ただジイの独り言(旧:人事コンサルタントのブログ) -597ページ目
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● 自分の仕事をしないで他人の応援をするのは?

 受付にいつもの加藤さんに変わって田中さんが座っていました。「どうしたの?」と尋ねますと、「加藤さん、風邪ぎみで病院に行っているんです。その間だけ、私が見てあげることにしました」という返事です。田中さんはよく他人の仕事を手伝ってくれます。この間は秘書室でタイプを打っていましたし、1週間ほど前には営業で封筒に切手を貼っていました。彼女は会計課ですが自分の仕事にはあまり身が入っておらず、他人の仕事を手伝うことばかり熱心です。このような場合どう評価したら良いでしょうか。

 会社の中にはそれぞれ持ち分というものがあります。
みんながそれを守ることによって組織の中の分業が成り立っています。
ところが、個人が持ち分を守ることだけにあくせくし、他人の仕事に注意を払わなければ全体としての効率は低いものになってしまいます。
そこで、それぞれの持ち分の接点のところでは助け合い、力を合わせる必要があります。それが協調性です。
 しかし、協調性を云々できるのは自分の持ち分を一通り果たした上でのことです。
つまり、責任性が『B』以上でないと協調性に『A』をつけることはできません。
自分に任されたことをやらずに他人の手伝いばかりしているのは、単なるでしゃばりに過ぎません。

 このケースの場合田中さんの日頃の行動から、責任性が『A』(困難を克服し、自分の業務を最後までやり遂げようとした)、または責任性が『B』(自己の業務を最後までやり遂げようとした)であれば、協調性を『A』と考課してもよいです。
 文面から判断して、責任性が『C』(自己の業務はほったらかしになっている)とすれば、単なるでしゃばりとしか取れないわけですから協調性の考課対象とはなりません。
 もし他に協調性を考課できる行動(チームワークを高めるようとする態度など)があった場合、その度合いに応じて『B』以下に考課をすることになります。
 

● 恩着せがましい協力の場合の評価は?

 仕事の応援を頼むといつも手伝ってくれるのですが、恩きせがましいことを言ったり、いやな顔をしたりします。この場合の、協調性はどう考えるとよいでしょうか。

 この場合も、事実だけを冷静に判断します。いつも手伝ってくれるのですから、協調性「B」となります。人のいやがる仕事や緊急の頼みごと、また、自分自身が忙しい時の手伝いであれば「A」となります。
 イヤイヤであっても、手伝ったという事実に着目してください。
 逆に、非常に愛想がよく、調子のいい事は言うがいざとなると「うまい理由」をつけて手伝わないという場合の方が問題です。
 話し方や態度、日頃の人間関係などでつい感情的になってしまいますが、人事考課をするときは冷静に事実だけに着目するようにします。

● 遅刻の評価は?

 遅刻をすると規律性でマイナス評価ということですが、理由のある遅刻や不可抗力での遅刻もマイナス評価になるのでしょうか?

 いいえそんなことはありません。規律性は取り組み姿勢や意欲のことを評価するわけですから、そのような理由のある遅刻は規律性には反映しません。規律性に反映するのは本人怠慢による遅刻のみということになります。

 ただし、遅刻に関して言えば、いかなる理由があれ遅刻した時間は仕事をしていないわけですから「no work no pay」の原則で賃金カットになるのは当然です。

● 残業自粛時の残業の評価は?

 残業自粛の指示があるにもかかわらず、残業をしているのは、どう評価しますか。

 本来残業は残業申請を出して、管理者の許可があってはじめて行うものですが、中小企業の場合は、ほとんど事後承諾になっている場合が多いようです。
したがって、上記のような質問が出てくるものと考えられます。

 これは、その残業の内容によってちがってきます。いくら残業自粛といっても、会社業務に支障をきたすような重要な仕事が残っているのであれば、残業してでも行うべきです。しかし、翌日行なっても間に合うのであれば、「残業自粛」を優先して考える必要があります。

 すなわち、その残業の「重要性・緊急性」と「残業自粛」の優先度で決まってくるわけです。
「重要度・緊急度」の低い仕事を残業で行なっているのであれば、規律性「C]、「重要度・緊急度」の高い仕事を残業で行なっているのであれば、規律性は「不問」で、責任性はその理由により「B]または「A]となります。

● 残業拒否の場合の評価は?

