小学校での読み聞かせ活動記録 -14ページ目

3びきのかわいいオオカミ

ユージーン トリビザス, Eugene Trivizas, Helen Oxenbury, こだま ともこ, ヘレン オクセンバリー
3びきのかわいいオオカミ

32P/18×22/富山房/1994年初版/読み聞かせにかかる時間-11分/季節-キンセンカ、スイセン、バラ、サクラ、ヒマワリ等の花が同時に咲く季節・・・狂い咲き・・・春~秋・・・通年?


ふわふわの毛皮にふさふさのしっぽを持った、3びきのかわいいオオカミが、お母さんと一緒に暮らしていました。そして、3びきのかわいいオオカミたちが協力して作った家を強力な武器を使って破壊してゆく悪い大ブタが出てくるんです。


3びきのかわいいオオカミたちは、要塞みたいな頑丈な家ではなく、弱々しいけど美しい花の家を建てることにしました。結果は、大成功。4匹は、いつまでも仲良く暮らしましたとさ。


この絵本もある意味で、『三びきのこぶた』のパロディーになるのでしょうか。しかし、かわいいオオカミたちの作る家も近代的なら、それを破壊する悪い大ブタの持ってくる破壊兵器も強力です。何せ、ハンマーや電気ドリル、果てはダイナマイトなんて出てくるのですから・・・。あまりにも強烈で近代的すぎます。『三びきのこぶた』を知っていれば知っている程、楽しめる。そんな絵本だと思います。

ぼくにげちゃうよ

マーガレット・ワイズ・ブラウン, クレメント・ハード, 岩田 みみ
ぼくにげちゃうよ

40P/18×21/ほるぷ出版/1942年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-通年


あるところに子うさきがいました。子うさぎは、家を出てどこかへ行ってみたくなりました。そこで、かあさんうさぎに言います。「ぼく逃げちゃうよ」って。すると、かあさんうさぎは、「私のかわいい坊やだもの、どこまでもどこまでも追いかけますよ。」と優しく言うのでした。


子うさぎが小川の魚になるのなら、かあさんは、猟師になって釣り上げると言い、子うさぎが山の上の岩になるなら、かあさんは登山家になって登ってゆくと言います。結局、子うさぎは何になっても同じ事に気づき、逃げるのをやめることにしました。


この作品は、1942年に始めて出版されて以来、版を重ねて多くの親子に愛され読み継がれて来た絵本です。このほほえましい言葉のマジックと母親の愛情が子供達に心地良いものだという証でしょう。


ところが、私はこの作品が苦手です。母さんの愛情たっぷりと感じなければならない所が子離れできないストーカーママに思えてならないのです。親しい友人に相談をしたら、絵本の好き嫌いは、その人の感性だから生理的に嫌いという作品があるのは、仕方がないとの事でした。好き嫌いがあるのは仕方のないことですが、「嫌だ。嫌いだ。」と思いながら読むのは、その感情が出てしまうので、どんな名作であっても、嫌いだと想う絵本は読んではならないと言われました。


結局、好き過ぎて思い入れの強過ぎる絵本も、嫌いすぎて嫌悪感をあらわにしてしまう絵本も読み聞かせをするには向かないという事でしょう。読み聞かせでは、絵本の個性を引き立たせる事のできる人が立派な読み手なのです。一冊の絵本を見ても見た人の数だけ解釈の違いがあって良い筈なのです。聞き手に想像力を働かせる余地を与えない読み方をしないように、注意なくてはなりません。


『ぼくにげちゃうよ』は、無理に全部を好きにならなくてもいいよ。とか、読み聞かせをするときの心得とか、色々な事を教えてくれました。この絵本について書きながら、ここで、こういう事を書くために出合った絵本だったことに気づきました。私にとってこの絵本は、どうしても好きになることができないけれど、色々な事を考えさせてくれた大切な絵本です。

