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1. Endless Song
2. 切望のフリージア (Album mix)
3. twinkle snow twinkle
4. Time∞Killer
5. The Day After
6. KISS YOU (KISS mix)
7. SHINE
8. if
9. aquarium
10. Bremen
DaizyStripperの5枚目のオリジナル・フルアルバム。
今までは、アルバムにシングル曲は入ってきませんでしたが、本作では、「切望のフリージア」と、「KISS YOU」がミックス違いで収録されています。
しかし、リリースペースがおかしなことになっていますね。
1stアルバム、2ndアルバムを同時リリースしたのが、2010年の8月。たったの1年半前ですよ。
そして、2011年6月に3rd、10月に4th、本作が2012年の1月と、3rdから5thまでは、実に3ヶ月ペース。
その間、シングルやライブアルバムなどのリリースもコンスタントにあるわけだから、精力的にもほどがある活動っぷりです。
さて、そうなると心配なのがクオリティですが、前作「SIREN」よりも、むしろまとまりがある。
アレンジについても、しっかりシンセと馴染んでいて、アップテンポな楽曲と、ミディアムナンバーとのメリハリもついています。
この半年でリリースされた3枚の中では、群を抜いておススメできる内容。
アルバムとしてのバランスが意識されているので、納まりの良い作品に仕上がっているのではないでしょうかね。
特に「Endless Song」、「切望のフリージア」という序盤で勢いをつける構成がハマっている。
第一印象で王道感を示されることで、ポップに振れすぎるのではないかという不安も払拭してくれます。
夕霧さんの伸びやかなハイトーンボイスは、疾走感のある展開の中で聴くと気持ちが良い。
ハードすぎると、それが殺されてしまうところがあるのですが、そこは風弥さんのコンポーズしたナンバー。
王道感ありきとは言え、きちんとキャッチーに耳馴染みの良いフレーズを持ってきてくれるのはありがたい。
比較的早い段階で登場するバラード、「twinkle snow twinkle」も、絶妙にスケールアウトするサビのメロディが印象的。
ここまでの3曲で、このアルバムの全体を掴んでしまうといっても過言ではありません。
アクセントが入って、1分弱のツタツタメロディアスナンバー、「The Day After」で再スタートを切る中盤もなかなか。
ポップ感を強く押し出したシングル「KISS YOU」、美しいシンセが疾走歌モノ好きの感性をくすぐる「SHINE」と、コアとなる楽曲を立て続けに送り込む。
「KISS YOU」は、公開レコーディングという形をとっており、ライブバージョン、とは言わないまでも、ファンの歌声も重なってきます。
正直、これはシングルバージョンのほうが聴きやすいので残念。
終盤は、ややインパクトに欠けてしまうものの、無難にまとめたといったところ。
激しい曲、壮大なバラード、ポップな疾走曲という、ラストに向かっているのが、表面だけでもわかりやすい曲の配置。
意外性はないけど、安定感という意味では、これでいいのかも。
もちろん、この辺りで、サプライズ的な楽曲があっても良かったけどね。
何かを作るのにあたって、時間をかければいいものができるとも限りません。
とはいえ、曲の構成や、それに似合うアレンジパターンの試行錯誤、または練習量等、どこかで妥協が出てしまいそうなもの。
このリリースペースでも、その辺のバンドが1年かけてじっくり作ったものと同等、またはそれ以上の作品をドロップしたセンスは評価すべき。
あとは、どうやって、無難に良いバンドから脱皮するかですね。
夕霧さんの女声ばりのハイトーンボイスや、風弥さんのポップ・アレンジなど、他のバンドよりも秀でる強みはあるので、変に遊ばず、ストレートにストロング・ポイントを押し出す作風でも面白いのではないかと個人的には思います。
おススメできる一枚ではありますが、もっと先がありそう。いや、あってくれ。
さて、アルバムに収録されていないシングルも残っていますが、リリースペースは、今後どうなっていくのでしょうか。
そちらも、目が離せないですね。
＜過去のDaizyStripperに関するレビュー＞