小学校での読み聞かせ活動記録 -13ページ目

ババールのしんこんりょこう

ジャン・ド・ブリュノフ, 矢川 澄子
ババールのしんこんりょこう

48P/26.8×19.4/評論社/1974年初版/読み聞かせにかかる時間-16分/季節-ぞうの国の話で別世界だから通年。


象の王様ババールとお后のセレストが新婚旅行に出かけることになりました。気球に乗って、大海原へ門出してしばらくすると激しい嵐にあってしまいました。どこかの島に不時着して、自炊を始めたとろこを原住民に襲われてしまいます。すんでのところで、クジラに助けられたのですが、二人を運ぶ途中でくじらは二人を海の中の岩の上に置き忘れてしまいました。途方にくれていた二人でしたが通りすがりの大型船に助けられます。けれどもそれはつかの間の幸せ。二人はサーカスに連れて行かれてしまいます。


その頃、象の国ではババールの従弟のアルチュールがサイのラタクセスにいたずらをしかけて遊んでいました。このいたずらにラタクセスは激怒しています。これが後に大事件となってしまいます。


さて、サーカスにいれられた二人は、色々なところを旅して回っているうちに、やさしいおばあさんに出会った町へやってきました。二人はサーカスを抜け出し、おばあさんと連れ立って、象の国へ帰ってきました。ところが、象の国では、サイ族と戦争のまっ最中でした。ババールの考え付いた計略で、戦争はみごと象の王国側の勝利に終わりました。けが人をすくってくれたおばあさんには、記念品として、小鳥の楽隊と小猿のゼフィールが与えられました。そして、ババールは、おばあさんにこの国で、一緒に暮らしましょうと提案するのでした。


シリーズものの面白さは、登場人物が次々と増えてくる事に起因する事が多いように思います。前作で登場した人物が、次回作では、より個性豊かな活躍をするようになるからでしょうね。第二巻に登場したゼフィールも今後のかつくが期待される一人だったと思います。


読み聞かせには、少々長い感じもしますが、時間があれば読んであげたい作品です。しかし、この長さは、読むことが苦手な子どもには、不可能に近い作品なのです。ところが、読むことが苦手な子どもでも、意外と聞くことは好きだったりするのです。テンポの良い作品は、少々長くたって、全然苦にならないみたいなのです。絵本を見慣れているお子さんだったら、就学前に読破している作品かも知れません。このあたりのバラつきが、公立の小学校の難しさでもあり、面白さでもあると感じています。

おばけリンゴ

ヤーノッシュ, やがわ すみこ
おばけリンゴ

32P/29×21/福音館書店/1969年初版/読み聞かせにかかる時間-8分程度/季節-リンゴの実る秋でしょうか・・・


昔ある所にワルターという貧乏な男がいました。ワルターは、リンゴの木を一本持っていましたが、今まで一度も実がなったとがありませんでした。そこでワルターは、「ひとつでいいから、リンゴがなりますように。」と祈ったのです。その願いはかなえられ、とびきり大きなリンゴの実がなりました。すると、ワルターはそのリンゴが盗まれるのではないかと疑心暗鬼に陥り、夜もろくろく眠れなくなってしまいました。


この頃、一匹の食いしん坊の竜がこの国を荒らしまわっていて王様は大変心を痛めていました。王様はこの事態を打破すべく、秘密警察を呼び寄せ、竜退治を命じました。秘密警察官たちは、ワルターがおばけりんごを持っていたことを思い出し、竜に食べさせることにしました。食いしん坊の竜は、りんごのかけらがのどにつまって、死んでしまいました。


リンゴの番をしなくて良くなったワルター。国を脅かす竜の死。めでたしめでたしです。そして、ワルターは、「今度はちいさなリンゴを二つ、ならせて下さい。」とお祈りしながら、眠りにつきましたとさ。

竜が出てくるので、とっても古いお話かと思うと、秘密警察官が出てきたりするあたりは、近代的なつくり。シリアスなようでナンセンス。思わぬ展開にびっくりするやら、あきれるやら。とても楽しい作品でした。

ペレのあたらしいふく

エルサ・ベスコフ, おのでら ゆりこ
ペレのあたらしいふく

16P/24×32/福音館書店/1976年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-子羊の毛を刈るのだから春~秋でしょう。


ペレは子羊を一匹持っていました。子羊の毛は、それはそれは長くなりましたが、ペレの上着は短くなるばかりでした。そこでペレは、子羊の毛を刈り取り、自分の上着を作る事にしたのです。おばあちゃんの人参畑の草取りをする代わりに毛を梳いてもらい、もう一人のおばあちゃんの牛の番をする代わりに毛を糸に紡いでもらいました。


多くのひとの手伝いをしながら、少しずつの工程を経て、ペレは新しい洋服を手に入れることが出来ました。ペレは、子羊に「ありがとう」とお礼を言いました。

羊の毛を梳き、紡ぎ、糸を染め、織り、仕立てる。たった一着の服でも何と多くの人の手を経て作られる事でしょう。今は、スーパーやデパートに行ってお金を払えば何でも手に入ります。ペレは、労働の対価として、生活必需品を入手する経験をすることで、モノやヒトに感謝をする気持ちを知ることが出来たようです。ペレのような経験はなかなかできませんが、ペレの経験を共有する想像力は、育めるのではないかと思います。