だいどころにもはるがきた

『だいどころにもはるがきた』島津和子作


24P/22×21/福音館書店/1994年/読み聞かせにかかる時間-1~2分/季節-台所の野菜を放置しておくと芽が出る時期・・・春


年少版・こどものともの特製版なので、文章は極力控えめです。その分、絵に力があります。ジャガイモ・玉ねぎ・キャベツ・ブロッコリー・長ネギ・人参・大根。どの野菜も生きているのです。土から掘り出され、茎を切られても、芽を出し花を咲かせる生命力の強さに子供達の目は釘付けになること間違いなしです。


でもね・・・主婦としては、こうなる前に、使いきらなくちゃ。と日夜努力をしているのです。ですから、この絵本を見ると、主婦としては失格だ。とか、こんなにズボラな人はいない。と滅茶苦茶こきおろしたくなるのです。でも、屈指のダメ主婦振りを発揮している私でさえ、キャベツから花芽が出るまで放置した事はありません。どちらかというと、腐って溶けていることの方が多いです。汚くてごめんなさい。

チムとゆうかんなせんちょうさん

エドワード アーディゾーニ, Edward Ardizzone, せた ていじ
チムとゆうかんなせんちょうさん―チムシリーズ〈1〉

48P/27×20/福音館書店/1963初版/読み聞かせにかかる時間-12分程度/季節-通年


海岸の家に住んでいるチムは、船乗りになりたい思っていました。ある日、チムは、こっそり汽船に乗ってしまいます。最初は、みっちり怒られますが、チムは一生懸命、船の仕事を手伝います。働き者のチムは皆と仲良くなり、チムはとても幸福でした。


ある日、汽船は嵐に遭遇します。乗組員は皆ボートで逃げ出しますが、チムは小さかったので汽船に忘れ去られてしまいました。どうしようと思って泣いていると、船長も残っていました。船長は、勇ましく、嵐と戦っていました。チムも覚悟を決めた時、救命ボートがやってきて、二人は助かります。


助かったチムは、元気を取り戻すと、船長と一緒に家に帰ります。チムの冒険談をすっかり聞いた両親は、今度航海する時には、是非チムを連れて行きたいと申し出た船長の提案にも快く承知しました。


現実には、こんな小さい子がこんな冒険ができる筈はないし、間違って乗船して帰ってきたとしても、両親はとっても怒るだろうし、船長だってこんな小さな子を働かせるわけにはいきません。それでも、子供達には、こんな冒険はとってもうれしいのです。


危機一髪で助かって、家に帰れば優しい両親。船長が太鼓判を押すほどに役に立つ存在だと認められる・・・。これ程痛快な話はないでしょう。


この絵本、「いつ誰が読んでも」失敗のない絵本と言われているそうです。ちょっと長いかも知れませんが、主人公の男の子が小さいので、5歳~7歳位の小さい子を対象にすると、主人公への感情移入が自然に行われる作品だと思います。主人公の年齢というのも、読み聞かせ対象年齢を考えたとき、加味すると失敗しないかも知れません。


【チムシリーズは11冊の絵本があります】
①チムとゆうかんなせんちょうさん
②チムとルーシーとかいぞく
③チム、ジンジャーをたすける
④チムとシヤーロット
⑤チムきつつきいっぱい
⑥チムひとりぼっち
⑦チムのいぬタウザー
⑧チムひょうりゅうする
⑨チムとうだいもりをまもる
⑩チムさいごこのこうかい
⑪チムもうひとつのものがたり

ピーターのとおいみち

リー キングマン, Lee Kingman, Barbara Cooney, 三木 卓, バーバラ クーニー
ピーターのとおいみち

47P/21×26/講談社/1997年初版/読み聞かせにかかる時間-14分程度/季節-春。ある、春の日、ピーターが5歳になった日の翌日の冒険談だから。


森の中に住んでいるピーターの友だちは、猫と犬と羊とあひるです。5歳の誕生日のお願い事は、「友だちが欲しい」でした。誕生日の翌日、ピーターは、町の学校へ行く決心をしました。森からの道のりはとても遠く、ピーターは何度も挫けそうになりましたが、頑張って街の学校の前にたどりつきました。


けれども、学校の階段を掃いているおじいさんに「アメリカの学校は、9月にいっせいにスタートするから、今日は帰りなさい。」と諭されてしまいます。がっかりしながら、ピーターは、同じ道を戻りました。そして、家の前で待っていたのは、たくさんの動物達でした。ピーターにはちゃんとともたぢがたくさんいたんです。


