで、らしくないかな、とも思わされるのですが、これが盛大なブラフ。
途中でスピードアップして、激しいファストチューンに変貌してしまいます。
インパクトの大きい幕開けを飾ると、リードトラックとなる「DEAR MY SIRIUS」へ。
カラフルなサウンドと、キャッチーなメロディ、前向きな歌詞。
やや甘酸っぱすぎるきらいはありますが、上述のとおり、背景を知っていればこその楽曲。
ほどよい疾走感は、1曲目の勢いを無駄にすることなく、この楽曲の華やかさを際立たせました。

ベースソロのようなフレーズから入る「ヒステリカ」は、スピード感があるも、メロディは歌謡曲ライクで、久しぶりに、"Janne Da Arcっぽさ"を見せてきたのでは。
結成当初は、ジャンヌのフォロワーと言われることも多かった彼ら。
その後、オリジナルへの昇華が進み、最近ではそんな意識は消え去っていたのですが、ある意味で、5人になっての原点回帰が図られたということかもしれません。

と、思ったすぐさま、新境地的なポップチューン「SUMMER VACATION」が送り込まれるからあざとい。
ホーンの同期が使われていて、ダンスポップ風の仕上がり。
サビの出だしが「Choo Choo TRAIN」っぽくて焦るのですが、それも狙ってのことだろうな。
こういう楽曲も嫌いじゃないです。

夕霧さんのハイトーンボイスを活かしたバラード、「SWEET DREAM」ではしっとりと。
これを締めくくりにする手段もあったでしょうが、本編のラストは、情熱的なデジタルロック「La Vie en Rose」。
1曲目から5曲目まですべてをDr.風弥さんが作曲を手掛けていたこともあり、それまでの流れは、バラエティを持たせつつもすっきりまとまっていた。
最後にして、異分子的にGt.なおさん作曲の入れたことで、あえてバランスを崩したといったところ。
これが効いていて、次回作への期待を含ませるラストになったのではなかろうか。

LIVE音源については、後半のほうが盛り上がっているし、ドラマティックな演出もあるだろう、とTYPE-Bを購入したのですが、実際、オーディエンスとの距離が近くなってからの終盤の雰囲気が出ていると思います。
ひとつ想定し忘れていたのは、「BLACK DROPPer」における煽り部分。
これが長めに続くので、この曲だけ尺が18分にも及んでいます。
暴れているならともかく、耳で聴いてこれだけ煽られると、さすがに疲れてしまう。
ここは、気にする人は気にすると思うので、判断のご参考として。

安定感を示す方向にベクトルが傾いていたDaizyStripperですが、久しぶりに、ガツンと衝撃を与える作品になりましたな。
"全A面シングル級の6曲"というコピーも、あながち言い過ぎではありませんよ。

<過去のDaizyStripperに関するレビュー>
TRAGUS
HUMALOID
AIR
KISS YOU
Dearest
CROSS