自然と接したり、モノを創る作業というのは、心を豊かにする大切な経験だと言えるでしょう。絵本を読むことも大切ですが、子どもにとっては、外で遊び、多くの人とコミュニケーションを図りながら、色々な経験を積むことの方がより大切な事と思えてなりません。


そんな素敵な体験をこんなに短い一冊の絵本に集約した、エルザ・ベスコフって素晴らしい絵本作家だと思いました。

ゆびくん

五味 太郎
ゆびくん

31P/25cm/岩崎書店/1977年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-通年


右手の人差し指に、ゆびくんがいます。自分だけど自分じゃないゆびくんは、兄弟のような存在です。着替えをするときもごはんを食べるときもお持ちで遊ぶときも一緒です。


独り言のようなそうでないような・・・。ゆびくんの言葉は、自分の心の声みたいです。寝るときも一緒にいるゆびくんのような親友がいたらいいなって思える絵本です。ゆびくんのシュールな存在も五味太郎さんのイラストで可愛らしく描かれている逸品だと思います。

ねずみのとうさんアナトール

イブ タイタス, Eve Titus, Paul Gardone, 晴海 耕平, ポール ガルドン
ねずみのとうさん アナトール

32P/25.5×18.5/童話館/1995年初版/読み聞かせにかかる時間-13分程度/季節-通年


フランスのパリの近くの小さなネズミ村にアナトールは妻と6匹の子どもと住んでいました。ある夜、人間の家の台所で自分達がとても嫌われていることを知り、アナトールはとてもショックを受けます。


そこでアナトールは、自分のするべき事を色々と考えます。そして、「さいこうにおいしい とてもおいしい おいしい あまりおいしくない まずい」と書いたカードを30~40枚作って、デュバル・チーズ工場へ潜り込みました。そして、一つ一つのチーズを味見して、カードに鉛筆でひと事ずつ書き加えながらぴんでとめてゆきました。


「まずい-すてなさい!/アナトール」「とてもおいしい-塩をひとつまみいれるともとおいしくなる/アナトール」「さいこうにおいしい/アナトール」といった具合に・・・。ねずみは、チーズの味見をさせたら世界一だし、少しばかりのチーズを頂くのは、正当な報酬なんですもの、これは一石二鳥というものです。


社長のデュバル氏は、アナトールのアドバイス通りに作り方を変えさせました。たちまち商売は大繁盛です。けれども、誰がカードを書いたのかは、誰も判りませんでした。秘密は秘密のまま、今でもアナトールは友だちのガストンと一緒に工場でチーズの味見の仕事をしているんですよ。

あさえとちいさいいもうと

筒井 頼子, 林 明子
あさえとちいさいいもうと

31P/20×27/福音館書店/1982年初版/読み聞かせにかかる時間-5分程度/季節-あさえちゃんが長袖なので、夏以外かな?


あさえが、外で遊んでいるとお母さんが銀行に行くので妹のあやちゃんの面倒を見て欲しいと頼まれます。あやちゃんはねんねしたばかりなので、大丈夫と思っていたら、すぐに目を覚まして大泣きしていました。


あさえは、あやちやんを外へ連れ出します。面倒を見ているつもりで夢中でチョークで絵を書いて、顔をあげると、あやちゃんが見当たりません。あさえは必死であちこち走り、あやちゃんを探し回ります。道を一人であるいている女の子・・・。違います。知らないおじさんに手を引っ張られている女の子・・・。違います。あやちゃんはどこに行ってしまったのでしょう。あさえは、胸かドキドキしています。


いました!!あやちゃんは、公園の砂場にしゃがんで一人で遊んでいました。あさえは、心の底から安心しました。というお話です。


小さい子を迷子にしてしまうと、心配なものです。我が家の長女は、小さい頃からよく迷子になる子でした。1分もしないうちに影も形もなくなり、何度も迷子放送をしてもらったものです。あやちやんが見つからないときのあさえの気持ちが手にとるように判ります。本当に心配で不安で悪いことばかり考えてしまって、たまらないものです。見つかったときは、本当にほっとしたものでした。今は、小学校三年生になりましたが、つい最近も、遊びに行った遊園地で迷子になって、皆で大騒ぎをしてしまいました。

ばけものつかい

川端 誠
落語絵本―ばけものつかい

24P/31×22+/クレヨンハウス/1994年初版/読み聞かせにかかる時間-8分/おばけものという事で夏でしょうか。


けちで人使いの荒いご隠居さん。化け物屋敷という噂の高い古い大きなお屋敷に引っ越しました。使用人を連れてきたものの、化け物屋敷という噂を聞いて、使用人は出て行ってしまいました。


使用人に出て行かれては、身の回りのことができません。ご隠居さんは、困っていましたが夜になると、トントントン・・・。現われたのは一つ目小僧でした。ご隠居さんは、給金要らずの便利な使用人が来た!とばかりに大いに一つ目小僧に用事を言いつけます。