 残業を拒否するのは、どう評価すればよいですか。

 まず、規律性について考えてみましょう。
よく残業命令と言われますが、残業は命令できるものでしょうか。厳密には、命令とは業務時間内で通常の担当業務内においてのみ、効力があるわけです。したがって、残業は命令できません。あくまでも依頼になります。逆に、時間内で通常の業務内のことであれば、言い方は依頼であっても、命令になります。
 命令は受けて当たり前、標準B、拒否すればC・Dが妥当でしょう。
しかし、依頼は受ければ、協調性でプラス評価(B以上)、拒否しても不問ということになります。
 つまり、残業は命令ではなく、あくまでも依頼であるため、拒否しても規律性には該当しないということです。

 次に、責任性を考えてみましょう。
これは、残業の理由によってちがってきます。会社の都合で突然残業が必要になったり、仕事量そのものが多くて残業が必要な場合は、本人の責任は問えませんので残業を拒否しても不問とすべきです。残業を引き受けたのであれば、組織への協調ということで協調性でプラス評価、または、量的チャレンジということで積極性でプラス評価できます。本人のミスや能力不足で残業が必要になり、これを拒否したのであれば、責任性でC・Dと判定できます。この場合、残業を行って当たり前、責任性Bが妥当でしょう。

ただし、自分の責任で残業が必要な場合でも、残業できない理由があり、それを事前に連絡し、手を打ったのであれば、残業できなくてもマイナス評価はできません。

 ここでいう、段階BとかC、Aはこの一つの事実に対して、ということであり、これだけで、半年の評価が決まるということではありません。
 また、プラス評価というのは、その度合いにより、それぐらい当たり前Bの場合と期待以上Aの場合があるということです。

◆ 補足説明

 「就業規則、36条協定があれば、残業は「命令」てぎますし、就業規則で懲戒処分の対象ともなり得ます。」というご意見をいただきました。
確かにその通りだと思います。(むやみに拒否すれば)

 現在の法律の解釈として、
「36協定の範囲内であれば、正当な理由がなければ残業は拒否できない。」が通説だと思います。
ということは、「36協定の範囲内であっても、正当な理由があれば拒否できる。」という意味でもあります。

 問題は「何を正当な理由か」という問題であり、たとえデートであっても本人にとって一生を左右するものであれば、正当な理由となると思うのですが、いかがでしょう。

 また理由の内容はともかく、その理由は本人が申告するわけであり、それによって、「正当化かどうか」が決まるのであれば、絶対的命令にはならないのではないだろうか。
(本人申告による理由により、従わなくてもよいことがある)

そのような理由で、あえて、「依頼」という言葉を使っています。

誤解のないようにお願いします。
「残業はむやみに拒否できるということではありません。あくまでも正当な理由があれば拒否できるということです。」

◆ 補足の補足

 私は、残業を命令で「しょうがなく行う」ものではなく、各人が残業の必要性を感じて、行うものだと思っており、そのように日頃から、意識付けすることが大事だと思っています。

法律や36協定をたてに、嫌がっているものを無理やり残業させるのではなく、そうならない様に日頃の意識付けをしっかり行うことの方が大事だと思います。

命令しなくても、必要性を感じて、従業員が自ら申告してくるように、仕事の重要性や目的を知らしめることが経営としては大事だと思っています。
その意味で、管理者研修等で、残業は命令でさせるものではなく、必要性を理解させて、行うものである。一方的命令はダメだ。といっています。

● 有給休暇を使い果たした場合の評価

 有給休暇を全部使い果たしている人と、まったく使っていない人の評価は、どう考えればよいのでしょう。

 有給休暇を使った、使わないは人事考課上まったく関係ありません。
 ただ、仕事の処理量として、有給休暇を使った人と使わない人がちがっていれば、それに対しての評価(成績考課)はちがってきます。
もし、仕事の処理量が同じであれば、短時間で仕事をこなした人(有給休暇を全部使った人)の方が能力又は意欲があると考えてよいでしょう。
 

● 挨拶しない部下の評価

 Y君は職場の通路ですれ違ってもめったにあいさつをしません。
 自分からあいさつをすることは全くといってよいほどなく、こちらから「おはよう」と声をかけると、機嫌の良い時には「おはようございます」と小さな返事が返ってきますが、多くの場合はちらっとこちらを見るだけで、後は知らん顔をしています。
 同じ会社の中にいても、あいさつさえできないのでは人間関係がうまくいくはずがありません。
そこで、Y君の協調性を『C』と評価したいと思います。どうでしょうか?


