【此処から】@高田馬場AREA(2017.2.23) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

"慎一郎&杏太ワンマンライブ 【此処から】"に行ってきました。
19:00スタートとはいえ平日は厳しいのだけれど、なんとか間に合った。
少し押してくれたおかげです。

ホタルのライブが決まっているからか、この日はホタル時代の楽曲は少なめ。
1曲目の「サクラチル」と、アンコールの「たからもの。」の2曲だけでしたね。
その代わり、ジュリィーの曲をたくさんやってくれた印象。
「秋茜」、「待つ人」あたりが聴けたのは、とても嬉しかったな。

スタートから、「サクラチル」、「サクラ心中」の黄金コンボ。
そのまま、「積み木」、「秋茜」と続いて、会場は早くも浸るモードに。
この日の「積み木」が神懸っていた。
段階的にギアを上げて、最後には感情の大爆発。
もともと好きな楽曲ではあるけれど、今までで一番込み上げるものがあった気がします。
まだ3曲目のはずなのに、既に涙腺が決壊寸前。
その後に、ずっと聴きたかった「秋茜」なのだもの。
ピンと張り詰めた空気を、MCでの"高野豆腐"の話題でゆるい感じに仕切り直すところも含めて、慎一郎&杏太のライブに来たな、という感覚に包まれました。

「涙日和」では、前回同様に、慎一郎さんがギター、杏太さんがフルートという編成。
この曲だけ、演奏力は文化祭レベルになってしまうのだけれど、復活バンドとして現状維持を良しとするのではなく、成長しようとする意志が見られるから応援したくなる。
現役時代だったら、こういう路線には進んでほしくないと思っていただろう「ハッピーバースデイ」のような曲調にしても、年齢や環境が変わったことで、かえって沁みる楽曲になったと感じるから不思議なものだ。

多幸感に包まれたまま、予告があった通り、バンド編成へ。
第一弾、ピンキーチームは、Dr.pinky(GHOSTRAIN)、Ba.一星(E.T)、Piano.まぐろというメンバー。
pinkyさん、一星さんは、以前、バンド編成でのセッションをやったときも参加していただけあって、コンビネーションはこちらのほうが良かったかな。

「残想」は、イントロのピアノの音色から鳥肌が立った。
何度か聴いていたけれど、こうも化けるか、と。
上モノが入ることで、新しい一面を見せてくれます。
続く、「ハーメルン」は、それ以上に深掘りされる世界観。
アコースティックで優しく歌い上げていた人たちと、本当に同一人物なのかと疑いたくなる豹変っぷりで、狂気じみた立ち振る舞いには、新曲であるにも関わらず、懐かしさも感じてしまう。

「東京」、「ストロボ」というジュリィーゾーンでは、Gt.ウスイ“Tacky”タクマさんが合流。
重要なフレーズを任され、少し緊張した様子ではあったけれど、さすが、魅せ方はわかっている。
押すところ、引くところのバランスが絶妙で、圧巻のステージを繰り広げてくれました。
暴れる時間だ、と煽ったわりには、2曲世界観モノが続いていただけに、「東京」でのオーディエンス側での盛り上がり方が半端なかったなぁ。

それにしても、pinkyさんはよく喋る。
元ローディーとは思えないくらい、しゃしゃり出てくる。
だけど、この賑やかさが、この人たちのライブっぽいのだ。

第二弾、ツブクチームは、Ba.ツブク“Mashoe”マサトシ(The Benjamin)、Dr.桐(heidi.)に、引き続きまぐろさんがピアノを担当。
オリジナルの「スターチス」、「蛍火」を披露しました。
世界観で攻めたピンキーチームに対して、こちらはライブ感、ノリ重視。
ツブクさんもボーカルに絡んでくるため、コーラスワークで違いを見せていましたね。

「グローリージェネレーション」は、バンド編成だからこそ復活できた楽曲。
ここでもタクマさんが登場するはずだったのだけれど、慎一郎さんが呼び込みを忘れたまま煽りに入ってしまうというハプニング。
ここでのツッコミの入れ合いが、同窓会的で微笑ましい。
流れで、楽屋でプレステを持ち込んで騒いでいたジュリィーのメンバーを、快く思っていなかったという第一印象も暴露。
そんな彼らが、2017年、同じステージに立っているというのも感慨深いものです。

最後の「あれから」は、ツブクさんのリクエストということで、ツインボーカル形式で演奏されました。
ツブクさん、タクマさんの二人、本当にジュリィーの音楽が好きだったようで。
本人たちが忘れているような楽曲たちを次々に挙げて、友達であり、ファンであり、という微妙な立ち位置が、外から見ていて面白いという。

アンコールでは、再び慎一郎さんと杏太さんの二人で、「いつか死ぬ僕らの死なない歌」、「たからもの。」を演奏。
この辺りは、今後もアンコールの定番になっていきそうですね。
「いつか死ぬ僕らの死なない歌」でのシンガロングからの、代表曲「たからもの。」は、もはや鉄板だもの。

ここで終わりだと緊張を解いたら、まだ続きがある様子。
ゲストミュージシャンが全員登場して、pinkyさんのリクエストによる「僕ら」のセッション。
ギターにタクマさん、ベースに一星さん、ドラムに桐さんが配置され、慎一郎さん、pinkyさん、ツブクさんのトリプルボーカルという全員体制、大団円。
前に出ては滑り続けるpinkyさん、太鼓持ち的なポジションに落ち着くツブクさん、まとめる兄貴役的な慎一郎さん、3人のキャラが良く出ていて、気持ち良くワンマンの幕を閉じました。

結局、なんで杏太さんがこの日のAREAに拘ったのかは語られず。
ホタルの復活についても、特に触れてはいませんでしたかね。
しかしながら、そんな理由なんて要らないくらいの素敵な空間が、ここにありました。
喋ればアットホーム、歌えばピリっと引き締まる。
アメとムチを交互に使い分け、最後は全員を救い上げる慎一郎&杏太の包容力は、会場のキャパシティが上がったところで健在です。
"またね"と言って終わったので、またバンド編成でのライブをやってくれることでしょう。
他にも、主催イベントの開催や、カバー曲中心のワンマンなど、今後やっていきたいことを断片的に語ってくれて、まだまだ先に楽しみは待っていそう。

ちなみにこの日は、2016年4月のワンマンの映像を収録したDVDとコメントCDのセットを会場限定で販売。
収録時間の関係上、最後の3曲が入らなかったとのことで、それは残念としか言いようがないのですが、ライブをやってくれるのならば、それを記憶に残して代替しましょうか。
コメントCDについては、第三弾にも期待していますよ。


1. サクラチル
2. サクラ心中
3. 積み木
4. 秋茜
5. 3月の雪
6. 待つ人
7. 涙日和
8. ハッピーバースデイ
9. 同じ空
10. 残想
11. ハーメルン
12. 東京
13. ストロボ
14. スターチス
15. 蛍火
16. グローリージェネレーション
17. あれから

en1. いつか死ぬ僕らの死なない歌
en2. たからもの。
en3. 僕ら