樽見駅にて。ハイモ295-310形(315号)です。
今回は、岐阜県西濃地方の中心都市である大垣から揖斐川の支流・根尾川沿いに北へと進み、山間部に位置して「淡墨桜」で有名な旧・根尾村の樽見へ至る転換第三セクター路線、
樽見鉄道樽見線を紹介します。
樽見鉄道樽見線を紹介します。
樽見鉄道は貨物輸送(セメント輸送)により経営がさほど苦しくありませんでしたが、2006年に貨物輸送が廃止されると一気に経営が苦しくなりました。
現在は自治体の支援を受けながら、イベント列車の運行、モレラ岐阜駅の開設などの努力で巻き返しを図っています。
現在は自治体の支援を受けながら、イベント列車の運行、モレラ岐阜駅の開設などの努力で巻き返しを図っています。
(Yahoo!地図を使用)
路線名 | 区間 | 営業キロ | 備考 |
樽見鉄道:樽見線 | 大垣~樽見 | 34.5km | 全線単線・非電化。軌間1,067mm |
踏破達成時 | 2001年8月 |
撮影時 | 2009年12月 |
大垣駅はJR東海と改札内で繋がっていて、樽見鉄道の列車は北端の7番線より発着します。
尚、写真の「モレラ岐阜」仕様のハイモ230-314は現在運用を外れています。
尚、写真の「モレラ岐阜」仕様のハイモ230-314は現在運用を外れています。
大垣を発車すると東海道本線と並走して住宅地や田園の中を東北東へ走ります。そして国道21号をアンダーパスすると緩やかに左へカーブして東海道本線と分かれ、築堤上にある東大垣に着きます。
東海道本線を走行中の車両より東大垣駅を望む。
築堤上にある島式ホーム1面2線の駅で、構内踏切があります。尚、東海道本線には駅はありません。
築堤上にある島式ホーム1面2線の駅で、構内踏切があります。尚、東海道本線には駅はありません。
東大垣を発車後は築堤高架を進み、揖斐川を渡ります。
揖斐川の橋梁上で岐阜県・大垣市から安八町へと変わりますが、渡り終えるとすぐに瑞穂市に変わります。そして左へカーブしながら地平へ下り、横屋に着きます。
揖斐川の橋梁上で岐阜県・大垣市から安八町へと変わりますが、渡り終えるとすぐに瑞穂市に変わります。そして左へカーブしながら地平へ下り、横屋に着きます。
横屋を発車後は住宅と田園の混在した風景の中を走り、犀川を渡ると十九条に着きます。
十九条を発車後は柿園や田園の中を北へ走り、右へカーブして美江寺に着きます。尚、瑞穂市(旧・巣南町)は富有柿の発祥地で、原木も現存しています。
美江寺を発車後も柿園や田園を見ながら走りますが、本巣市へと変わると田園風景の中を北北東へ走るようになります。やがて住宅地へ入り、左へカーブして名鉄揖斐線の廃線跡と交差すると北方真桑に到着します。
北方真桑駅にて。写真の車両は三木鉄道から来たハイモ295-610形(617号)ですが、現在も三木鉄道時代の塗色が維持されているかどうか分かりません…。
また、北方真桑駅の旧駅名は本巣北方駅でした。近くを名鉄揖斐線が走っていましたが、名鉄側には駅が設置されておらず、一番近い美濃北方駅でも徒歩15~20分ほどかかっていたそうです。
また、北方真桑駅の旧駅名は本巣北方駅でした。近くを名鉄揖斐線が走っていましたが、名鉄側には駅が設置されておらず、一番近い美濃北方駅でも徒歩15~20分ほどかかっていたそうです。
北方真桑を発車すると右へカーブしながら住宅地の中を走ります。そして国道303号をアンダーパスすると右手に大型ショッピングモール「モレラ岐阜」が見えてきて、モレラ岐阜駅に着きます。
モレラ岐阜駅にて。当駅は「モレラ岐阜」のオープン直前に開業した新設駅です。
「モレラ岐阜」は写真奥の方向にあり、当駅は若者の利用も多いです。
「モレラ岐阜」は写真奥の方向にあり、当駅は若者の利用も多いです。
モレラ岐阜駅を発車後は田園地帯を北上し、糸貫に着きます。
糸貫を発車後は右手に小さな山並みを見ながら田園風景の中を引き続き北上し、やがて住宅地へ入ると広い構内を有する本巣に到着します。
本巣を発車すると右手に車両基地の本巣機関区を見ながら走り、続いて左へ分岐する住友大阪セメント岐阜工場への専用線跡を見ながら走ります。その後は田園地帯を北北西へ走り、織部に着きます。織部を発車後は右側から山並みが迫ります。
左手に住友大阪セメントの工場を見ながら走ると短いトンネルを抜け、左手に根尾川を見ながら走るようになります。かつては対岸に名鉄谷汲線が走っていましたが、2001年に廃止となりました。
その後はトンネルを潜り、田園地帯を走ると木知原(こちぼら)に着きます。
木知原駅付近にて。揖斐川の谷に広がる山あいの農村地帯を走ります。
木知原を発車後は左手に谷汲山方面へ続く谷を見ながら田園地帯を走り、根尾川を渡ると揖斐川町へと変わり谷汲口に着きます。