 同じ職場の中であいさつをするしないは、仕事以前の社会常識の問題です。
また、Y君が持って生まれた性格・生い立ちの問題ともいえます。
ここで考えていただきたいのは、人事考課は人間そのものを評価するのではなく、仕事を遂行する能力・取り組み姿勢・結果を評価するものだということです。
Y君があいさつをしないことによって、仕事上具体的な不都合を引き起こしているのであれば、その具体的事実を上げて評価に反映すべきでしょうし、そうでなければ評価の対象にはなりません。

 もし、「あいさつをしなさい」という業務命令があって、あいさつをしないのであれば服務規程に反するということで、規律性を『C』とすることもできますが、あいさつは業務命令でするものではないと考える方が適切です。
 大切なのはそのことを評価に反映させてから山田君の態度を改めさせようとするのではなく、気持ち良くあいさつをすることが、周囲の人達にもY君にとっても良いことなのだとあなた自身のアプローチで気づかせることではないでしょうか。

● 茶髪やピアスの評価

 製造部門の中に若手社員の中に、茶髪やピアスをしている者がいます。仕事には支障はないのですが、お客が来るとみっともないからやめるようにいっているのですが、いうことを聞きません。この場合、規律性はマイナス評価にしてもよいのでしょうか。

 これは難しい問題ですが、仕事に支障がなければ人事考課には関係ないと判断せざるを得ないでしょう。これらは個人の感性の問題ですから、上司がみっともないといっても、本人はそれがかっこいいと思ってやっているわけで、そのことを捕らえて人事考課に反映はできません。

 お客様が来るとみっともないとのことでしたが、これも感性の問題で一概には言えません。中には「自由でのびのびしていていい職場環境ですね」と思う人もいるかもしれません。自分の感性に合わないからやめろ、やめないから人事考課でマイナスというわけにはいかないでしょう。
 もちろん、相手の感性を認めた上で、人生の先輩として「そのような髪形は君には似合わないよ」とアドバイスすることは、何ら問題ありません。

 また、電話応対を行う人が大きなイヤリングをしている。電話応対に不都合があるので勤務時間中はずすように命じたがはずさなかった場合はどうでしょう。これは業務に支障を生じる可能性が強いわけですから、人事考課の対象に入ります。この場合は規律性でマイナスが妥当でしょう。

● オリンピックは相対評価?

 素朴な疑問なのですが、ノーベル賞やオリンピックは相対考課か絶対考課か、もしくは両方になるのかが良く分からないのですが。初歩的な内容の質問で申し訳ありませんが、教えて頂きませんか?

 オリンピックは順位ですから、文句なく相対評価になりますね。
オリンピックの各国選考についても、人数が決まっていますから相対評価になります。
ただ、競技によっては標準記録を上回っていることが条件になる場合がありますので、その部分については絶対評価になっていると言っていいでしょう。
例えば、A標準を上回っていれば3人、B標準を上回っていれば1人というようになっている場合など。

 ノーベル賞の場合はよくわかりませんが、受賞人数が決まっているのであれば相対評価、人数が決まっていない場合は絶対評価と考えられます。
 実際には、ノーベル委員会が全世界の主要大学等機関と専門家に極秘に他薦を依頼し、送られてきた被推薦者と、委員会が独自の判断で選んだ人とで、ノーベル賞受賞候補者リストが作成されます。そして、そこから受賞者が選考されます。

 選考基準については、スポーツとちがって数字で判断できるものではないので、合議により判断することになっているようです。

 公表されている選考基準は、ノーベル氏の遺言「賞の選考に当っては、国籍はいっさい考慮せず、最もふさわしい人を選ばなければならない」ということだそうです。

◆ はじめに ◆

 はじめまして、kana_3 です。

ブログは初めてですが、毎日更新したいと思っています。(←努力目標)

よろしくお願いします。


PS
ホームページ版「評価の疑問」もご覧ください。

http://www.sabcd.com/
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