人事方針作成の勧め
人事理念(会社としての人材に対する根本的な考え方)や今後の人事に関する方向性を示した人事方針を明確にする必要があります。
○ 人事方針の必要性
・ 経営ビジョンを達成するためには、人材のレベルアップが必要です。
・ 会社としての人材に対する根本的な考え方を明確にすることが大事です。
○ 人事方針の作成手順
1.現状の人材レベルの確認
・ 現在の社員の「弱み・課題・問題点」と「強み・良いところ」を書き出します。
・ 社長と幹部社員で出し合うとよいでしょう。
2.求める人材像の具体化
・ 事業計画を達成するために育って欲しい社員の将来像を設定します。
・ 5項目から10項目程度にとどめるとよいでしょう。
(人事考課の期待行動の項目になります)
3.現状の人材レベルと求める人材像とのギャップを埋めるための課題
・ 求める人材像と現状とのギャップを確認します。
・ そのギャップを埋めるために何をするかを考えます。
・ 全社員に対する施策と管理職に対する施策とを分けて考えるとよいでしょう。
4.人事方針(人事理念)の設定
・ 求める人材像とギャップを埋めるための課題を参考に作成します。
・ 経営理念や経営ビジョンに照らしあわせて、整合性を確認します。
・ シンプルに短文で作成するとよいでしょう。
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人事に関する記事は、同じアメブロの「評価のQ&A」に掲載しています。
ほめ言葉の効用
「ほめられると伸びる」ということを実証した実験がある。
アメリカの心理学者E.B.ハーロックが、小学生5年生に1日15分連続5日間加算作業をさせ、次のような結果を得た。
・ 賞賛グループ
「成績の良し悪しにかかわらずほめられた生徒のグループ」は5日間、成績が向上した。
・ 叱責グループ
「成績の良し悪しにかかわらず叱責され、非難された生徒のグループ」は3日間成績が向上したが、後は停滞した。
・ 無視グループ
「賞賛も叱責も与えられない生徒のグループ」は、成績がほとんど向上しなかった。
ただし、児童心理学者のハイム・G・ジノットは「子供はほめられすぎると負担を感じ、その賞賛に値しないことが露呈することを恐れ、不安になる」と言っているので、注意が必要である。
ただ、ほめればいいというものではない。
そのハイム・G・ジノットは「親は人格をほめるのではなく、達成したことをほめるべきである」とも述べている。
私は「達成のために努力したことをほめることが大事だ」と言いたい。
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社内で人事制度を作る14(人事考課の仕方)
○ 人事考課の仕方
1.絶対評価
人事考課は、社員同士比較する相対評価ではなく、基準と比較する絶対評価により行いま
す。

2.評価段階
人事考課は考課要素ごとに、基準と照らし合わせる絶対評価で行い、その評価段階は5段階とします。
各評価段階の定義は次の通りです。

3.評価の基準
考課項目の意味や評価の着眼点は、評価する方もされる方もすぐに確認できるように、考課シートに記載します。
また、業績考課の基準となる業務目標は、期の初めに上司と部下が話し合って、考課シートに記述するようにします。
4.人事考課の基本ルール

5.その他
① 具体的な評価の仕方、業務目標の設定の仕方については、別途「人事考課マニュアル」で詳しく説明します。
② 職能面談「期首面談(目標面談)」「期末面談(評価育成面談)」「中間面談」の仕方は別途「職能面談マニュアル」で説明します。
③ 公正な評価を行うために、人事考課者に対して「人事考課者研修」および「職能面談研修」を継続して実施することをお勧めします。
④ 納得性のある評価を行うために、被考課者に対して「被考課者訓練」を実施すと大変効果的です。
⑤ 評価の着眼点は考課シートに記載しますが、活用しながら改善していきます。
⑥ 考課者毎の評価点の平均点を考課者にフィードバックし、自分の評価の甘さ辛さを自覚させ、是正を促すようにします。
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社内で人事制度を作る13(人事考課の活用)
○ 人事考課の活用
1.日ごろの指導・育成
まず、毎日、毎月評価して、指導育成に活用することが一番重要です。結果を見て「良い、悪い」というのではなく、結果が出るまでのプロセスをよく見て、指導していくことが大事です。考課シートをもとに
・ やるべきことをやっているかどうか
・ やるべきことを実施するための知識・技能が身についているかどうか
・ 勤務態度はどうか
を、チェックし指導することが、能力開発に結びつくことになります。
2.フィードバックによる指導
本人評価、1次考課を行い、確定した評価結果を本人にフィードバックします。
フィードバック面談では、「総合評価が良い・悪い」という話ではなく、事実を捉えてよかった点、いたらなかった点を確認します。
その上で、「なぜうまく行ったのか」、「なぜうまく行かなかったのか」の理由・原因を明確にし、今後の指導育成のポイントとします。
3.処遇への活用
処遇とは「賃金改定、賞与、昇格・昇進」のことですが、この処遇への活用について、どの程度連動させるかは各企業の状況によりますので、ここでは判定方法のみ説明します。
人事考課は各項目別に5段階で行いますが、その結果からウエイトを加味して、100点満点になるよう総合点を計算します。その算出された総合点により、総合評価(評価ランク)を決定します。総合評価(評価ランク)は5段階や7段階など企業の状況(要望・方針)により設定します。
その際、点数によって総合評価(評価ランク)を決めるのか(絶対区分)、順位によって総合評価(評価ランク)を決めるのか(相対区分)は各企業の考え方によります。
それぞれの特徴は次の通りです。