谷汲口駅にて。名鉄谷汲線が廃止された現在、最も谷汲山華厳寺の近くにある駅です。
谷汲山華厳寺へは路線バス(名阪近鉄バス)が接続していますが、時刻は要確認です。
谷汲山華厳寺へは路線バス(名阪近鉄バス)が接続していますが、時刻は要確認です。
谷汲口を発車後は山里の中を走り、再び根尾川を渡って本巣市へ戻ると左へカーブして、右手に住宅地を見ながら田園風景の中を走り、神海(こうみ)に到着します。樽見へ延伸されるまでは、当駅が終着駅でした。また、国鉄時代の駅名は「美濃神海」でした。
神海を発車すると右へカーブして根尾川を渡り、揖斐川町へ変わると左へカーブして田園の中にある高科に着きます。高科を発車後も両側に山並みを見ながら田園地帯を北上し、根尾川を渡ると本巣市へと変わり、鍋原(なべら)に着きます。鍋原を発車後は山深くなります。根尾川を渡って揖斐川町へと変わり、舟山トンネルを潜ると隧道内で本巣市へと戻ります。そしてトンネルを出ると2度根尾川を渡り、さらに短いトンネルを抜けるともう一度根尾川を渡り日当(ひなた)に着きます。
日当を発車後は日当トンネルを潜り、根尾川の谷を走って根尾川を渡ると高尾トンネルへと入り、トンネルを出ると高尾に着きます。
日当~高尾にて。神海~樽見は旧・鉄道建設公団が建設した区間で、例に漏れず直線的な線形で橋梁やトンネルが多用されています。
神海~樽見では根尾川を8回も渡っています。
神海~樽見では根尾川を8回も渡っています。
高尾を発車後も根尾川に沿って深い谷を走りますが、トンネルを2本通過すると盆地へと出て水鳥(みどり)に着きます。
水鳥駅の大垣方にて。駅の近くには1891年の濃尾地震により姿を現した根尾谷断層があり、地震断層観察館・体験館があります。
水鳥を発車後は山あいの田園風景の中を北上します。そして根尾川を渡ると板所トンネルを潜り、トンネルを出ると住宅地へと入って終点の樽見に到着します。
終点の樽見駅は島式ホーム1面2線で、ホームと駅舎は構内踏切で繋がっています。
また、終端方には引上げ線があり、以前運行されていたJR東海の『ナイスホリデー淡墨桜』などの客車列車の機関車の機回しに使用されていました。
駅舎は2007年に不審火により全焼し、翌2008年に簡素な駅舎が再建されました。
また、終端方には引上げ線があり、以前運行されていたJR東海の『ナイスホリデー淡墨桜』などの客車列車の機関車の機回しに使用されていました。
駅舎は2007年に不審火により全焼し、翌2008年に簡素な駅舎が再建されました。
樽見駅のある旧・根尾村は山間部に位置していて、冬になると写真のように積雪することがあります。
また、4月になると樹齢1500年以上の淡墨桜(樽見駅から徒歩15分)が花を咲かせ、多くの見物客が押し寄せますが、残念ながら車やバスでアクセスする見物客が多いのが現状です…。
また、4月になると樹齢1500年以上の淡墨桜(樽見駅から徒歩15分)が花を咲かせ、多くの見物客が押し寄せますが、残念ながら車やバスでアクセスする見物客が多いのが現状です…。
樽見線では普通列車のみの運転ですが、樽見22:32発本巣行きの最終列車(38レ)は神海以外の全途中駅が通過扱いとなります。
運転区間ですが、半数以上の列車が大垣~樽見の全然通し運転で、大垣~本巣の区間運転列車も午前中を中心に相当数あります。また、本巣~樽見で1往復、神海発大垣行きが上り1本設定されています。
運転本数は、大垣~本巣では1時間~1時間半に1本、本巣~樽見では1~2時間に1本の割合です。
使用車両はハイモ295形とハイモ330形で、三木鉄道から来たハイモ295-617がセミクロスシートである以外は全てロングシート車です。
尚、全車両トイレは設置されていません。
尚、全車両トイレは設置されていません。
大垣からの所要時間は、本巣まで約30分、終点の樽見まで1時間5分前後です。
往復乗車をされる際は樽見での折り返し時間が平均10分少々と短いので、トイレは早目に済ませておいた方が良いでしょう。
また、ICカード『 TOICA 』などは利用不可能なので、大垣駅で一旦改札を出てから再入場されることをお勧めします。
往復乗車をされる際は樽見での折り返し時間が平均10分少々と短いので、トイレは早目に済ませておいた方が良いでしょう。
また、ICカード『 TOICA 』などは利用不可能なので、大垣駅で一旦改札を出てから再入場されることをお勧めします。
乗換駅 | 乗換路線 |
大垣駅 | JR東海:東海道本線、(旧・新垂井駅経由の下り本線)、美濃赤坂支線 |
大垣駅 | 養老鉄道:養老線 (桑名方面、揖斐方面) |
(参考:Wikipedia)