翌日出てきたのは、ろくろっ首です。ご隠居さんは、洗濯や裁縫をやらせました。その次の日は、大入道です。屋根のごみを吹き飛ばしたり、庭石を動かしたり、力仕事をさせました。


毎日、便利な化け物がきてほくほくしていたご隠居さん。今日はだれが来るかと楽しみに待っていました。すると・・・「私、毎日ここへ化けて出ているものですが、あなた様ほど化け物使いの荒い方はおりません。お暇を頂きます。」と言い出すではありませんか。ご隠居さんが障子をがらりと開けると、そこには旅支度を整えたたぬきが一匹立っていましたとさ。


落語って、面白いですよね。最近はなかなか落語を聞く機会がないのですが、江戸っ子の気風や生活風景を織り込んだ作品が多くって、昔の風物詩も学べる一石二鳥な作品が多いですよね。

ひとまねこざるびよういんへいく

マーガレット・レイ, H.A.レイ, 光吉 夏弥
ひとまねこざるびょういんへいく

48P/28cm/岩波書店/1998年改訂(1968年初版)/読み聞かせにかかる時間-17分/季節-通年。


ひとまねこざるは、シリーズになっています。


①ひとまるこざるときいろいぼうし
②ひとまるこざる
③じとんしゃにのるひとまねこざる
④ろけっとこざる
⑤たこをあげるひとまねこざる
⑥ひとまねこざるびょういんへいく


つまり、この作品は、シリーズ6作目の作品です。


お猿のジョージは、あい変わらず知りたがりやです。今日は、黄色い帽子のおじさんの机の上の大きな箱がきになって仕方がありません。箱の中身は、はめ絵パスルのピースでした。でも、ジョージは、そんな事知りませんから、かけらを一つ飲み込んでしまいました。そして・・・お腹が痛くなり、とうとう入院して手術しなければならなくなってしまったのです。


相変わらず好奇心一杯のジョージが巻き起こす事件は、まるで小さな子どものようです。「こんな事をしたら、どんな事になるか。」子どもって、薄々そんな事が判っていても、我慢できないんですよね。いたずらをしようと思ってするのではなくて、結果として、いたずらになっちゃうんですよね。


そんな沢山の体験を通して、子どもは少しずつ賢くなってゆくのだと思います。少々のいたずらには目を瞑って、好奇心の芽を摘まないようにしてあげられるといいですね。

だるまちゃんとうさぎちゃん

加古 里子, Richard McNamara, Peter Howlett, ピーター ハウレット, リチャード マクナマラ
だるまちゃんとうさぎちゃん 英語版
     ↑
  英語版ですので、表紙の参考資料です。
加古 里子
だるまちゃんとうさぎちゃん
     ↑
  実際に読んでみた絵本はこちらです。

28P/20×27/福音館書店/1972年初版/読み聞かせにかかる時間-7分程度/季節-雪だるまを作っているので冬。


今回のだるまちゃんの遊び相手は、妹のだるまこちゃんとうそぎちゃんとうさぎこちゃんです。雪だるまを作ったり、雪ウサギを作ったり色々なものを作って遊びます。おやつまで、色々なうさぎに変身してとってもたのしいひと時を過ごします。


手袋や新聞紙やナフキン、リンゴまでうさぎに変身するこの絵本を読むと、思わず真似をしてやってみたくなります。小さな頃、父や母と色々なモノを作った事を思い出しました。ほんの少し前の時代には、今みたいに高性能なおもちゃがなくとも、家族で楽しみながら簡単なおもちゃを作ったりして楽しんでいたんですよね。そんな楽しいひと時を思い出させてくれた絵本です。

あやちゃんのうまれたひ

浜田 桂子
あやちゃんのうまれたひ

32P/27×20/福音館書店/1984年初版/読み聞かせにかかる時間-5分程度/季節-あやちゃんのお誕生日は12月15日。誕生日が近くなったある日、お母さんがあやちゃんの産まれた日を思い出して話してくれているので、12月1日~14日の間でしょうか。


読み聞かせに適した季節を書いた時点で、絵本のあらすじは判ってしまったかも知れませんね。お母さんは、あやちゃんが予定日に産まれず、家族中で、早く生まれておいでと話した事やお父さんに病院に連れて行ってもらった事などをあやちゃんに向って話します。


子どもって、自分の生まれた時のことを聞きたがったりする時期が、必ずあるみたいですね。お産は十人十色です。我が家の長女は、34週の早産でで2000gの未熟児でした。次女は、予定日通りのお産でした。どちらも、一言では言い尽くせないドラマがありました。毎回、少しずつ小さな出来事を思い出したり、余分な話を削ったりして、娘達の出産の様子を何回も何回も話してあげたのがつい、昨日の事のように思い出されます。


『あやちゃんのうまれたひ』を聞くと、自分の生まれた日のことを聞きたがるお子さんがたくさん出てくるかも知れません。家族との会話の架け橋になる絵本って、いいなと思います。