京阪京津線・京津三条~御陵の廃線跡(京都府京都市。2009年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。

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(Wikipediaの写真を使用)  

  

今回は、京阪線の京都側のターミナルであった三条駅(京津線は京津三条駅)から東へ進み、蹴上の峠を越えて山科区の御陵との間を結んでいた
京阪京津線(京津三条~御陵)の廃線跡(御陵~京阪山科の旧線跡を含む)について簡単にレポートします。
尚、京津線一部区間の廃止と引き換えに京都市営地下鉄東西線が開業し、御陵~浜大津となった京津線の電車が東西線に片乗り入れしています。

  

京津線は、前身の京津電気軌道、そして京阪電気鉄道(旧会社)により1912年~1925年にかけて全線が開通しました。そして戦後になって京都市営地下鉄東西線が計画されると京津線との競合が問題となり、結局、京津線列車が新たに建設される東西線に乗り入れる事とし、競合区間となる京津線の京津三条~御陵を廃止する事で決着しました。そして1997年10月に東西線の醍醐~二条が開業し、同時に京津三条~御陵が廃止されました(御陵~浜大津は1500Vに昇圧、新型車両導入など改良の上で営業を継続)。

  

今回は京津線の廃線跡を京津三条~御陵の順にレポートします。御陵~京阪三条の旧線跡につきましても同時に掲載します。

  

尚、今回の区間は徒歩でサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  

  

1997年廃止区間の概要   

路線名   区間   営業キロ  廃止時  
京阪電気鉄道:京津線  京津三条~御陵  3.9km   1997年10月12日廃止  
(※)全区間複線、直流600V電化。軌間1,435mm。      

  
  

探訪・撮影時   2009年11月  

  

  

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(1)起点の京津三条駅は三条通と川端通が交差する三条大橋交差点の南東側にありました。
京阪本線の地上線時代は乗換が楽でしたが、京阪線の地下化以降、京津線のホームは地上のままだったので不便でした。
駅跡では現在、暫定的な商業施設「京阪三条 rest complex KYOUEN」が営業していますが、
後継施設(ビルか?)の建築に制限が多いようで、今も暫定施設のままとなっています。

  
  

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(1)京津三条駅跡より浜大津方を望む。
地上時代の電車は京津三条駅を発車すると右へ急カーブして三条通の中央部を複線で東へ走っていました。
尚、三条通の地下には京都市営地下鉄東西線が通っていて、京津三条駅跡の近くには三条京阪駅が設置されています。

  
  

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(2)市街地の中を走り、東大路通(東山通)と交差すると東山三条駅跡に着きます。
当時は幅の狭い低床式ホームが設置されていました。
駅跡のすぐ東側には地下鉄の東山駅があり、東山三条駅を代替しています。

  
  

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(3)東山三条駅跡を発車すると延々と続く上り勾配を進み、右手にウェスティン都ホテル京都を見て走ると右へカーブして蹴上駅跡に着きます。
蹴上交差点の北西側に相対式低床ホームがありました。廃止後に道路整備されて面影はありません。

  
  

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(4)蹴上駅跡を発車すると蹴上交差点を右へ進み、少し進むと専用軌道区間へと変わります。
この付近では三条通の左側を蹴上インクラインの廃線跡が並走しています。

   
   

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(4)蹴上交差点より京津三条方を望む。市街地へ向けて下り勾配になっています。

  
  

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(5)蹴上駅を過ぎて専用軌道区間へ入ると京都市東山区から山科区へと入ります。
専用軌道区間では、京津線は三条通の右側(南西側)を走っていました。
この辺りは京津線では最も急な66.7‰勾配となっていました。カーブもきつかったようです。
尚、廃線跡は三条通の拡幅に利用されました。

  
  

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(6)やがて峠の頂上部に差し掛かると、東山ドライブウェイをアンダーパスしますが、東山ドライブウェイの橋梁は地上線時代から同じものを使用していて、京津線もまたいでいました。広い意味での遺構と言えるでしょう。

