ペレのあたらしいふく
- エルサ・ベスコフ, おのでら ゆりこ
- ペレのあたらしいふく
16P/24×32/福音館書店/1976年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-子羊の毛を刈るのだから春~秋でしょう。
ペレは子羊を一匹持っていました。子羊の毛は、それはそれは長くなりましたが、ペレの上着は短くなるばかりでした。そこでペレは、子羊の毛を刈り取り、自分の上着を作る事にしたのです。おばあちゃんの人参畑の草取りをする代わりに毛を梳いてもらい、もう一人のおばあちゃんの牛の番をする代わりに毛を糸に紡いでもらいました。
多くのひとの手伝いをしながら、少しずつの工程を経て、ペレは新しい洋服を手に入れることが出来ました。ペレは、子羊に「ありがとう」とお礼を言いました。
羊の毛を梳き、紡ぎ、糸を染め、織り、仕立てる。たった一着の服でも何と多くの人の手を経て作られる事でしょう。今は、スーパーやデパートに行ってお金を払えば何でも手に入ります。ペレは、労働の対価として、生活必需品を入手する経験をすることで、モノやヒトに感謝をする気持ちを知ることが出来たようです。ペレのような経験はなかなかできませんが、ペレの経験を共有する想像力は、育めるのではないかと思います。
自然と接したり、モノを創る作業というのは、心を豊かにする大切な経験だと言えるでしょう。絵本を読むことも大切ですが、子どもにとっては、外で遊び、多くの人とコミュニケーションを図りながら、色々な経験を積むことの方がより大切な事と思えてなりません。
そんな素敵な体験をこんなに短い一冊の絵本に集約した、エルザ・ベスコフって素晴らしい絵本作家だと思いました。