こんな記事を以前書きました
練習は苦しくて辛くて苦労した方が上達する?
これは、ボディシンキングコーチである、せんだゆうこさんがブログを読んでの感想と私の考えをまとめた本です。
元ネタとなった、せんださんのプログはこちら→
苦しい練習を乗り越えた時こそ感動できる?の話。
書きながら思い出したのが、
「とにかく、どうやったら簡単になるかしか考えてない!」
という言葉。
ユトレヒト音楽院で同じくクラリネットを学んでいたChilliちゃんが話していたことです。
香港出身の彼女とは、年齢は一回り違うしクラスも別だったけれど、
本当によく一緒に勉強しました。
いつも元気でたくさんのことを教えてくれた彼女は、
修士はロンドンのギルドホール音楽演劇学校で学び卒業。
Guildhall School of Music and Dramaのサイトは→https://www.gsmd.ac.uk/
彼女Chilli Hiu Lam loちゃんのYoutubeは→こちら
さて、
「とにかく、どうやったら簡単になるかしか考えてない!」
は、結構衝撃でした・・・
なぜなら、作品を演奏することについて
「簡単にする」
「楽にする」
なんて考えついたことがなかったからです。
「難しいことをやっているなぁ」
と見られるのが当たり前だと思っていたし、
「難しいことは難しいまま」
とも考えていたからです。
当時私はプーランクのソナタを勉強していました。
既に同作品を勉強済みだったChilloちゃんに、
譜読みとか質問しながら、一緒に練習してもらってました。
その時、
「ルミ!こっちの方が簡単だよ!!!」
と運指についてアドバイスをもらいました。
私は
「こっちの運指で頑張ろうと思ってるんだけど」
と答えました。
それが、いわゆる「正攻法」の運指だったからです。
ところが彼女は
「Oh、ルミ!ルミは日本人っぽいなぁ。」
「私はとにかく簡単にすることだけ考えて練習してる!!!」
「簡単にすれば舞台で助かる」
「だからこっちの運指を使うよ♪」
と元気に話てくれました。
その時は
「簡単にしちゃっていいのかな?」
「難しいことを難しいまま頑張った方が意味あるんじゃないかな?」
と考えていました。
しかし、留学やそのほか勉強を通して、
今なら彼女が意味していたことがわかります。
・ある作品について熟達すること
・スラスラ吹けること
は、その曲や演奏のための技術が自分自身にとって簡単である状態、ということです。
簡単な状態で脳に入っていると、
“演奏”という行動にスムーズに移すことが可能です。
自分にとって簡単=自由に扱えるようにするために
・曲を知り
・分析し
・計画を立て
・ゆっくりからインプット
・だんだんスムーズにしていく
・運指やリズム取りなどに良い手はないか探す
をコツコツやっていくんだよなぁ。
それが練習♪
そして、奏者にとって「簡単」になってスムーズに演奏されていることが、
聴いている側にも心理的安全を提供し、
より音楽によるコミュニケーションが図れるのかな、
と考えています。
やったら上手でも、苦悶の表情等心理的安全の見えない演奏も実際ありますよねぇ。。。
私を音楽的に救ってくれたオランダの賢人も
「ルミ子、速くできるってことは、
このパッセージがルミ子にとって“簡単になっている”ってことだよ」
「だから、“簡単になるまで”ゆっくり目で練習するんだよ。」
「そして演奏するときは意思を持ってアーティストとしてやり切るんだ」
と教えてくれました。
特に連符パッセージの時に、このアドバイスをよく受けていました。
ちなみにここでいう「簡単」は、
何も考えずに努力もなく演奏できること
ではありません。
・演奏する意思を持ち、
・心理的安全の中で
・でもアドレナリンと共存して
・音楽的意図を捉え
・そのための技術を自由に扱えること。
それが「簡単」かな、と。
どうやったら自分にとって簡単になるか
どうやって自分自身に教えてあげるか
この辺が器楽練習のミソなのかもですよ〜〜
「そうはいっても連符は難しい」「どうやって簡単にするの?」
という方にはこちらの講座がオススメです。
練習箇所の仕分け=下ごしらえをして、練習に取り組むのを簡単にする講座はこちら♪
「練習ってどう進めるの?」「繰り返し練習以外に何があるの?」
という方にはコチラがオススメです。
Stay healthy, calm, and smiley
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