  
  

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(7)そして東山ドライブウェイをくぐると九条山駅跡に着きます。高床ホームでした。
尚、九条山では地下鉄の代替駅は設置されませんでした。
三条通を走る路線バスが代替交通機関となりましたが、本数はさほど多くありません。

  
  

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(8)九条山駅跡を発車後、今度は下り勾配が続きます。やはりカーブが多いです。
この辺りの沿道には地上線廃止後に建設された三条通四車線化、歩道整備工事についての記念碑があります。

  
  

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(9)そ下り勾配は続きますが、やがて山間部が途切れて平地へ出ます。
平地の住宅街へ入ると再び併用軌道区間となりました。

  
  

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(10)そして日ノ岡駅跡に着きました。駅跡は写真よりやや東側(写真奥)です。
当駅のやや東側に地下鉄・京阪の御陵駅が建設され、御陵駅が日ノ岡駅の代替駅となっています。

  
  

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(11)さらに併用軌道区間を進みますが、やがて右へカーブして専用軌道区間へと戻り、御陵駅跡に着きました。
交差点の手前右側に京津三条方面ホームが、交差点の向こう側に浜大津方面ホームがありました。
尚、地下鉄・京阪の御陵駅は当駅のやや西側にあります。新・御陵駅は旧・御陵駅と日ノ岡駅の昼間に設置されました。

  
  

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(12)御陵駅跡を発車後は左へカーブしながら専用軌道区間を走っていました。
廃線跡は遊歩道や公園として整備されました。

  
  

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(13)そして三条通と踏切で交差するとJRの琵琶湖線(東海道本線)の北側を並走していました。
この辺りで現在線は地下から地上へ出てきます。
その後は琵琶湖線をくぐって南側へ回り、京阪山科駅に到着します。

  
  

(おしまい)  

  

  
廃線跡探訪の注意点   

私が京阪京津線:京津三条~御陵の廃線跡を探訪したのは2009年の1度だけです。2002年にバスで、2007年に車で通った事はあったのですが…。現役時代と同様に坂がきつく、なかなか前へ進まなかったですw

  

廃線跡の距離は3.9kmですが、坂道が多いので徒歩で2時間弱ほど要します。
往復とも徒歩探訪ですと疲れます。片道は並行路線である京都市営地下鉄東西線が利用可能で、途中リタイアも可能です。

  

食料・飲料について、コンビニ・飲食店は山間部を除いて点在しています。さほど気にしなくても良いでしょう。
京都へご旅行の際は、ぜひ一度京阪京津線の廃線跡にも寄ってみて下さい!

  

  

接続路線   

接続駅   接続路線  
京津三条駅   京阪電気鉄道(三条駅まで徒歩3分):京阪本線鴨東線  
京津三条駅   京都市営地下鉄:東西線 (三条京阪駅まで徒歩5分)  
東山三条駅   京都市営地下鉄:東西線 (東山駅まで徒歩5分)  
蹴上駅   京都市営地下鉄:東西線 (蹴上駅まで徒歩5分)  
蹴上駅   蹴上インクラインの廃線跡 (廃線跡まで徒歩2分)  
日ノ岡駅   京阪電気鉄道(御陵駅まで徒歩5分):京津線(浜大津方面)  
日ノ岡駅   京都市営地下鉄(御陵駅まで徒歩5分):東西線  
御陵駅 (旧)   京阪電気鉄道(御陵駅まで徒歩5分):京津線(浜大津方面)  
御陵駅 (旧)   京都市営地下鉄(御陵駅まで徒歩5分):東西線  
(京阪山科駅)   JR西日本(山科駅まで徒歩2分):東海道本線【琵琶湖線】湖西線  
(京阪山科駅)   京都市営地下鉄(山科駅まで徒歩3分):東西線  
  
(参考:地理院地図、Wikipedia)