そして、お母さんもピーターを呼んでいます。「朝ごはんですよって何回も呼んだのに、どこに行っていたの?」ってね。でもね、ピーターが朝ごはんの前にした冒険は、この絵本を読んだ人だけの秘密なんだそうですよ。

はちうえはぼくにまかせて

ジーン・ジオン, マーガレット・ブロイ・グレアム, もり ひさし
はちうえはぼくにまかせて

36P/27.6×20.1/ペンギン社/1981年初版/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節-夏休みの旅行になくなったので、鉢植えを預かるバイトを始めたので、夏休み直前


トミーはお父さんの仕事の都合で、夏休みの旅行がなくなってしまいました。そこで、夏休み中、旅行する人の鉢植えの世話をする仕事を始めました。最初は起こったお父さんも、「うちでは夏休みは、どこにも行かないから、何でも好きな事をやっていい。」と言ってしまっていたので、厳しく叱る事ができなくなってしまいました。


トミーの家の中は、鉢植えが所狭しと並んでいます。居間もお風呂場も鉢植えに占領さけてしまった上に、トミーの世話が良いので鉢植えは、ぐんぐん伸びます。夏休みの終わり、トミーに鉢植えを預けていた人々は、大満足して鉢植えを受け取って行きました。

2006.03.06-三年生

山田 三郎
三びきのこぶた―Three little pigs
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  絵の参考資料です。
瀬田 貞二, 山田 三郎
三びきのこぶた―イギリス昔話
   ↑
  本当に読んだのはこの絵本です。

昔々、文字を読み書きできる人はとっても少なかったのです。だから、伝えたいお話は、言葉で伝えていったのだけど、話すたびに少しずつ変わってしまうのです。そうして、何回も何回も語り継ぐうちに、一番いい形で伝えられたのが昔話です。だから、今日の『三びきのこぶた』も皆さんが知っている『三びきのこぶた』と少し違うかも知れません。でも、どの『三びきのこぶた』も間違ってはいないんです。だから、今日聞くお話と自分が知っているお話と、聞き比べて楽しんで下さいね。


そういう前置きをしてから、福音館書店から出版されている『三びきのこぶた』を読みました。すると、オオカミが、ワラの家や木の枝を壊して二匹のこぶたを食べてしまった事に多くの子どもが驚いていました。そして、オオカミを鍋で煮て食べてしまったというのも、驚きだったようです。七匹の子ヤギと混同していて、お腹からお兄さんブタ達が出てくることを期待していたり、オオカミが反省して改心する話や、三匹のコブタ達が全員、レンガの家でいつまでも幸福に暮らしたりするお話等、色々な結末があるようです。語り継がれた昔話の多くは、物語を強調し、簡潔に締めくくり、印象を強くするために、残酷だったりするものです。


もうすぐ四年生になる児童は、まだそういう事にまで想いを馳せる事は難しくても、自分の知っている物語との違いを理解する事を楽しむ能力がついてきているようです。読み比べの面白さというのは、ちょっとマニアックな楽しみ方ではありますが、読書の醍醐味ともいえる楽しみ方だと思うので、今後もこういう機会を設けられたらいいなと思いました。

ジョン シェスカ, いくしま さちこ, レイン スミス, Jon Scieszka
三びきのコブタのほんとうの話―A.ウルフ談

さて、自分の心の中に持っている『三びきのこぶた』と今日聞いた『三びきのこぶた』を比較したところで、二冊目の絵本に入ることにしました。次の絵本は『三びきのコブタほんとうの話』です。子供達は真剣に話を聞いていました。世の中には、二面性があることを理解できたかな?なんて小難しい事を言わなくたって、子供達はしっかりそれを体感していたようです。


私は、そういう部分を無意識に強調してしまったのでしょう。クラス中で議論が始まり、危うく、オオカミが良いヒトだったと言う結論に達しそうになってしまいました。どっちが良くって、どっちが悪いっていう事はないんだよ。となだめるのに苦労してしまいました。