● 処遇に活用する場合の例
① 例えば、下表のように総合評価(評価ランク)ごとに、昇給の号俸や昇格ポイントを設定しておくと、処遇との連動が明確になります。
② 昇給に連動させる場合、上表のように総合評価(評価ランク)によって、昇給時に昇号する号数に差を設けることができます。
③ 昇格に連動する場合は、下表のように総合評価(評価ランク)によって付与される昇格ポイントの累積点によって、昇格の資格の有無を判定できます。

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社内で人事制度を作る12(評価ウエイト)
〇 評価ウエイトの設定
1.総合評価
人事考課は考課項目・要素別にそれぞれ個別に評価し、それらを合算して総合評価とします。例えば、一つの考課項目・要素を5段階で評価を行い、10項目設定した場合は単純に合算すると50点満点になります。
これでもいいが、わかりやすくするためにそれぞれの点数を2倍して100点満点にすることもできます。
この総合評価点は、累積して昇格や昇進を決定する時の参考資料とします。
2.評価ウエイト設定
総合評価点を計算する時に、上記のように単純に合計して総合点を出すこともできますが、考課項目・要素別に重要度を考慮して、ウエイトをつけて計算することもできます。
むしろ、その方が望ましいと考えられます。何が重要かということについては、それぞれの会社の考えによりますが、一般的な考え方を示すと次の通りです。

ウエイト設定の仕方は、総合点を100点満点にする場合、各項目の評価が5段階ですから、100点満点÷5段階=20点となり、20点を各項目の重要度に応じて配点して設定します。
仮に3点を配点した項目で評価が4の場合は、4×3=12点が総合点に反映することになります。
このウエイトは、事前に設定し、考課シートに記入しておくようにします。
公表すると逆算して点数を付けるという意見もありますが、会社として何が大事であるかという表明としてオープンにする方がよいと思います。
3.ウエイト設定の例
① 大まかなウエイト設定

② 考課要素別に配点した場合

・ 期待行動の要素1~4は、社員集団によって要素が異なります。
③ 業績考課とプロセス考課をそれぞれ100点満点とした場合

なお、評価ウエイトを「賞与の場合」「昇給の場合」「昇格の場合」と目的別に設定する場合がありますが、計算が複雑になるということと、会社からの期待が明確にならない(何が重要かのメッセージが伝わらない)とうことで、シンプルに一本化することをお勧めします。
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社内で人事制度を作る11(考課者)
○ 考課者と被考課者の区分
人事考課はより公正を期すため、1人の被考課者に対して1次考課者、2次考課者の2人が評価するようにします。
1次考課者は直属上司、2次考課者はその上の上司とします。目標面談や評価育成面談は1次考課者が行うこととします。

なお、該当職位者が空席の場合は、上位職位者が代行します。
また、被考課者の人数が多い場合は、評価補助者を任命します。
○ 自己評価の実施
人事考課の時期には、被考課者が自らも自己評価を行うようにします。
目的は担当業務の振り返りや反省をするようにする為です。
それを基に1次考課者がフィードバックの面談を実施します。自己評価は全員が行い提出し、フィードバックの面談は業務の一環として必ず実施するようにします。
○ 2次考課の位置づけ
2次考課者が直接被考課者を評価することは難しいため、1次考課者がルールや基準に従って行っているかどうかのチェックを行い、特に問題なければ、1次考課者と同じ評価とします。
問題があれば、1次考課者と話し合って修正します。勝手に修正するようなことはしません。
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社内で人事制度を作る10(人事考課の時期)
○ 人事考課の時期と対象期間
人事考課は下表のように業績考課、プロセス考課(期待行動、知識・技能、勤務態度)とも年2回行います。

