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間もなく関東大震災から97年。来るぞ来るぞと噂されつつ早くも約100年が経過する。この間、人口は10倍、経済は100倍、科学技術は1000倍といわれる中で、もしもなら、その影響は計り知れない。しかも、流言蜚語として厳しく規制された地震予知情報も、今では競って発信する傾向にある。でも、どこまで信頼に値するだろうか。
かつて東京帝大に寺田寅彦という物理学者がいた。地震研究の第一人者であると同時に随筆家でもあった。そのためか宏観現象にも着目し、地震と発光現象や、地震と漁獲量の変化、といった研究にも熱心だった。だが多くはデマだとして批判の的にされたが、こうした渦中にあって、あの忌まわしい関東大震災が起きた。
関東大震災では約190万人が被災し死者行方不明者は10万5千人に達した。もし、こうした異変を前以て知らせることが出来たなら、かなりの減災に結び付いたのではないかと悔やんだそうだ。この時の名言「天災は忘れた頃にやって来る」は皆さんも御存じかと思う。
数年前、イタリアで自然界に異変が続出した。民衆は「地震が来るぞ」と騒いだ。学者は「デマ」だとして沈静化を計った。だが実際に大地震は起きてしまった。その結果、デマ説を唱えた地震学者数名は告発され、なんと有罪になってしまった。これは「地震が来る」より「地震は来ない」をデマとして裁いた一例である。
宏観から地震の有無を判別するのは難しい。カラスが騒ぐのは、天敵たる猛禽類の襲来か、縄張りを守るための威嚇が多い。犬が吠えるのは欲望や護身本能であり、正常と異常のが区別がつかない。ならば、日常的な行為は除いて、尚且つノイズか否かを選別しなくてはならない。
★天敵の襲来、縄張りへの越境、繁殖期でもないのにカラスが異様に騒ぐ。
★どこか落ち着かず、いつもと違って犬が悲しげに鳴く。
★猫やネズミが家屋を離れ、意外(安全)な場所で群れていた。
★厳冬期にヘビやミミズが這い出した。
★井戸水が枯れた。
★地鳴り、海鳴り、発光現象。
★豊漁、不漁、深海魚が揚がる。
★他、、寝たきりの年寄りが走り出した、といった信じがたいものもあるが、何れにせよ、鳥獣から昆虫まで、体調悪化よりも元気になっていることに注目して頂きたい。
自然界の生命体は異変を先取りして生き延びることで知られる。スマトラ沖の巨大地震(津波)でも、ゾウの群れは事前に異変を察知したらしく、一頭の犠牲もなかったそうだ。もし体調不良なら相当数は逃げ遅れて死滅していただろう。
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これらは、ほんの一例であり、まだまだある。しかも単なる“お騒がせ”ではない。故溝上恵氏など地震予知連や中央防災会議の面々が書き残した前兆集からの抜粋である。
もし、これらをデマとするなら、寺田寅彦のみならず、日本を代表する地震学者の考えまで否定することになってしまう。地震予知連や中央防災会議は、有識者と関係行政機関、全国の国立大学からなる公的機関だ。いわば国がデマを飛ばしているといっているようなものだ。
イタリアの地震では、その後も、また告発騒ぎが起きている。地震学者もうかうかできない。そのせいか日本でも著名な地震学者の多くが「大地震が来るぞ」と大騒ぎを始めた。当たるも八卦、当たらぬも八卦ではあるまいが、やはり地震は、来ないといって来るより、来るといって来ない方が良い、といったところか。
因みに、大きな地震ほど台風や強い低気圧の通過後や、季節風がやんだ穏やかな日和に限って発生する傾向にある。関東大震災は、九州に上陸した台風が新潟沖を通過した頃合いであった。8月は天候が安定することもあり大きな地震は少ない。とはいえ台風の最も多く発生する時期でもある。南海上にある(台風の)タマゴの動きにも御注意を・・。
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《参考》
〈盛夏の8月に大地震は少ない不思議〉
|https://ameblo.jp/rohitigu/entry-12606006850.html
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《猫に小判?》
「暑いニャ~」
「美肌のオイラにマスク姿は似合ワン?よ」
「コロナ対策より、かち割り氷の方がえーニャ~」
「・・・」