HUMALOID / DaizyStripper | 安眠妨害水族館
HUMALOID(通常盤)/DaizyStripper ¥2,625 Amazon.co.jp 1. 1999 2. 彼女はエメラルド 3. Paradise Lost 4. 東京ホライズン-NIGHT AND DAY- 5. CLUB"KILLING" 6. Reincarnation 半年で3枚のフルアルバムをリリースするなど、ハイペースで楽曲を増やしつつあるDaizyStripper。 前作から半年というインターバルで、またもや新作が聴けるとは。 本作は、全編Vo.夕霧さんが作詞。 メインコンポーザーであるDr.風弥さんが3曲と多めに曲を書いているものの、残り3曲を、Gt.まゆさん、Gt.なおさん、Ba.Reiさんが1曲ずつ担当しており、風弥さんのワンマンバンド的な印象を払拭すべく、まさに総力戦で制作された印象です。 作曲者が分散するというのは、音楽性の幅が広がるという見方が出来る一方、統一感を出すのは難しくなる側面もある。 その点で、本作は、なかなかバランスがとれた仕上がりになっているのではないでしょうか。 アプローチの視野は、確かに広がっているのですけれど、バンドとしてやろうとしている軸が、一本通っているので、1曲だけが浮く、ということがない。 彼らの強みである、ハイトーンなボーカルを活かした旋律と、ポップなサウンドを随所に織り交ぜながら、そのうえで、変化を付けていくというのが、上手くハマっているのです。 退廃的な雰囲気を持ちながら、サビではキャッチーさも見せる「1999」でスタートし、風弥節全開のリードトラック、「彼女はエメラルド」へ。 これがまた、ベタベタにメロディアスなポップチューンで、開き直りがかえって気持ち良い。 疾走感があって、歌声も伸びやかに通っていくので、実に爽快。 1曲目にアクセント的なナンバーを持ってきたことで、王道な楽曲が、より華やいで聴こえます。 続く、「Paradise Lost」は、まゆさん作曲のロックナンバー。 キラキラしたシンセの幻想的なサウンドと、重厚な演奏とのギャップが面白い。 サビに進行すると、作曲者が違えど、DaizyStripperの血脈として流れているかのようなメロディアスさを見せて、爽やかに開けていくところに、リリースラッシュによって得た自信を感じますね。 メンバー全員が、ボーカリストの長所を理解したうえで、作曲しているという証拠。 リリース予定の新作に繋がっていくという触れ込みの「東京ホライズン-NIGHT AND DAY- 」は、再び風弥曲。 ただし、今度は一辺倒にポップさだけを目指すわけではなく、ミディアムテンポに抑えた雰囲気モノの形式をとっており、世界観を出そうと試みます。 ここで、硬派な男声コーラスとの掛け合いが入ってくるのですが、意外性があって良し。 立て続けに送り込まれる、なおさん作曲の「CLUB"KILLING" 」では、更にコーラスの男らしさが強まって、ハードさを増していく。 彼らにしては邪道な楽曲なのかもしれませんが、これだけ楽曲数が増えてきた中であれば、このくらいインパクトがあって正解なのかもしれません。 ラストは、Reiさんが担当した「Reincarnation」。 ミクスチャー要素が強まるものの、最後に使われる曲だけあって、勢いを大事にした疾走ナンバーです。 王道で締める。だけど、少し新鮮。 全体として、リードトラックを除き、メインコンポーザーが、アクセント的なナンバーを担当したというのが、バランスが良い理由なのかも。 二番手、三番手のコンポーザーが、バンドとしての王道作品を思う存分作り込める。 アクセントは、メインコンポーザーが作曲しているので、やはり軸はブレることがない。 この辺りは、ミニアルバムだからこそできるチャレンジであり、成長を見せたポイントでもあります。 課題としては、ちょっと歌詞に"これでいいのか?"感が。 一昔前のアイドルポップスみたいな表現は、一周したってダサくはないだろうか。 好みの問題かもしれませんが、「彼女はエメラルド」とか、「I love you Baby Forever Baby」とか、よりによってサビのフックで歌われると、内容が薄く聴こえてしまいます。 メロディが良い分、流れで聴けはするのだけれど、聴き込めば味になるのしら。 <過去のDaizyStripperに関するレビュー>
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