○ 人事考課の回数
現在、業績考課を年2回、プロセス考課を年1回実施する企業が見受けられますが、年2回の賞与に人事考課を反映するようにすると、業績考課が100%反映するようになってしまい、過去に失敗した過度な成果主義と同じになってしまいます。
業績考課は本人の努力や能力以外の要因にも左右されるため、業績考課だけが賞与反映するというのは社員からの納得性が得られません。プロセス考課も同じように年2回行って仕事の結果だけでなく、本人の発揮能力や努力も賞与に反映するようにした方が納得性も高まります。
また、フィードバックの面談を行う際も、業績考課とプロセス考課に関する話し合いができるため育成に結びつけやすく、話もしやすくなります。業績考課だけのフィードバックは結果だけの話になりますので、場合によっては話がしにくくなることもあります。
なお、賞与は期間中の成果に対する手当なので、プロセス考課の知識・技能などの能力に関する評価を反映するのはおかしいという意見もありますが、それは昔の保有能力を評価する時代の考え方であり、「期間中に発揮した能力」を評価する場合においては全く問題なく、むしろ「期間中に発揮した能力」も賞与に反映すべきものです。
○ 人事考課のタイミング
業績考課は4月と10月、プロセス考課は1月というように賞与や昇給・昇格の時期に合わせて実施しているケースがありますが、「処遇のための人事考課」であることを表明することになり、「人材育成のための人事考課」という目的が薄れてしまいます。
また、業績考課とプロセス考課には密接な関係があり、業績考課を行うことでより明確にプロセス考課を行うことができます。プロセス考課だけを単独で行うことは非常に難しく、特に評価段階については根拠のない点数付けになってしまう恐れがあります。
以上のことから、人事考課は業績考課もプロセス考課も年2回同じ時期に行うことが望ましいということになります。
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社内で人事制度を作る9(勤務態度)
○ 勤務態度の考課要素
「組織人としてふさわしい勤務態度であって欲しい」という勤務態度の考課項目は、組織風土を高めていく上で重要な項目です。
勤務態度に関する考課要素は多くの企業で使われている一般的なものを設定します。


○ 人事考課項目・要素一覧表
これまでの内容(考課項目・要素)を一覧表にまとめると次のようになります。
これで、人事考課の「何を評価するか」について、設定できたことになります。
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社内で人事制度を作る8(知識・技能)
○ 知識・技能の考課要素
ここでいう知識・技能とは「期待行動をしっかり実行するための知識・技能」であり、学力のことではありません。
また、知識・技能があるだけで、仕事に生かしていない場合は評価の対象にはなりません。
あくまでも期待行動をしっかり行うための知識・技能であり、実際に活用されているものに着目して評価します。

評価の項目について、知識と技能を別々に評価するのは難しいため、知識・技能で一項目として設定します。
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社内で人事制度を作る7(期待行動)
○ 期待行動の考課要素
部門や部署、階層や役職によって役割の性質が異なるため、「役割を全うするために、あるいは高い成果を上げるために、やるべきことをしっかりやって欲しい」という期待行動の項目も、部門や部署、階層や役職によって異なってきます。
したがって、どの程度の大きさで区分するかによって内容は異なってきますが、最初からあまり細かく細分化すると収拾がつかなくなり、その後の管理運用が煩雑になってしまうため、役割や期待行動の特性が似かよった「部門や部署」「階層や役職」をグループ化し、そのグループごとに期待行動の項目を設定するとわかりやすく管理しやすくなります。

グループ化は各会社の状況によりますが、次のように考えます。
① まず、階層別に初級職、中級職、管理職と3階層に分けて考えます。
② 管理職については、職種ではなく役職(役割)に応じて、課長クラス、部長クラス、専門職の3つに区分して設定します。
③ 初級職と中級職は階層毎に、営業や製造、事務管理、技術などの職種別に設定します。
④ このように区分したグループごとの期待行動の項目について、「どのような行動を期待するか」に関しては数えきれないほど想定できますが、ここでは「重点的に」ということでグループの特性に応じて3~5項目に絞って設定します。
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