大沢池~庭湖 | 古都の礎

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嵯峨野にある大沢池です。

 

 

大覚寺境内にある国の名勝。

平安時代初期、この地に離宮・嵯峨殿を営んだ嵯峨天皇が、嵯峨殿の苑池として造らせた人工池。周囲約1キロの池泉舟遊式庭園で、天神島、菊島、庭湖石が配置されます。嵯峨上皇の没後、皇女の正子内親王によって嵯峨殿は寺に改められ大覚寺となります。現在、大覚寺の主要伽藍は大沢池の西側にありますが、このようになったのは近世からで、創建から中世まで伽藍は大沢池北側にありました。そのため、天神島、菊島、庭湖石も池の北側に配置されています。中国の洞庭湖を模したとされることから庭湖の名があります。

日本三大明月鑑賞地(残る2つは興福寺と石山寺)。中秋の名月には、龍頭船、鷁首船を大沢池に浮かべて船上から月を愛でる「観月の夕べ」が行われます。

 

 

天神島。

 

 

天神島にかかる天神橋。

 

 

天神島にある小祠。

天神社といい、菅原道真(天神)を祭神としています。

 

 

菊ヶ島。

ここに群生していた嵯峨菊からの名。いけばなの嵯峨御流は代々大覚寺に伝えられたいけばなの流派で、嵯峨天皇が船上から菊ヶ島に生える菊を手折り、殿上の花瓶に挿したことに始まるとされています。

創建当初は大沢池の水位が現在よりも低く、中世に復興した際に盛土されたことが発掘調査で分かっているそうです。

 

 

庭湖石。

「山家集」に巨勢金岡が大沢池中に立てたと書かれる石。

 

 

 

大沢池;京都市右京区嵯峨大沢町