三年生の子供達って、色々な絵本や作品に対して、素晴らしい反応が帰ってくる程に成長したように思えました。やっぱり、四年生になっても読み聞かせを続けてあげたいです。

2006.03.06-二年生

ベラ B. ウィリアムズ, Vera B. Williams, 佐野 洋子
ほんとにほんとにほしいもの

『ほんとにほんとにほしいもの』は、主人公が女の子だったので、お話の苦手な男の子には、つまらない作品だったようです。逆にお話の好きな子供達にとっては、前回の『かあさんのいす』の続きだったので、とても面白かったようです。反応が二極分化した絵本でした。もう少し上の学年の方が良かったかも知れません。またまた反省事項です。

おざわ としお, 赤羽 末吉
みるなのくら

『みるなのくら』は全体的に良い反応だったのですが、「田植えって何?」というひそひそ声が聞こえて、余程、絵本を読むのをやめて説明をしようと思ったとか、いまどきの子どもは、田植えを知らないのかと愕然としたという報告がありました。また、一の蔵が一月の行事、二の蔵が二月の行事・・・十二番目の蔵を開けたら・・・「クリスマスだよ。」という子がいて、思わず読み手が苦笑してしまったというのもありました。


う~ん。座布団一枚!と言いたい所ですが、そこまで内容を変えちゃう訳にはいきませんね。だんだんと古き善き時代が忘れられているのかも知れません。さりげなく伝統行事を織り込んでいる昔話は、大切ですね。

2006.03.06-一年生

神沢 利子, 平山 英三
いちごつみ


『いちごつみ』に出てくる熊が、家の屋根を外して、女の子の家を直す場面は、ちょっとインパクトがあったようです。温かい陽だまりの中の一ペーシを切り取ったようなほのぼのとする作品です。子供達は、優しい気持ちでお話に聞き入っていたようです。


宗正 美子, いもと ようこ
しゅくだい


ただ、今日の絵本のメインは『しゅくだい』でした。絵本の内容そのものも面白かったと思うのですが、それ以上に読み聞かせのお母さんから「しゅくだい」が出たのに、びっくりしたり。照れたり。喜んだり。様々な反応があったようです。「重くなっちゃったから、抱っこしてくれないかも・・・」と心配する子。「もうお兄ちゃんだから恥ずかしい。」と言う子。「毎日、抱っこしてもらってる~。」と自慢げな子。今日の一年生は、本当によくお話をしてくれてたようです。


読み聞かせのお当番さんからは、会話をすることによって、一層、子供達との距離が近づき楽しかったという報告が沢山ありました。この絵本は、小学校の読み聞かせには、欠くことのできない作品になりそうです。でも、五年生や六年生に読み聞かせをしてもこの宿題ができる子は少ないでしょうね。何年生まで通用するか、試してみたい気がします。


こう考えると本当に、小学校の六年間の子どもの成長って目を見張るほど著しいものですね。感動です。抱っこ・・・してあげられるうちに、できるだけたくさんしてあげましょう。今日は、私も二人の娘達を積極的に抱っこして眠る事にしましょう。

2006.03.06-複式

山田 三郎
三びきのこぶた―Three little pigs
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 参考映像としてご覧下さい。

瀬田 貞二, 山田 三郎
三びきのこぶた―イギリス昔話
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  本当に読んだ絵本は、こちらです。

三びきのこぶたは、数多く出版されていますが、今回は福音館書店の『三びきのこぶた』の大型絵本を借りてきました。大型絵本に描かれた、こぶたたちは圧巻だったようで、子供達から笑い声や感嘆の声が挙がっていたという報告がありました。ここだけの話ですが、この作品の絵は、複式さんの児童には気に入らないと思っていました。意外な報告に、自分の勉強不足を痛感しております。




宗正 美子, いもと ようこ
しゅくだい
いもとようこさんの『しゅくだい』は、全学年のいる複式さん、高学年の児童にはかなり難しい宿題だったかも知れませんね。「おうちに帰って、抱っこ小してもらってきて下さい」って、恥ずかしすぎますね。そう想って、ちょっと心配していましたが、みんな照れながらも嬉しそうな笑顔だったようです。複式さんの反応を見てしまったら、他の学年にもこの絵本を持っていってみたくなりました。